お出かけはどこまでOK?今日からできることは?
2020年2月25日に厚生労働省が新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を打ち出したことにより、多数の公演などのイベントが延期や中止され、会社でもテレワークや時差出勤を推進するといった行動が出てきています。
誰がいつ新型コロナウイルスに感染してもおかしくないといった状況になりつつある中、なるべく外出を控えようとすでに予定を変更するなどの対応を始めている家庭もあるかもしれません。
しかしいくら新型コロナウイルスが流行しているとはいえ、一日中家に引きこもっているというのはなかなか難しいですよね。実際にはどの程度のお出かけを控えるべきなのでしょうか?
お出かけに関する疑問について、株式会社メドレーが運営するオンライン医療事典「MEDLEY」の監修医師 園田先生に質問しました。その回答や厚生労働省が公表している情報を元に対応策をご紹介します。
不要な外出はなるべく控える
「感染経路が明確に分かっていない、かつ症状が出ていない感染者もいる以上、どこへ出かけても感染の可能性はあると考えるのが一般的です。日本政府は不要不急の集まりを控えるように指示していますし、確率論でいうと、感染の可能性が上がる人混みは極力避けるように考えてください」(園田先生)
行かなくても困らない外出は控えつつ、スーパーに買い物など毎日の生活には欠かせない外出の場合は人が多い時間帯を避ける、行く回数を減らすといった工夫ができそうですね。
延期できる行事は予定を変更する
3月は何かとイベントが多い時期ということもあり、すでにお出かけの計画を立てている家庭もいるでしょうか。厚生労働省では、3月中旬までの2週間において人が多く集まるイベントは開催の中止または延期などの対応を求めています。
たとえ大きなイベントや行事でなくても、人が集まる場所にいく予定なのであれば、できる限り日にちをずらすもしくはいったん中止するという判断もあります。
なるべく人混みは避ける
さらに園田先生によると「人の行き来が多いようなタクシーや電車やその他の公共交通機関も同様に考えてください」とのこと。
お出かけ先だけでなくそこまで行く際に利用する公共交通機関も、人が多く集まる場所と同じリスクがあるということを認識しておきましょう。
対策として、公共交通機関を利用しない移動手段を選ぶことや、利用者が多い時間帯を避ける、乗り降りのタイミングで手洗いを徹底するなどの方法がありそうです。
外出するしないに関わらず、手洗いは徹底する
人が多く集まる場所での感染率が高まるのは当然ですが、人が少ない場所であれば大丈夫ということはなく、誰がいつどこで感染するかわからない状況です。
「日々の生活の中でこまめに石鹸での手洗いを心がけてください」と園田先生は強調します。
厚生労働省もこまめな手洗いや咳エチケットなどの感染対策を呼び掛けています。どこへ行く場合でも、これまで以上に意識して行動していきましょう。
取材協力:園田 唯 先生
©MEDLEY
東京大学医学部健康科学科で精神保健学を専修した後、千葉大学医学部へ。河北総合病院の初期研修で内科全般の研鑽を積み、日本赤十字社医療センターで呼吸器内科医として勤務。その後静岡がんセンターで感染症診療に従事。2016年よりメドレー参加。日本内科学会認定内科医、総合内科専門医、呼吸器学会専門医、ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター。
今回園田先生にいただいた回答は、2020年2月25日時点での内容です。
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599698.pdf,2020年2月27日最終閲覧)
- 厚生労働省「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00002.html,2020年2月27日最終閲覧)
- 厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html,2020年2月27日最終閲覧)