取材協力:すばる舎リンケージ

子供が他の子を叩いてしまう…。そんな時にママはどうすればいいの?

保育園などでのトラブルは、ママにとって対応に困ってしまうことが多くありますよね。中でも子供が他の子供を叩いてしまうようなトラブルは、解決が難しいものです。児童精神科医の佐々木正美さん監修のもと、臨床心理士の安倍陽子さんと幸田栄さんが執筆した書籍『発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック 幼児編』をヒントに、子供が叩いてしまう時、ママができる対応方法と、子供の集団生活に必要なコミュニケーション能力を育む方法をご紹介していきます。

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一方的に叱らずに、叩いてしまった理由を聞きましょう

子供は、保育園や幼稚園に通い始めると、集団行動が増えます。家では一人でおもちゃ遊べていても、園では友達と一緒に仲良く遊べるようになる必要があります。自然と友達とうまく関係を築くことができる子供もいますが、発達障がいの子供は集団生活が苦手な傾向にあります。

時には、子供が友達を叩いてしまいトラブルが起きてしまうこともあると思います。現場にママがいれば良いのですが、園でのトラブルは原因を把握することが難しいので、どう対処すれば良いのか困ってしまいますよね。一方的に叱るのではなく、どうして叩いてしまったのか、その子供もなりの理由を聞き出してあげる必要があります。

大人でも人間関係のトラブルは、原因をうまく理解して説明することが難しい場合がありますよね。子供が説明できない時は、大人が推測しながら、会話をすると良いです。

手が出てしまうことに、どんな理由があるのか

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発達障がいの子供は、自分の感情や要求などをうまく説明することが苦手なことがあります。子供がうまく説明できない時に求められるものは、ママの想像力です。どうして我が子が友達に手を出してしまったのか、想像しながら、叩いてしまった理由を子供から聞き出してあげましょう。

理由を想像するためには、子供の立場になって考えることが大切です。大人が子供の立場になって考えることは、少し難しいかもしれません。子供が手を出してしまった時の主な理由を例として紹介するので、参考にしてみてください。

  1. 「やめて」などの言葉がとっさに出ない
  2. 遊びたいのに、どう関わっていいかわからない
  3. おもちゃの共有ができない
  4. 友達の表情が読めない
  5. やられた相手の気持ちや痛みがわからない

1〜4の理由は、子供が友達とコミュニケーションがとれない時に起こるものです。5の理由は、叩かれた相手の痛みや気持ちに鈍感だったり、社会的なルールや文化が子供に伝わっていなかったりする可能性があります。

コミュニケーションがうまくできないことからトラブルが起こってしまうことが多いと考えられます。

なぜコミュニケーションが苦手なのか

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コミュニケーションとは、簡単に言えば、他の人と気持ちや情報を伝え合い、やりとりをしていくことです。コミュニケーションが苦手な理由に、言葉の遅れがあげられます。

しかし、普段、言葉で他の人とコミュニケーションをとっていますが、言葉以外にも相手の目を見たり、顔の表情を読んだりします。そして、ジェスチャーなどを使って相手に働きかけたり、相手からの働きかけを理解しようとしたりします。

発達障がいの子供は、言葉をうまく使うことができないこともあれば、相手の表情などを読み解くことが苦手なこともあります。そのため、他の子供とうまくコミュニケーションをとることが難しいのです。

親子でできる子供のコミュニケーションを育む方法

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子供がコミュニケーションをすることで、他の人たちとわかり合うことができれば、トラブルも減っていきます。

また、コミュニケーションは、子供が社会で生活していく中で必ず求められるものです。他の人とコミュニケーションを通じて、わかり合うことができ、友達や恋人のような大切な存在が生まれることで、その子供の人生を豊かにしてくれます。

子供が他の人と関わることに対して、苦手意識を無くしてあげるために、コミュニケーション能力を育みましょう。子供のコミュニケーション能力を育むために、ママとパパが子供と一緒にお家でできることをご紹介していきます。

子供がわかる手段を使ってやりとりをする

「何を」「いつ」「どこで」「誰と」「どのようにするか」といった内容や抽象的な言葉は、言葉だけだと目に見えないため、理解されないことが多いのです。子供の理解する力によって、文字や絵、写真カード、シンボルや実物などの目に見える媒体を使って、やりとりをしましょう。

言葉は、口にしてしまえば消えてしまいますが、実物が存在する視覚的指示は消えません。何度でも見ることができます。見ることができれば、子供は安心して、やりとりを進めていくことができるのです。

他の人が伝えたいことを理解する体験を重ねることで、子供は自信を持てるようになっていきます。

写真は、子供の理解を促す媒体の数々。例えば、着替えではミニカゴ、トイレではペーパーの芯、園庭遊びではシャベルがシンボルになっています。子供の理解力に合わせて、伝えたい内容に合った媒体を使いましょう。

生活の中で、リマインダーを使用する

「〜をください」「わかりません」「教えて」「できました」「〜したい」などのような要求や報告などの言葉が使えなかったり、「痛い」と身体の不調を訴えたりすることが難しい子供もいます。

これらのような言葉が使えない子供は、断りなく冷蔵庫から飲み物やアイスなどをとったり、園で他の子供のクレヨンやおもちゃなどを黙って使ったりするような、自分勝手に見える振る舞いをすることがあります。

例えば、飲み物や食べ物が欲しい時は、大人に伝えると欲しい物がもらえることを、生活の中で子供に気付かせてあげましょう。友達のおもちゃを使いたい時は、友達にどのように伝えればいいのか教えてあげましょう。

写真は、ある園が指導の中で使用しているリマインダーの一例です。プリント学習をしている時に、要求表現が出やすいように絵と文字のリマインダーを置いています。この例の場合は、先生にカードを渡しながら言葉で要求や報告を伝えます。

リマインダーは、大人の生活の中でも使われているものです。買い物に行く時、必要なものを忘れないようにメモをとったり、予定を忘れないようにスケジュール帳に書き込んだりしますよね。このようなものもリマインダーになります。

子供の生活の中でも、リマインダーを使用してコミュニケーションがしやすい環境を作ってあげましょう。

子供の立場で考えて、サポートしてあげましょう!

集団生活をする中で、トラブルはつきものです。叩いてしまうことは、決して良い行動とは言えませんが、その行動に至った理由があります。まずは、子供の立場になって子供から理由を聞き出すようにしましょう。一方的に叱ることはせず、理由を理解して、その理由を解消できるようにサポートしてあげましょう。

中でも、コミュニケーションがとれるようになれば解決できる場合が多くあります。今回ご紹介したようなコミュニケーション能力を育む方法を実践していき、少しずつ子供が他の子供とうまくコミュニケーションがとれるようになると良いですね。

「発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック 幼児編」という本では、発達障がいの子供の特徴や、生活の中で大人ができるサポートの方法が丁寧に紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。

本で紹介されている内容をもとに、子供が一つ一つできることが増えて、家族で一緒に成長を実感できるようになると良いですね。

発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック

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