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新型コロナウイルスは子ども同士でもうつる?幼稚園や保育園は休ませるべき?医師が解説

新型コロナウイルス感染症について、不要不急の外出は控えるべきという空気が流れる中、幼稚園や保育園は運営継続という対処がなされています。とはいえ、子どもは今のまま登園を続けていても大丈夫なのでしょうか?開園していても、子どもを自主的に休ませるべきなのかどうかの判断について、株式会社メドレーが運営するオンライン医療事典「MEDLEY」の監修医師 園田先生に質問しました。回答を元に、今できることについて考えていきましょう。

PIXTA

子ども同士でもうつる?幼稚園や保育園は休ませるべき?

去る2月28日に安倍総理大臣と萩生田文部科学大臣は、全国の小学校や中学校などに対し、3月2日から春休みに入るまでの間を臨時休校とするよう要請しました。

幼稚園や保育園はこの要請の対象外です。ただし園内に感染者が出た場合や同地域で感染が拡大している場合は休園を検討すべきとしており、その際の最終的な判断は自治体や園によって異なります。

全国の小学校や中学校などが休校となっている中、幼稚園や保育園だけが運営され、子どもが多く集まる場所にわが子を通わせ続けることに抵抗を感じているママもいるのではないでしょうか。

今回は、幼稚園や保育園に通う子どもへの対応について、株式会社メドレーが運営するオンライン医療事典「MEDLEY」の監修医師 園田先生に質問しました。厚生労働省や日本小児学会が公表している情報も参考にしたうえで対応策をご紹介します。

感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」

「今回の新型コロナウイルスは接触感染と飛沫感染が考えられています」と園田先生。

厚生労働省も、新型コロナウイルスの感染経路を次のように示しています。

現時点では、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。
(1)飛沫感染 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき
(2)接触感染 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りの物に触れると感染者のウイルスが付きます。未感染者がその部分に接触すると感染者のウイルスが未感染者の手に付着し、感染者に直接接触しなくても感染します。
※感染場所の例:電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど ※1

これを読むと、「小さい子どもたちが集まる幼稚園や保育園で新型コロナウイルスに感染してしまうのでは」と不安に思うかもしれません。

日本小児科学会によれば、

現時点では、国内の小児の患者は稀で、成人の感染者からの伝播によるものですので、保育所、幼稚園、学校などへの通園、通学を自主的に控える理由はありません。 ※2

とのこと。

最終的に子どもを休ませるかどうかについては家庭ごとの判断になるかと思いますが、休ませたからといって感染リスクが下がるわけではないとも解釈できます。家族や園側と相談した上で行動しましょう。

通園するしても休ませるにしても、「接触感染と飛沫感染を予防するには、手洗いと咳エチケットが重要。お子さんにこまめな手洗いを促し、咳が出る子にはマスクを着けてあげてください」と園田先生。厚生労働省でも同様の呼びかけをしています。

マスクよりも手洗いと咳エチケットを大切に

子どもの場合、マスクをなかなかつけてくれずに困っているママもいるのではないでしょうか。

しかし園田先生は「マスクをすることで体内にウイルスが入るのを完全に防げるというわけではありません。症状がない人がマスクを着けるというのはオプションくらいに考えて、固執しないようにしてください」といいます。大人も子どもも手洗いやアルコール消毒を習慣にするほうが大事ということですね。

マスクによる予防効果については、厚生労働省でも下記のように見解を述べています。

マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ上で高い効果を持ちます。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクを着用しましょう。
ご自身の予防用にマスクを着用することは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる予防効果はあまり認められていません。 ※3

咳やくしゃみなどの症状が出ていない限りはマスク着用にこだわらず、帰宅後・食事前・トイレ後などのこまめな手洗い、および手指消毒用アルコールによるアルコール消毒を家族で習慣化していきましょう。

園田先生プロフィール

©MEDLEY

東京大学医学部健康科学科で精神保健学を専修した後、千葉大学医学部へ。河北総合病院の初期研修で内科全般の研鑽を積み、日本赤十字社医療センターで呼吸器内科医として勤務。その後静岡がんセンターで感染症診療に従事。2016年よりメドレー参加。日本内科学会認定内科医、総合内科専門医、呼吸器学会専門医、ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター。

今回園田先生にいただいた回答は、2020年2月25日時点での内容です。

オンライン医療事典「MEDLEY」公式サイト

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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