いよいよ秋がやってくる
まだ暑い日もありますが、虫の音が耳に心地よく響いてくるようになり確実に秋の気配も漂っています。日本には四季があり、その季節ごとに行事がありますね。
運動会や発表会、文化祭とお子さんの行事に追われているママ達も多い時期かと思います。が、季節の美しさを気に留めてお月見なんていかがでしょう。
一般的に「お月見」というと旧暦8月15日の「十五夜」。今年は9月15日がそれにあたります。また、十五夜に次いで月が美しいといわれる十三夜、今年は10月13日。どちらか片方だけしか見ないのを『片見月』といい、縁起が悪いといわれていたそうです。今年は2回秋の美しい月を眺めてみませんか?
そもそも「お月見」って何?
すすきとお団子を飾って美しい満月を眺める・・・・・みなさんも子供のころからそんなお月見の風習はご存知のことと思います。
もともとお月見は中国から渡ってきた行事。平安貴族が月見の宴を開き和歌などを読みあったのが始まりです。そこから庶民に広まり収穫祝いも兼ねるようになりました。
そんなお月見の由来を説明します。
農作物の収穫に感謝する
日本人はもともと農耕民族。農作物の出来は生活に密接にかかわります。秋にはお米をはじめ様々な農作物の収穫の時期が重なるため収穫への感謝を示すとともに豊作の祈願もしていました。
もともとはサトイモなどの芋類の収穫物も供えていたので十五夜は『芋名月』という別名もついています。面白いですね。
月に感謝する
昔の農作業は今のような便利な機械はありません。手作業で腰をかがめて朝から晩まで働き詰め。暗くなってもまだ終わらないことだってありました。当然街頭なんてない時代。月がなければ暗黒の闇の中です。
「月の灯りのおかげで夜になっても作業ができる」と月の明るさに感謝したのです。やはり農業と密接にかかわっていますね。
月を愛でる
「月見れば 千々にものこそ悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど」百人一首で読まれている和歌です。月を見るととっても物悲しくなる私だけの秋ではないのにね・・・と秋の美しい月を眺めて胸が締め付けられる様子がうかがえますね。
他にも月を唄った和歌はたくさんあるように雅の世界と月は切っても切れない関係にあります。月の一番美しい秋に月を眺めて歌を詠むことが多かったのでしょうね。
お供え物は?
ススキとお団子をなんとなく供えていませんか?では、そのお供え物にどんな意味があるかご存知ですか?それぞれにきちんとした意味があるんです。
秋の果物の柿やナシ・リンゴなどとお酒なんかも供えると豪華になりますが、一般的なススキとお団子の意味と決まりを紹介します。地方によって多少違いがありますので基本的なものです。
ススキ
刈り取る前の稲穂に似ているススキ。このススキは作物や子孫の繁栄を見守ってくれている月の神様の「依り代」と考えられているそうです。なので時期的に稲穂は収穫前なのでそれに似ているススキを飾るようになったんだとか。
ススキの他に萩や桔梗・女郎花などの秋の七草も一緒に飾るといっそう華やかになりますね。萩にも神様の箸の意味があり、邪気を避けるといわれています。
お団子
古来から農業の祭礼にはお餅がかかせません。豊作の祈願と収穫の感謝のために、お米で月に似せたお団子を作って、お供えするようになったそうです。
お団子は十五夜では15個、十三夜では13個飾ります。15個の場合1段目に3×3の9個。2段目に2×2の4個。3段目に正面から見て縦に2個並べます。13個の場合はこの3段目を省略します。
お団子は健康と幸福を願う縁起ものです。お月見が終わったら月に感謝して家族でいただきましょう。
家族で特製お団子に挑戦しませんか?
いまや必要なものはなんでも買える時代。便利ですよね。でも、今年はちょっとステップアップで手作りに挑戦してみませんか?
お子様がいるご家庭ではお子様と一緒にお団子をこねたりして、よい秋の思い出作りになること間違いなしです!
ヨーグルトで作るふわふわお月見団子
ヨーグルトと牛乳で栄養的にもバッチリ☆きな粉とメイプルシロップの味で子供にはもちろん、大人も病みつきになる味ですね。
お団子だけでもまろやかな味でおいしそうです!味見で食べ過ぎてお月さまに備えるのがなくならないようにご注意ください(笑)
かぼちゃ白玉
秋の収穫物を備えるお月見。野菜や果物をセンス良く飾るのもいいですが、かぼちゃでお団子を作れば一石二鳥ですね。
そのままのお団子でもおいしそうですが、あんやクリームを添えるので家族みんなの好みに合わせられますね。一つ食べるたびに味を変えて「こっちのほうがおいしいよ」なんて家族で盛り上がるのもいいですね。
日本人の心の奥深さを知り、お月見をしよう!
ただ月を眺めて「きれいだね~」と家族団らんするのもいいですが、本来の意味を理解して月を見るとより月の美しさが身にしみます。
今年は毎日口にしている農作物を作ってくれている方々に感謝をし、美しい自然に感謝をしてみるのはいかがでしょうか?日本ならではのこの行事を楽しんでください。