庭木ってどんなもの?メリットは?目隠しや日差し対策などの効果も
そもそも、庭着とはどんな物を指すのか、庭木の定義についてご紹介致します。
まずは、植木との違いから説明していきます。植木は、庭に植えられているものから、公園や街路樹として植えられているものまで、大きさや種類も様々です。中には家庭の庭で育てるのが難しいものもあります。庭木は植木の一つですが、植木の中でも、庭の大きさに合わせて育てることができるもの、種から育てるものが可能なものを指します。
では、庭木を植えるメリットには、どのような物があるでしょうか。考えられるメリットを4つご紹介します。
1. 高低差と奥行きが出て庭が広く見えます
庭のスペースが狭いからと言って、花壇で植物を植えるだけですと、遠くから見た際に平坦で物足りない印象となります。しかし、ここに1本の庭木が加わりますと、目線が上に行きますので、立体的な空間を演出することができます。こうした場合には、幅を取らないスリムな針葉樹などがおすすめです。
また、複数本の庭木を植えるスペースがある場合は、庭木の植え方や選定の仕方にも工夫をしてみましょう。高低のメリハリをつけますと、庭をより立体的に広く見せることができます。
2. 日差しや強風から家を守ります
庭木を植えて、適切な高さ・長さに選定することで、自然の影を作ることができます。これにより、直射日光を避けた風通しが良い空間を作り出すことができます。
例えば、落葉広葉樹を庭木にしますと、夏の厳しい日差しを和らげる木陰を作り出してくれます。コンクリートブロックを使った塀は照り返しの強さが気になりますが、これを木に変えてみますと、輻射熱を軽減することができます。
また、木には防風効果もあります。台風などの被害が多い日本では、防風も庭木に求められる、重要な役割の一つです。
3. 目隠し効果でプライバシー保護に
家の周りに庭木を植えますと、木が目隠しとなるため、家の中が見えづらくなります。外から家の中が見づらくなることで、防犯効果にもなります。
外壁がなく外から家が丸見え、という場合には、庭木を植えれば、外壁を作るよりも自然にプライバシーを守ることができますよね。
4. 比較的簡単なメンテナンスで四季を楽しめます
庭のすべてを季節の草花で埋めますと、水やりや植替えなどに手間がかかりますが、庭木であれば比較的メンテナンスが少なくても花や紅葉を楽しむことができます。
冬でも葉が枯れない常緑樹や、春から夏にかけて花が咲くもの、紅葉するものや果樹などをバランスよく植えますと、四季を満喫することができますよ。
庭木を選ぶ際には以下のことに気を付けましょう
庭木を選ぶ際のポイントと合わせて、下記4つのポイントにも注意をするようにしてください。
花のつきかた
花がつかない理由としては、剪定の時期を間違えて花芽を摘んでしまった、日照不足などが考えられます。花が咲く時期であるにもかかわらず、花がついていない場合は、植える環境が合っていなかった可能性が考えられる為、事前に注意しましょう。
庭木を植えるタイミング
庭木は、基本的には、真夏や真冬などの時期を避けて植えるようにします。ただし、庭木を植えるのに適した時期は、品種によっても異なりますので、いつが最適かをしっかりと調べてから植えましょう。
病気や害虫
庭木は、弱っているときに、害虫が付きやすくなったり、病気にかかりやすくなったりします。庭木に合った環境を選んであげるのは勿論ですが、植えた後も、定期的に剪定をし、日当たりや風通しをチェックするようにしましょう。
トゲの有無
トゲがある庭木を道沿いなどに植えますと、引っかけてけがをしてしまう人がいるかもしれません。また、子供やペットのいるご家庭では、植える位置にかかわらず、トゲのある庭木には注意が必要です。
スペースや目的、バランスも大事!庭木を選ぶときに大事なポイント5点
庭木と言いましても、一年中緑を楽しめる常緑樹や、美しい花や紅葉を楽しむもの、実りを楽しむ果樹と、その種類は様々です。また、木によって、必要な手入れやスペースも異なります。
それぞれのご家庭に沿った庭木を選ぶためには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。庭木を選ぶポイントを5つご紹介します。
1. 庭木の成長を見越したスペースを確保しましょう
庭木を植える際は、現在の大きさだけではなく、成長後どのぐらいの大きさになるかを見越して、庭で確保できるスペースと照らし合わせて選ぶようにしましょう。
低木の場合は横に広がり、高木の場合は細長く成長していくのが一般的です。縦の成長だけでなく、横の広がりも考えて、植える際には十分なスペースを確保できるようにしましょう。
2. 日差しや風通しなど、その木に合った環境を用意しましょう
庭木をすくすくと成長させるためには、その植物に合った環境を選んであげることが大切です。環境の合わない場所に植えてしまいますと、次第に弱ってしまい、しまいには枯れてしまうこともあります。
木を植える場所と、植えたい木が好む日当たり・湿度・風通しをしっかりと把握し、環境にぴったりの庭木を選ぶようにしましょう。半日陰を好む庭木もありますので、木の特徴をよく調べてから選ぶことが重要です。
3. 庭木を植える目的は何でしょうか?
