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リトミックとは?
リトミックとは、簡単に言えば音楽に触れながら子どもの基礎的能力を伸ばす習い事です。以前は音楽系の習い事といえばピアノや歌など「音楽の技術を学ぶ」レッスンがメインでしたが、リトミックは「音楽を身体で感じる」ことを目的としています。
つまりリトミックとは、音楽を演奏する技術を学ぶのではなく、音楽を身体で感じながら人間力を高めるための習い事だと言えますね。
- 千葉大学附属図書館「「音楽表現」におけるリトミックの実践」(https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900066936/13482084_57_379.pdf,2021年4月7日最終閲覧)
リトミックの効果とは?
それではリトミックには一体どのような効果が期待されているのでしょうか?代表的な三つの効果について見ていきましょう。
リトミックの効果1:集中力・運動能力・判断力の向上
リトミックに期待される効果の一つ目は、集中力・運動能力・判断力です。リトミックとは音楽の習い事でありながら、子どもの知的能力を向上させるために役立ちます。
まずは一番自然な形からの導入として音楽に合わせて歩く・走る・止まる活動をおこなう。…中略…ここで自然に聴く力と集中力が育ち、動く・止まるの繰り返しによって誘発と抑制がおこなわれ、運動能力や判断力も発達することになる。 ※1
音楽をよく聴かなければうまく反応できないリトミック。「音楽に集中する」「音楽にあわせて身体を動かす」ということを通じて、思考する力や身体を制御するための力が養われるのですね。
リトミックの効果2:表現力・感性が身につく
リトミックでは、音楽を習うことの最大のメリットである「表現力」や「感性」も身につけられます。ピアノなど楽器演奏などの習い事と違うところは、即興演奏が組み込まれるということ。
最後に3番目の要素となる即興演奏である。これはリズム運動においては音楽に合わせて全身で自由な表現をしたり、グループで相談した力を合わせて動きを考えたり…中略…即興は常にリトミックの中に存在するのである。 ※2
ピアノやギターなどの楽器演奏を習っても、即興演奏にあわせて反応することは学べませんよね。
しかしリトミックでは即興演奏が取り入れられるので、その場で流れる音楽に対して、子どもが自由な表現で音楽を感じるという体験をさせてもらえるのです。
リトミックの効果3:音楽の基礎学力を養う
リトミックのカリキュラムには「ソルフェージュ」が組み込まれていて、音楽の基礎学力を高められる効果もあります。
「ソルフェージュ」とは一言で言うと「音楽の基礎学力」だ。
基礎学力が付くと音楽の文法がわかり、どこからどこまでが一つのフレーズかも見えてき,どのように歌いたいかがわかってくる。すなわちどのように弾きたいのか,表現したいのかという気持ちがわいてくるのだ。 ※3
たとえば、ピアノの習い事で楽譜が読めるようになって、楽譜どおりに弾いたとしても、それは「音楽の表現」とは少し違います。音楽を表現するということは、自分自身で感じた気持ちの高揚を音楽で表現するということ。
つまりリトミックでは、楽譜を読み思考を通して表現する音楽ではなく、肌で感じたものを感覚的に表現するための音楽の基礎を身につけられるのです。
リトミックは何歳から始められる?
一般的な習い事は、子どもがある程度成長してからでないと始められないものばかりですが、リトミックはなんと0歳の赤ちゃんから参加できる教室もあるのです。
もちろん、その場合は親が一緒に参加する必要がありますし、教室によっては開催していないこともありますが、リトミックは生後6か月くらいの赤ちゃんのときから始められ、年齢別に適したプログラムを受けることができます。
0歳児のころからリトミックで音楽やリズムに触れることで、豊かな感性や運動能力を伸ばすことを促してくれるでしょう。
リトミックはどこで習える?
