待機児童が5年ぶりに増加!
保育園に入りたいけれど入れない「待機児童」の数が5年ぶりに増加したことがわかり、新聞やニュースで報道されています。
待機児童の数は2015年4月時点で2万3000人。
最も多かったのは東京都世田谷区の1182人で、前年に比べ73人増加。また、千葉県船橋市の652人、沖縄県那覇市の539人なども目立ちました。
待機児童が増えた理由は?
何年も前から問題視され、国や自治体がさまざまな対策を行なってきた待機児童。なぜここにきて増えてしまったのでしょうか?
2015年4月にスタートした新しい制度のおかげで、全体の受け入れ人数は増えました。しかしそれを上回る勢いで、入園希望者が増えているというのです。
共働きの家庭が増えている今、保育園への入園希望者が増えるのは当然の流れといえそうです。
保育士が足りない!自治体間で奪い合い状態?
待機児童がなかなか解消されない原因のひとつとして、「保育士不足」も指摘されています。
待機児童が最も多い世田谷区の担当者は「保育施設を造ったのに保育士が集まらず、子供の定員を減らすことになった」と語っています。
他の自治体担当者の中には、「自治体間で保育士の奪い合いになっている」と語るところもあるようです。
資格はあるけど保育士じゃない…「潜在保育士」が70万人!
実は、保育士資格を持っていても保育士として働いていない「潜在保育士」と呼ばれる人が、全国に60~70万人いると言われています。
この人たちが保育士として働かない決断をしたのはなぜでしょう?
保育士の離職理由としては、以下のようなことがあげられています。
1.平均月収が18万?給料が安い
子供に与える影響の大きさや責任の大きさに比べ、あまりに少ない給料…
加えて有給の消化しにくさも指摘されています。
2.命を預かる責任の重さ
0~2歳の乳幼児は、原因不明といわれる乳幼児突然死症候群やその他の病気に注意しなければなりません。
3歳以上になっても、好奇心旺盛な子供は危ないことが大好き…
常に子供たちに目を配り注意しているのがどんなに大変か、子育て経験のある方ならわかるのではないでしょうか?
3.子供が好きだからこそ、自分の子育てに集中したい…
子供が好きな人が保育士さんになるのだから、これは頷けます。
20~40代の子育て世代は特に、潜在保育士が増え続けるのではないかと思います。
もっと大胆な待遇改善を!
ひとりの人間の人格形成に大きく影響し、命を預かるという側面もある仕事…
子育てを経験した人の中には、保育士という仕事の尊さを実感した人も多いのではないでしょうか?
厚生労働省はこの3年間で保育士の給与水準を平均5%増額するとしていますが、たった5%の増額ではつり合わない気もします。
待機児童解消のためにも、もっと大胆な待遇改善が必要なのかもしれません。