庭木を植える目的は、人によって異なります。快適な木陰を作りたい場合には、陽が入りやすく広がりやすい落葉樹が最適です。また、目隠しには、一年中葉をつけている常緑樹で、枝葉の密度が濃いものがおすすめです。
他にも、果樹を収穫して食べたり、花や紅葉を楽しんだり、目的は様々ですよね。何のために庭木を植えたいのか、庭木を使って何をしたいのかを、庭木を選ぶ前によく考えてみましょう。
4. 葉や花の色は好みに合っていますか?
庭木を選ぶ際は、その木が持つ色にも着目してみましょう。
涼しげな印象のある白斑や銀色の葉、フレッシュで明るい印象のあるイエローやライムカラー、重厚で落ち着いた濃い目のグリーンや銅葉、また、紅葉で印象ががらりと変わるものなど、葉の色だけでも様々です。これに花の色を加えますと、さらに多くのバリエーションがありますよね。
好みの色や雰囲気を、お店の方に伝えてみるのも良いかもしれません。
5. 周辺環境や他の庭木とのバランス
新たに庭木を植える際には、すでに庭にある木や植物はもちろん、家の外観や景色とのバランスも意識するようにしましょう。
また、庭木を植えますと、その周りに植わっている庭木にも影響が出てしまいます。枝葉の重なりや日当たり、風通しなど、それぞれがしっかりと成長に必要な環境を確保できるかどうかもきちんと考えておく必要があります。
おすすめの庭木15選!常緑樹や落葉樹、低木、果樹などをご紹介
それでは、庭木におすすめの苗木を、15選ご紹介します。
初心者でも育てやすく、比較的手入れが簡単なものを選んでみました。目隠しに最適な常緑樹や、花や紅葉が美しいもの、実りを楽しめる果樹など、目的に沿って選んでいただけるようご紹介します。
皆様のお好みや、庭の環境に合わせて、気になるものを探してみてくださいね。
1. クリスマスツリーにも使える針葉樹「ゴールドクレスト」
コニファーは、常緑樹の中でも、葉の形が針のように尖った針葉樹のことを指します。
コニファーには世界中に500以上の種類があると言われており、こちらは、中でも有名なゴールドクレストという品種です。クリスマスツリーなどとしてもよく使われていますよね。
細く長く伸びる品種ですので、家の目隠しなどとして植えるのにも最適です。寒さには非常に強いですが、暑さや湿度に弱いため、風通しが良くなるよう環境を整えてあげることが重要です。
2. 香辛料としても使われる常緑樹「月桂樹」(ローリエ)
PR
月桂樹は、一年中緑の葉っぱが美しい常緑樹で、上へ真っすぐと伸びていくため、狭いスペースでも育てやすい庭木です。剪定の際に切った枝を使ってリースを作ることもできますよ。
別名「ローリエ」「ローレル」などともいわれ、料理をする際の香辛料として使われている為、聞いた事がある方も居るかもしれません。カレーやロールキャベツなどの肉料理に使うと、肉の臭みがマイルドになると言われています。
寒さと乾燥にはやや弱く、日当たりと水はけが良い場所でよく育ちます。
3. 常緑樹で果実も収穫できる「オリーブ」
PR
オリーブオイルなどでよく知られるオリーブの木は、少し灰色がかった緑の葉っぱと、丸い果実が特徴です。10月~11月ごろ、緑の果実が黒に変化します。
常緑樹で、手入れも比較的簡単であるため、初心者の方にもおすすめの庭木です。
日当たりが良い場所を好み、乾燥にも強いのが特徴です。
4. 白い花が魅力的、初心者でも育てやすい「シマトネリコ」
シマトネリコは、中国や台湾、沖縄など、温暖な地域で育つ木ですが、寒さにも比較的強く育てやすいため、ご家庭で育てる木としてもおすすめです。庭木としてはもちろんのこと、観葉植物として室内で育てたり、屋外で鉢植えにして育てたりするのも良いでしょう。
シマトネリコにはオスの木とメスの木があり、メスの木は夏に白い花を咲かせます。花を咲かせたい場合は、買う際に苗の種類を確認するようにしましょう。
5. 紅葉や実がなる様子も楽しめる「ハナミズキ」
PR
