こども保険とは
2017年3月、自由民主党の小泉孝太郎氏ら自民党の若手議員を中心に構成された2020年以降の経済財政構想小委員会がこで幼児教育を無償化にするための新たな制度構想を発表し、それが「こども保険」と呼ばれているものです。
小泉氏らは「社会全体で子供を支える」という理念に基づき、財源確保のために、全労働者と事業者の保険料を値上げする方法を提案しています。まずは労働者から0.1%、事業者から0.1%の計0.2%の保険料を上乗せして、国が徴収する形です。国民年金に加入している人は、毎月の保険料に160円上乗せすることになるようです。
それにより徴収できる額はおおよそ3,400億円と言われており、これを就学前の全ての子供に毎月5,000円、現在ある児童手当とは別に支給されます。つまり子供1人につき1年間で6万円の増額となるわけです。
導入後、しばらくして徐々に徴収額を増やしていき最終的には労働者0.5%、事業者0.5%の計1%とし、国民年金の人は毎月830円に増額、これによりおおよそ1兆7,000億円の財源確保ができます。
そうなると、児童手当に上乗せして子供1人当たり毎月2万5,000円配布することができ、児童手当と合わせることによって、幼児教育を実質的に無償化しようという考えになります。
- 2020年以降の経済財政構想小委員会「「こども保険」の導入~世代間公平のための新たなフレームワークの構築~」(https://cdn.fumiaki-kobayashi.jp/wp-content/uploads/こども保険 提言本文.pdf,2017年7月27日最終閲覧)
こども保険に対して批判があるのはなぜ?
子育て世代を支援する素晴らしい施策だと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、この「こども保険」賛否両論あり口コミサイトなどでも批判の声が多くあります。財源確保の方法が全労働者からの徴収ということがあり、子供がいない方の批判が多くありますが、子供のいる方の意見もありました。
- 待機児童解消する方が先なのではないか
- 所得に関係なく一律徴収されるのはどうなのか
- 現役世代が子供も高齢者も支えるのは負担が大きい
他にも、義務教育を終えて高校からもお金がかかるのになぜ就学前だけなのか、社会保険料が増額され消費税も数年後に増額されるのは困る…などの様々な意見がありました。上記の3つはその中でも多くあった声になります。
こども保険では、最終的に1兆7,000億円の財源を確保しようとしています。働く親・働きたい親からすると、そのお金を待機児童解消にあててくれた方がよいのではないでしょうか。そのお金で、保育園の増設や保育士不足を改善方が先決だと考えます。
さらに、批判内容で多くあったのは「全労働者からの徴収」ということ。高齢者向けの年金や医療、介護に関する保険料はすでに、全労働者が支払っているものでありますが、これらにこども保険0.1%が上乗せされる形になります。これは雇用形態、所得額関係ありません。低所得者には負担となるでしょう。
また、現役世代からは高齢者も子供も支えることができない、という声もありました。どれだけ良い大学を卒業して、良い企業に就職して、どれだけ働いても、保険料や税金に消えてしまう。自分は貯金もできない…と嘆く声もあります。