鏡文字とは?
鏡文字(かがみもじ)とは、鏡の映したように左右反対になってしまう文字のことを言います。鏡文字のほかに、逆文字や裏文字などとも呼ばれています。
中でも、平仮名を覚えたての子供の多く見られ、平仮名の「ち」と「さ」のような似たような文字を間違えて読むまたは書いてしまうことが多く上げられます。
この鏡文字は日本の子供だけではなく、欧米の子供でもアルファベットのbをdと書いたりするなど、文字を覚えたばかりの「子供」に多く見られます。
鏡文字を書いてしまう原因とは?
鏡文字を書いてしまう原因について、明確な研究結果はまだ出ていません。
しかし、平仮名を覚えたての幼児期に見られることから、様々な説が存在しています。
1.左脳が未発達だから
人間の脳は、目から入った情報を右脳でイメージし、左脳を経て文字として理解します。
ところが左脳が未発達な子供は、右脳にあるイメージだけで文字を書いてしまうため、文字は逆さま(鏡文字)になってしまうんだそう!
しかし子供の成長とともに左脳も発達するため、自然に治るとされています。
2.幼児は左右の区別がつきにくいから
子供にとって、上下の区別は簡単でも左右の区別は難しいことから、鏡文字になりやすいとも言われています。
また、幼児期は利き手がしっかりと定着していないことも、左右の区別がしづらい原因ともされています。
3.左利きだから
利き手が左利きの場合、鏡文字になりやすいと言われています。
例えば、「○」を書くとき、右利きの場合には一般的に左から書くことが多いですよね?しかし、左利きの場合には右から書き始めることがほとんどです。
そのため、平仮名を書くときも反対から書いてしまい、結果、鏡文字になってしまうことがあるんだそうです。
子供の鏡文字を治すのは?対策をご紹介!
続いて、鏡文字を直すための対策方法をご紹介します。上記でも説明したとおり、鏡文字は幼児期によく見られる行動の一つです。
一人一人子供の成長ペースがあるので、鏡文字を過剰に心配する必要のではなく、自然と治ることもあるため優しく見守ってあげましょう。
1.ひらがな表をたくさん貼る
部屋の壁やトイレの壁、お風呂の中など、家中にひらがな表を貼ることも効果的です。
常に平仮名が目に入る環境にあると、頭の中にしっかりとした文字をインプットすることができ、自然と鏡文字が治ることもあります。
2.お手本を横ではなく上に置く
子供は、横よりも縦のほうが目線が届きやすいと言われています。
お手本を見ながら書く場合には、お手本を横ではなく、上に置いて練習すると、鏡文字が直りやすくなります。
3.左右の違いを教える
左右の区別をしっかりと教えることが鏡文字を直す一番手っ取り早い方法ではありますが、子供にとってその区別が一番難しいことなんですよね。
日常生活の中で、ズボンをはくのは右から、お箸を持つのは右手(もしくは左手)など、右と左の区別ができるように促してあげることも対策の一つです。
4.間違えても厳しく指導しない
何度教えても間違えてしまうと、ついつい厳しく指導してしまいがちですが、子供もわざと間違えている訳ではないので、厳しく指導することは避けましょう。
子供が間違えていたら、優しく注意し、無理強いさせないことが大切です。
5.成長していく中で治ることもある
左脳が発達することで自然と治ることも十分にあり得ます。
子供のかわいい言い間違えのように、鏡文字を見られるのは今のこの時期だけかもしれません!
将来、こんなお手紙くれたんだよ!といった思い出話に出来るよう大切に保存しておくのもいいですよね。
6.左利きの子は右手を使う
もし子どもが左利きの場合は、右手を使って平仮名の練習をすると鏡文字が直ることがあります。日本語は左から右に流れるように書く文字なので、左利きだと書きにくくて鏡文字になりやすいかもしれません。
そこで右手でも文字が書けるように練習していくと、正しい文字の書き方が理解できて自然と鏡文字が直る可能性があります。ただし右利きでも鏡文字を書く子どもはいるので、他の方法も併用しながら対策をしていきましょう。
- 宮崎大学「宮崎大学教育学部紀要」(https://miyazaki-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6387&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1,2023年2月28日最終閲覧)
7.文字に関心をもたせる工夫をする
最後に、鏡文字を書く子どもには文字に関心をもたせるよう工夫をするのも対策の一つです。言葉をテーマにした絵本の読み聞かせをしたり、パパママがたくさん話しかけたりして言葉に関心をもつようにうながしてみてください。
たとえばしりとり絵本や言葉あそびの絵本などがおすすめ。絵本を読み聞かせながら、絵本の中に出てくる文字についてクイズを出してみるのも良いですね。「文字はおもしろい」と思ってもらえれば、鏡文字が直るかもしれません。
子供が鏡文字を書いていた経験のある先輩ママの体験談をご紹介!
実際に、わが子が鏡文字を書いていた経験がある先輩ママの体験談をご紹介します。
成長とともに自然と治りました。
私の今1年生の子も小学校入学前までは、決まった文字だけ鏡文字を書いていたり、書き順はほとんどぐちゃぐちゃでした。教えても聞きません(笑)というかそこまで意識して書けません。
でも、小学校に入って先生に習ったら、自然に正しく書くようになりました。
小学校に入ったら、持ち方、書き順、止めやはらいまで、嫌というほど言われるので、今は自由に書かせてあげていいのではないでしょうか^^ 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
小学校入学前に平仮名くらいは書けるように!と必死になる保護者も多いですが、入学してから覚えるのでも遅くはありません。
平仮名の読み書きは個人差があるため、いつかは書けるようになるものです。子供も成長ペースを焦らずに優しく見守ってあげてくださいね♪
文字を書くときだけ右利きに!
私は左利きで(現在30才)、文字を覚えた頃、左手で書くと鏡文字になってしまっていました。自分の中でも「おかしいな。なぜだろう。」と思っていた記憶が微かにあります。
不便なので、母に言われて文字を書くときだけ、右で書けるよう練習しました。(他は左のまま)
文字は右手で書きやすい形になっているので、左手では決して書きやすくはないと思います。
私自身は右に変えるしかなかったと思っていますが、左できれいに文字を書く方にお会いしたことがあり、今は人それぞれなのだなと思っています。 出典: komachi.yomiuri.co.jp
昔はよく左利きの場合、小学校の書道の授業で直すこともありましたが、左利きでも文字に問題が無く、むしろ右で物を書いたりするほうが不便な場合もあります。
左利きでも鏡文字が自然と治ることも、もちろんあります!間違えていたら、優しく訂正してあげるといいかもしれませんね!
子供の成長ペースを優しく見守ってあげましょう!
鏡文字は子どもの成長にともなって自然と直っていくことが多いものです。あまり心配しすぎず、子どもの成長を優しく見守ってあげてくださいね。
ただなるべく早く子どもの鏡文字を直したいと思われるなら、今回紹介した対策法を試してみましょう。ひらがな表を貼ったりお手本を置く場所を変えたり。しかし子ども自身が関心を持てば学習速度も速くなります。言葉に関心をもってもらえるようにうながすのが効果的な対策法です。
先輩ママたちも経験した子どもの鏡文字。直るまでじっくりと正しい文字を教えてあげるようにしましょう。