リトミックは、音楽に触れながら子どもの基礎的能力を伸ばすことを目的とした教室なので、一般的には全国にある大手音楽教室や個人で経営している音楽教室などで習うことができます。
また、リトミックは音楽を通して心理的や身体的な能力を高めていくための人間教育でもあるので、教室を選ぶ際には幼児教育のプロが在籍しているリトミックの認定教室がおすすめです。
レッスンの内容や対象年齢は教室によって異なりますので、ホームページなどで年齢別のプログラム内容などを確認したら、無料体験レッスンなどに参加してみるとよいでしょう。
リトミックで行われるレッスン内容
さまざまな効果が期待できるリトミック。これから習わせたいと思っているパパママは、まずどのようなレッスンが行われるのか内容をチェックしておきましょう。
リトミックは教室によって対象年齢や詳しいプログラム内容が異なりますが、0歳から6歳くらいまでの子どもを対象に、年齢別にクラスを分けてレッスンを行っています。ただ、0歳から1歳のベビーリトミックについては、開催していない教室もありますので、事前に確認するようにしてください。
リトミックの基本的なレッスン内容について、年齢ごとに簡単にご紹介します。
- 0歳:赤ちゃんを抱っこしたママやパパが音楽に合わせて体を揺するなどし、親子でのコミュニケーションを深める
- 1歳:ママパパや周りの人の動きを真似したり、歩いたり座ったりしながら音楽に注意を向けて聞く力を伸ばす
- 2歳:ママやパパと一緒に音楽に合わせて体を動かし、手遊びなども取り入れて音楽に親しむ
- 3歳:3~4人のグループになって、音楽に合わせながら他の子どもと一緒に並び同じ動きをする
- 4歳:音階にあわせて歌いながら体を動かし音の強弱・高低に親しむ
- 5歳:フォークダンスを取り入れたり道具を使ったりして表現力・想像力を身につける
- 6歳:教室によっては両手両足を使うリズム打ちや楽器演奏で音遊びのレベルを高める
リトミックレッスンではこのようなやり方で音楽に親しんでいきますが、実際にリトミックを体験された方はどのような感想を抱いているのでしょうか?ママリに寄せられた投稿から、リトミック体験談をご紹介します。
【体験談】リトミックに通った感想は?
ママリに寄せられたリトミックの感想を見てみると、効果やメリットよりも「楽しい」「子どもが楽しく通っていた」という感想が多く見られましたよ。
親子で参加できるリトミック教室もありますが、パパママが子どもと一緒に楽しめれば、親子のコミュニケーションにも役立ちそうですね。
リトミックにはさまざまなメリットがありますが、第一に「楽しい」ということが最大のメリットだと言えるでしょう。
リトミックにかかる費用の相場
それでは、リトミック教室に通うためにはどのくらいの費用が必要なのでしょうか。内訳ごとに目安の金額をご紹介します。
- 入会金:3,800~10,000円
- 月謝:3,000~7,000円
- 教材費・施設費:0~3,000円
レッスンは月に1~3回と教室によって違い、それにともない月謝の金額もまちまちです。教材費などはほぼ不要で、かかるとしても最初に購入する上履き購入費用がかかる程度でしょう。
リトミック教室の選び方
「リトミック教室に通わせよう」と思ったら、教室選びのポイントを知って楽しくレッスンできる教室を見つけたいですよね。リトミック教室を選ぶ際には、次の3つのポイントを意識してください。
- 体験レッスンで子どもが楽しめることをチェック
- 生の楽器演奏でレッスンをしていること
- 先生が子どもに積極的な声がけをしていること
リトミックでは「音楽にあわせた動き」が重視されがちですが、「音楽を聴く力」を育てるためには、生の楽器演奏でレッスンを行っている教室がおすすめ。
そして、子どもが楽しくレッスンに参加できそうであること、先生が声がけしてフォローしてくれることを確認してから選ぶことが大切です。
リトミック教室に期待できる効果はさまざま
リトミックとはどのような習い事なのか、どのような効果があるのか…と簡単にご説明しましたが、リトミックの目的は音楽の基礎力を養うことです。
さらに表現力・感性・集中力・運動能力・判断力などさまざまな能力を高められるので、習い事の中でもメリットが多いと言えますよね。
年齢ごとにレッスンのやり方は変わりますが、リトミック教室を選ぶときのポイントは共通して3つです。先生の指導や音楽演奏が充実していて、子どもが楽しめそうなことを最重視して選びましょう。