4月~5月にかけて美しい花を咲かせる「ハナミズキ」は、別名「アメリカヤマボウシ」とも言われ、秋には紅葉も楽しむことができます。
また、果実も赤く熟しますので、庭木の醍醐味である花と紅葉と実をこの1本で楽しむことができますよ。
特別な剪定は必要なく、病気にも育てやすいため、初心者の方で花が咲く庭木を育てたいという方にぜひおすすめしたい品種です。
6. 香りも色も美しい花を咲かせる寒さに強い「ライラック」
PR
姫ライラック・セントアンドセンシビリティーピンク 4号POT 濃桃色の蕾から開くと淡桃色となるかわいい小花 優雅な香りを漂わせる。 矮性タイプで樹高1mほどで自然にまとまり、 小スペースでシンボルツリーとして楽しめ...詳細を見る
ライラックは、フランス語では「リラ」とも呼ばれ、4~6月ごろに咲く薄紫色の花がとても美しい木です。見た目の美しさだけでなく、とても香りが良いため、香水やアロマオイルの原料としても使われていますよね。落葉樹で、高さ1m~6mまで成長します。
庭木としてはもちろん、鉢植えとして育てることもできます。開花期間が長く、寒さに強いため、日本の寒い地域でも愛されており、北海道札幌市の市花としても親しまれています。
7. 強い香りが漂う「ジンチョウゲ」は低木の常緑樹で庭木向き
PR
ジンチョウゲは、常緑樹として人気の低木です。3~4月に咲く花は、小さい花が塊状に集まっていてとても美しく、また非常に香りが強いことでも有名です。
直射日光よりも半日陰を好み、成長は比較的遅く、高さ1mほどまでにしか成長しません。そのため、他の中木の間にアクセントとして植えるのもおすすめです。
8. 梅雨の代名詞「アジサイ」は半日陰、湿った場所も大丈夫
PR
日本では梅雨時に美しい花を咲かせるアジサイには、ガクアジサイやヤマアジサイ、コアジサイなど、沢山の品種があり、庭木としてもよく好まれています。雨が降るたびに色が変化する様もとても美しいですよね。高さは最高で3mほどになります。
直射日光よりも半日陰、湿った土壌を好みます。寒さには強いですが、花芽が凍ることにより被害を受けることがあります。葉が落ちるイメージはあまりありませんが、落葉樹の一種でもあります。
9. 真夏に花を咲かせる「サルスベリ」
PR
【サルスベリ】 読み:さるすべり 学名:Lagerstroemia indica ミソハギ科サルスベリ属 落葉高木 【商品情報】 サルスベリは成長するにつれて幹の皮が剥がれ落ち、名前の通りなだらかな、まだら模様の...詳細を見る
サルスベリは、真夏にピンクや赤、白などの美しい花を咲かせる木です。真夏に咲く花は少ないため、「夏にも花で庭を彩りたい!」という方にはおすすめです。
木の幹がつるつると滑らかになっていますので、木登りの上手なサルでさえ落ちてしまうということから、「サルスベリ」と呼ばれるようになりました。
病気にも強く、剪定をすれば大きくなり過ぎないため、庭木としてもよく植えられています。
10. 春を告げる白く薫り高い花「ハクモクレン」
PR
葉が開く前の3月~4月に開花し、日本では「春を告げる花」としても親しまれているハクモクレン。真っ白の美しい花と上品な香りが、心を癒してくれますよね。
日当たりや水はけのよい場所を好み、乾燥には弱いため、水をたっぷりとやるようにしましょう。また、剪定にコツがあり、剪定の仕方によって、花が沢山つくようになったり、大きく育ちすぎてしまったりします。
PR
【商 品 説 明】 ハクモクレン・白木蓮 単木 樹高:2000mm(根鉢上の根元より) (モクレン科 モクレン属) 別名:ハクレン(白蓮) 花は3月〜4月にかけて咲き、芳香があります 原産地は中国で、日本に伝わっ...詳細を見る
葉が開く前の3月~4月に開花し、日本では「春を告げる花」としても親しまれているハクモクレン。真っ白の美しい花と上品な香りが、心を癒してくれますよね。
日当たりや水はけのよい場所を好み、乾燥には弱いため、水をたっぷりとやるようにしましょう。また、剪定にコツがあり、剪定の仕方によって、花が沢山つくようになったり、大きく育ちすぎてしまったりします。
