七五三のお祝いには、どのようにお返しする?
七五三は、子供が3歳、5歳、7歳という成長の節目を迎えたときに、無事にそこまで育ったことを氏神様に感謝してお祝いする、昔からの日本の行事です。その起源となっているのは平安時代、室町時代に行われていた公家(くげ)や武家の複数の儀式。それらが一般家庭にも浸透し「七五三」と呼ばれるようになったのは、江戸時代末期から明治ごろに入ってからのことといわれています。
さて、この七五三のお祝いは同居の家族のみで行うこともありますが、祖父母や親戚など、近しい方がお祝いに訪れたり、ご祝儀をいただいたりする場合もあるでしょう。お祝いについて「きちんとお返しをしなくては…」と思うかもしれませんが、実は、七五三のお祝い返しは原則として不要とされています。なぜなら、七五三のお祝いとは親たちに贈られるのではなくて、あくまでも「子供本人」に対してくださるものだからです。本人には経済力がないためお返しはしなくてよい、という考え方が基本とされています。
- 三越・伊勢丹「七五三の内祝い お返しギフト」(http://kinogift.jp/shop/pages/shichigosan_uch.aspx,2017年10月23日最終閲覧)
- 早井千代子「冠婚葬祭 おつきあいとお金のマナー」(https://goo.gl/37ZNmh,2017年10月23日最終閲覧)
- 日枝神社「七五三」(www.gokigan.jp/753.html,2017年10月26日最終閲覧)
内祝いを贈りたいときの心得
そうはいっても、多くのお祝いごとでは、いただいたお祝いに対して内祝いをお返しすることが常識といわれています。「このままいただきっぱなしで、本当に良いのだろうか」と不安になる方もいることでしょう。また、「かなり高額なお祝いをいただいた」「本人のために、わざわざ時間をかけてプレゼントを選んでくださった」など、そのお気持ちに何とかして応えたい…という思いになることはあるはず。
このようなときは、原則にこだわりすぎずにお返しをしてもよいでしょう。お返し不要といわれているとはいえ、お返しをして失礼だということはなく、デパートなどが運営する通販サイトなどでも「七五三の内祝い」として贈答品が販売されています。もしお返しをする場合は、先方の意向や好みをふまえ、心を込めて内祝いをお贈りしてみましょう。
贈りやすいものは、お祝い菓子などの食べ物
一般に、内祝いではいただいた金額の3分の1から半額程度のものをお贈りするとされています。七五三のお返しもその範囲の中で選びましょう。品物としてはいわゆる「消え物」、例えばお祝い用のお菓子や紅白のまんじゅう、お餅といった食べ物がベター。贈られる方にとって保管する負担がなく、気軽に受け取っていただきやすいからです。
子供の成長を祝っていただいたのですから、お祝いの報告をしつつ、七五三当日の写真を送るとよいでしょう。写真を見ながら「大きくなったね」と、思い出話に花を咲かせてもらえると思いますよ。
兄弟姉妹の七五三を同時に行った場合は、内祝いもそれぞれの子供の名前で、別々に贈りましょう。また、慶事に関する品物では「4」(死)や「9」(苦)の数字を避けるのが基本です。お菓子などを贈る場合は、くれぐれも個数にご注意を。刃物や割れ物は「縁切り」「壊れる」といった意味になるため、お返しの品としては避けるようにしてください。