お歳暮のお礼状のマナー
基本的にお歳暮をもらった場合、お返しは不要ですが、お礼状を送るのがマナーです。お礼状はなるべく早く出す必要があり、お手紙が最も丁寧な方法ですが、はがきで送っても失礼にはならないでしょう。
また、お礼状を出すほどかしこまった相手ではなく、親戚など親しい間柄であれば、電話でお礼を述べるだけの場合もあるようです。
お歳暮は基本的にもらった者がお礼状を書きますが、場合によっては夫の代わりに妻が書く場合もあるでしょう。その場合にはきちんとした書き方のルールがありますので、それに沿って書くようにしましょう。
お歳暮のお礼状の書き方と文例
お歳暮を贈る時期は、一般的に12月上旬から12月20日頃ですが、年々早まりつつあります。そのためお礼状を送るタイミングも同時期になるので、予め便箋もしくははがきを準備しておくとよいでしょう。
お礼状には、季節を意識した雪景色や椿。手袋とマフラーなどの絵柄があるものがおすすめです。
お礼状の書き方
お歳暮のお礼状は、品物が届いてから2~3日以内で、できるだけ早く出すことがマナーです。お手紙でもはがきでも問題ありませんが、相手が目上の方の場合はお手紙で出すようにしましょう。
お礼状を書く場合、主に5つの内容を含めて書き、最後は日付と差し出し名で締めくくります。もし夫宛てで届いたお歳暮に対して、妻が代筆する場合は、夫の名前の下もしくは左に「内」と書くようにしましょう。
1.挨拶の言葉
出だしは、頭語の拝啓や謹啓、恭敬、粛啓といった言葉を入れます。最初の挨拶の言葉は、時候の挨拶もしくは、季節を表す言葉を入れましょう。
例えば、「師走になり、慌ただしい日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?」「厳しい寒さが続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか?」といった文言は定番で使いやすいでしょう。
2.お歳暮のお礼および感謝の言葉
お歳暮を贈っていただいたことに対するお礼を述べてください。この時、お歳暮をもらった本人だけでなく、家族も皆喜んでいるということもしっかり伝えましょう。
「このたびはお心のこもったお品を頂きまして、誠にありがとうございました。主人も子供もとても喜び、さっそく美味しくいただきました。」
この後に、「細やかなお心づかいに恐縮しております。」といった文言を入れるとより丁寧な内容になります。
3.お返しをする場合、その予定も伝える
お歳暮のお返しは基本的に不要ですが、相手との関係性によってはお返しをする場合もあるでしょう。その際は、お返しを贈る予定であることをしっかり伝えましょう。
お返しをするタイミングは先にお礼状を送った後で、少しタイミングをずらして贈ります。その際は「お歳暮」として贈るのではなく、「寒中御伺」や「寒中御見舞」として贈るのもおすすめです。
お礼状に入れる文言としては、「別便にて心ばかりの品を送りいたします。」といった文言がおすすめです。
4.相手の健康を気遣う言葉
相手の健康を気づかう言葉を入れましょう。内容としては、寒い冬の季節かつ年末で忙しい時期なので、体調を崩さないように気をつけてください、といった文言がおすすめです。
「そろそろ冬支度で忙しくなる時期ではありますが、皆さまどうぞご自愛くださいませ。」「年末が近づきご多忙のおりではございますが、ご自愛のほどをお祈りいたします。」
5.結語でしめる
文章の最後には、結語となる敬具や拝具、謹言、敬白を入れましょう。そして書いた日付と名前を書けば完成です。そこまで堅苦しく書く必要はなく、お歳暮をいただいたことに対する感謝の気持ちが伝わればそれで問題ないでしょう。
文例
お歳暮を贈る時期は12月上旬から12月20日頃が一般的とされています。お歳暮の時期を過ぎ、1月7日から2月4日頃までに贈るのであれば、「寒中御見舞」や「寒中御伺」となり、それ以降は「余寒御見舞」や「余寒御伺い」が適切でしょう。
12月と1月の場合でも、季語や季節を意識した文言は変わりますので十分に注意しましょう。
12月に送る場合
拝啓
師走の候、年の瀬になり寒さが身にしみる季節となりましたが、皆さま、おすこやかにお過ごしのことと存じます。
このたびは、ご丁寧にお歳暮の品をお送りいただきまして、誠にありがとうございました。主人も子供もとても喜び、さっそく美味しくいただきました。いつに変わらぬお心づかいに感謝いたします。
別便にて心ばかりの品をお送りいたします。お口に合うかどうか分かりませんが、どうぞご受納ください。
寒さはこれからが本番でございます。ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
敬具
1月に送る場合
拝啓
初春の候、松もとれ、寒い日が続いておりますが、皆さま、お元気でご活躍のことと存じます。
このたびは、誠に結構なお歳暮の品をお送りいただきまして、厚く御礼申し上げます。子供たちも大変喜び、家族で美味しく頂戴いたしました。
いつもながらのお心遣いに心より感謝申し上げます。
また、甚だ勝手ではございますが、別便にて心ばかりの品をお送りさせていただきました。ご了承賜りたくお願い申し上げます。
まだまだ寒さは続くようですので、体調を崩されませぬようご留意くださいませ。
敬具
お歳暮のお礼状は心を込めて送りましょう
結婚し家族が増えると、親戚づきあいや会社づきあいなども増え、お歳暮を贈り合うといったことも増えていきます。より円滑な付き合いをしていくためにも、丁寧なお礼状を送ることはとても大切です。
お歳暮をもらった際は、相手の方に失礼のないよう早めにお礼状を送りましょう。書き方をしっかりマスターしてより良い関係を築いていきましょう。
最も大切なのは、気持ちを込めて書くことです。ある程度の礼儀は大切ですが、あまり格式に縛られ過ぎずに自分の言葉で表現したお礼状を送りましょう。