11. 常緑樹で日陰でも育つ薫り高き「キンモクセイ」
PR
【キンモクセイ】(金木犀) 読み:きんもくせい 学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus モクセイ科モクセイ属 常緑高木 別名:ケイカ、タンケイ、モクセイカ 【商品情報】 綺麗な...詳細を見る
キンモクセイは、9月~10月にかけて、香りの強いオレンジ色の花を咲かせます。かなり遠い場所からでも匂いが感じられるほど強い香りがしますよね。
キンモクセイは、常緑樹で、日陰でも育つため、初心者でも育てやすい樹木です。高さは3mほどまでしか成長しないため、庭木としてもよく好まれています。
12. セットで初心者でも果樹を育てられる「ブルーベリー」
PR
果樹は、庭木を植えたことがない人には、育てるのが難しく感じますよね。初心者でも育てやすいおすすめの果樹が、ベリー系の果実です。
こちらは、ベリー系の中でも育てやすいブルーベリー栽培に必要なものがすべてセットになっています。ブルーベリーは、1本では実をつけにくいため、実をつけやすい組み合わせ2品種がセットになっているところもポイントです。
実の収穫はもちろん、スズランのような可憐で可愛らしい花や、真っ赤に紅葉する葉っぱなど、季節ごとの移り変わりを楽しむことができますよ。
13. 育てやすい柑橘類の中でもおすすめの果樹は「レモン」
PR
トゲなしリスボンレモン通常のリスボンレモンに比べトゲの長さが短いです。しかも成長するにつれてトゲもだんだん無くなっていきます。また、若木のころのトゲは切れば新たに出てくることはありません。トゲなしリスボンレモンは、...詳細を見る
ベリー類と並んで、実が食べられる果樹で育てやすいのが柑橘類です。中でも、糖度の心配をしなくても良いレモンは、初心者におすすめの果樹です。レモンの中で育てやすいのは、リスボンやビラフランカです。
秋から冬にかけて実をつけ、春から秋にかけて花を咲かせます。春に咲いた花を実らせて冬に収穫を行うのが一般的です。たくさん実をつけても1個1個があまり成長しなくなってしまいますので、夏以降についた実は小さいうちに摘むことも必要です。
日当たりと水はけが良い場所を好みますが、柑橘類の中では寒さに弱いため、寒い地域では庭木としてではなく鉢植えで育てるのがおすすめです。
14. 秋の紅葉を存分に楽しめる「イロハモミジ」
PR
紅葉の美しさは、日本の秋を象徴するものと言っても過言ではありません。モミジの品種は120種類を超えると言われていますが、その中でも、イロハモミジは、秋に紅葉を楽しむ庭木としておすすめです。
日当たりと水はけが良い場所に植えますと、よりきれいな色の紅葉になります。イロハモミジは非常に成長が早いため、庭用にあまり大きくしたくない場合は、落葉した後にしっかりと剪定するようにしましょう。
15. 日本の縁起物!半日陰でもよく育つ「ナンテン」
PR
縁起が良く、お正月のお飾りにも使われる南天は、比較的丈夫で育てやすく、庭木としてはもちろん、盆栽や鉢植えとしても人気です。
半日陰の環境がベストですが、耐陰性があるため、日当たりが悪い場所でも育てることができます。
ただし、乾燥には弱いため、土の様子を見ながら、乾きすぎず湿りすぎない適度な湿度になるよう気を配るようにしましょう。
憧れの庭木を植えて庭をおしゃれに彩りましょう
庭木には、メンテナンスが簡単なものから、何年も手間をかけて育てていくものまで、様々です。緑に癒されたり、美しい花や紅葉を慈しんだり、実りや収穫をしたりと、楽しみ方も何通りもあります。
庭のスペースや周辺環境、日当たりや周りの景観とのバランスを考えて、ご自身の家にぴったりの庭木を探してみてくださいね。
- ガーデンエクスプレス「庭木のお手入れ・植木の移植・剪定ガイド」庭木・植木の種類について(http://www.e-niwaki.com/02plant/)