歩行中の交通事故「7歳男児」が圧倒的に多い
先日のニュースで発覚した、特に男の子を持つ親にとっては大変衝撃的な事実。
平成27年に発生した歩行中の交通事故で死傷者は5万6942人であり、そのうちの1462人が7歳児であることが交通事故分析センターの交通事故分析レポートにより分かりました。
1歳以降少しずつ増加し、6歳児は1057人、7歳児1462人、8歳児は1104人と8歳児以降は減少傾向にあることも判明しています。
なぜ7歳児に多い?
「7歳」といえば、小学校に入学する年齢で、ピカピカのランドセルを背負った小学1年生です。
幼稚園・保育園は子供の送り迎えは、親が行うというのが当たり前ですよね。どこかに出かけるのも、友達のおうちに遊びに行くのも親が一緒というのがほとんどでしょう。
しかし、小学校入学と共に始まるのが一人での登下校。友達と一緒だとしても、幼稚園の時のように毎日ママと一緒に登園し、時間になるとママが迎えに来る、といったそれまでの生活パターンから大きく変化します。
そうして親の目が離れたところでの行動が始まり、子供は成長していくわけですが、1番怖いのがこの時期です。
一人で行動出来るようになったと子供は錯覚し、今まで親が子供と一緒にいることで避けて来ていた「危険」を察知できないのです。
親がどんなにうるさく子供に「車には気を付けなさい」と散々言い聞かせても、まだまだ幼い7歳の急に広がった自分の世界に、好奇心にその言葉は消されてしまい、実際に自分が危険な思いをしないとなかなか理解が難しいようです。
なぜ男の子に多い?
交通事故総合分析センターのまとめによると、以下のことが分かっています。
- 73%が日中に発生している
- 平日の死傷者は土日の約2~2.5倍
- 男児の死傷者は女児の2倍
- 主に登下校や遊んでいる時に発生
男の子が女の子の2倍…その理由は何でしょうか?
男の子を持つママなら、何となく理解出来ることなのかもしれません。実際、男の子を育てていてヒヤッとした瞬間を何度か味わったママも多いはずです。
筆者もその一人です。急に走り出したり、こちらがいくらダメと言っても高いとこに上りたがったり、狭いところに入りたがったり。
好奇心旺盛と言えば聞こえがいいかも知れませんが、やはり女の子に比べると、ふざけてしまいがちと言いますか、夢中になると周りが見えなくなることが男の子には多いのかもしれません。
その男の子が友達と一緒に下校することで危険性はより高まります。楽しくなると余計に周りが見えなくなってしまうからです。そんな集団ほど危険なものはありません。
登下校や遊んでいる時に事故が多いのも、このことが関係していると考えられます。
女の子なら心配ない?
うちの子は、女の子だから大丈夫…とお考えの方、忘れてはいけないことがあります。
確かに、7歳の男の子が女の子の2倍事故に遭っているという結果が出ています。しかし、それは女の子も事故に遭っているから出すことが出来たデータなのです。
女の子は男の子よりしっかりしていると昔から言われてはいますが、一人で行動出来るという気持ちの高ぶりが不注意に繋がり、思わぬ事故を引き起こしてしまう危険があるのは、男の子と共に女の子にもあるということを忘れないようにしましょう。
1番怖いのは「慣れ」
事故が多いのは登下校中、そのうちでも下校中が登校中の3倍も多いとのこと。
また、月で見てみると、学校に慣れ出す6月に多発しているとのことです。
それから、事故が多いのは自宅から500メートル以内と言うことも分かっています。毎日通っているところだから、子供も親も油断してしまいがち。
3つに共通していることは「慣れ」。登校中よりも下校中の方が、確実に気が抜けていますよね?初めての小学校生活の緊張から、少しずつ解き放たれていく6月。毎日通っているからという油断からの事故。
「慣れ」が1番怖いということが明白です。
事故を防ぐために、私たち親に出来ること
愛する我が子を事故で失うなんて、そんなこと何が何でも避けたいもの。
「7歳」という年齢は、また1つ大人になるための第一歩、新しい始まりの年齢。今まで手を繋がないと怒られていたのに、1人で行動することが許され、そして自信が生まれ、親もその成長が嬉しくなります。
しかし、7歳。まだまだ子供なのです。だからと言って、毎日親が一緒に登下校するわけには行きませんよね。
事故を防ぐために、私たち親が出来ることって何でしょうか?
小学校入学までに交通ルールを教える
まだ理解力が乏しい年齢ではありますが、小学校に通い始める前に、交通ルールを教えておくことはとても重要なことです。
子供の交通事故で1番多いのは「道路横断中」です。道路を渡る時は必ず左右を見て、車が来ないことを確認することを教えておきましょう。
どれだけこっちが必死に交通ルールを叩き込んでも、やんちゃな男の子には身に入っていかず、結局は怖い思いをしなければ分からない、というのが事実。
まずは、車は怖い!ということをしっかり教えておきましょう。
家から小学校に行くまでを通学路を入学するまでに練習する。
初めて通る道だと大人でもオドオドしてしまうもの。
通学路を一緒に歩いて、「ここは車が多いところ」、「ここを曲がる時は特に車に注意しなくてはならない」…そんないくつかの危険なポイントを子供に何度も何度も教え込むことが大切です。
子供も慣れることで余裕が出来て、周りを確認出来るようになるはずです。
「飛び出し」は絶対ダメだという事を言い聞かせる
女である私には全く理解できないことでケラケラ大爆笑の男の子。男の子は本当に未知の生き物だと思って育ててきました。
どこでもちょっとしたことが面白くてふざけてしまいがち。親としては危なっかしくて見ていられませんよね。
しかし、ちゃんと見ましょう。道路は公園ではないことをしっかり伝えましょう。
「飛び出し」事故は、遊んでいて起きることが多いようです。道路を渡る時は、左右の確認を怠ってはいけないこと、「飛び出し」は絶対にダメだということを言い聞かせましょう。
決して他人事では無い、交通事故
誰しもが「交通事故」と隣り合わせで生きています。外出する限り、被害者になってしまうこと・車を運転する限り、加害者になってしまうことの可能性はゼロではありません。
決して他人事ではありません。そのことを頭に置いて生活しましょう。きっと、いつも見えていなかったものが見えてきます。
どれだけ子供に言い聞かせていても、車やバイクは突然襲い掛かってくることもあります。少しでも防ぐことが出来るよう、子供が出掛ける時には、「車やバイクには気を付けようね」と、たとえ鬱陶しく思われても、毎日毎日伝えましょう。
子供と出掛ける時は、何歳だろうと子供が恥ずかしがって嫌がるその時まで、しっかり手をつなぎましょう。交通事故による悲しいお別れが少しでも減るよう、心を込めて。