バルトリン腺嚢胞(のうほう)とは?
バルトリン腺嚢胞とは、このバルトリン腺の開口部が炎症などによりふさがってしまい、粘液がバルトリン腺の中にたくさん溜まってしまうことで袋状に膨れ上がって嚢胞ができた状態のことをいいます。
バルトリン腺は、膣の入り口付近にある小さな分泌腺で、性交時に潤滑液を出してくれる働きをしています。痛みのないセックスのために、とても大切な働きをしている部分なのです。
- みどりぎ皮ふ科婦人科「バルトリン腺の嚢胞・膿瘍」(http://midorigi.clinic/bartholin.html,2017年11月15日最終閲覧)
- 貝原レディースクリニック「バルトリン腺嚢胞」(http://www.kaibara-ladies.com/sinryou/barutorin/barutorin.html,2017年11月15日最終閲覧)
- なりもとレディースホスピタル「バルトリン腺造袋術」(http://narimoto-lh.com/gynecology/バルトリン腺造袋術/,2017年11月15日最終閲覧)
- 井上裕美(監)他「病気がみえるVo.9 婦人科・乳腺外科」P76(メディックメディア,2015年)
バルトリン腺嚢胞の症状
バルトリン腺嚢胞は膣の入口付近が赤く腫れたり、熱をもったり、痛みを感じたりします。粘液が溜まっている状態では、しこりに触れても痛みが出ないことがありますが、炎症が起こると大きく腫れ上がります。
炎症が起こった状態を、バルトリン腺膿瘍(のうよう)と呼びます。圧迫されたり嚢胞が大きくなったりするため、歩行困難をきたし、座る際に痛みを感じることもあります。
- ともこレディースクリニック「バルトリン腺のう胞摘出術」(http://tomoko-lc.com/info/info_ope_barutorin.html,2017年11月15日最終閲覧)
- アイレディースクリニック 新横浜「バルトリン腺治療」(http://www.ai-ladies-sy.jp/14657928414853,2017年11月15日最終閲覧)
- 田渕レディスクリニック「バルトリン腺炎・線膿瘍」(http://tabuchi-clinic.org/blog/2015/09/18/バルトリン腺炎・腺膿瘍/,2017年11月15日最終閲覧)
バルトリン腺嚢胞の治療法
嚢胞の状態では自覚症状がない患者さんが多く、感染を起こして膿瘍の状態になってから受診する方が多いようです。しかし、症状が悪化すると立ったり座ったりする際に痛みを感じ、歩行困難になることもあるため早めの受診をおすすめします。
治療方法としては大きく分けて2つ、保存的な治療と外科的治療とがあります。
保存的治療
保存的治療では抗生物質の投与、針を刺して内容物を吸引する方法と、膿瘍を切開して膿の排出を促す方法があります。軽症の場合は抗生物質の服用だけで症状が軽快することもあります。
しかし、切開を行った場合には傷口の癒着によって再発の可能性が高いのが難点です。
外科的治療
保存的治療で改善がみられない場合には外科的治療が行われます。造袋(開窓)術と嚢胞摘出術があり、造袋術は嚢胞壁に穴をあけて膿の排泄口を作る方法です。
嚢胞摘出手術は、バルトリン腺自体を剥離、摘出する手術でバルトリン腺の機能はなくなります。この手術は大がかりなため、入院による管理が必要となります。
- みどりぎ皮ふ科婦人科「バルトリン腺嚢胞・膿瘍」(http://midorigi.clinic/bartholin.html,2017年11月15日最終閲覧)
- 佐野産婦人科医院「スタッフブログ」(http://www.sanolc.com/blog/2015/02/post-58-1086285.html,2017年11月15日最終閲覧)
- 山本産婦人科「膣・外陰部の異常」(http://www.yc-tsu.jp/nayami/1/main.html#2d,2017年11月15日最終閲覧)
- 井上裕美(監)他「病気がみえるVo.9 婦人科・乳腺外科」P76(メディックメディア,2015年)
- 東京レディースクリニック「バルトリン腺膿瘍」(http://www.tokyo-ladies.jp/gynecology/oBartholin.php,2017年11月15日最終閲覧)
バルトリン腺嚢胞の体験談をご紹介
バルトリン腺嚢胞は、デリケートな場所に症状があらわれるために人には相談しづらく、病院に行くのをためらってしまうことがあるかもしれません。診察のタイミングを逃し症状が悪化してしまうことも。
バルトリン腺は一度治ってもまた再発する可能性があります。気になった症状が出た場合はできるだけ早く受診するのがよいでしょう。
何度も繰り返すバルトリン腺嚢胞
疲れが溜まると、膿が溜まって痛くて座れなくなります。
薬でひくことはないので、病院で切開をして膿を出して治しています。
バルトリン腺をとる手術も考えましたが、バルトリン腺炎になってから手術になるので時間が取れません。
何もない時にはバルトリン腺は小さすぎて手術ができないそうです。
今年の9月に出産をして、育児の忙しさにおわれ、またバルトリン腺炎になり切開しました。
傷口から菌が入ったんだと思います。
やはりストレスがある時に繰り返し起こるので、ストレスをためないように気をつけています。
抵抗力が弱るとなる気がします。
なのでできるだけ清潔にすることも大事だと思います
バルトリン腺嚢胞は一度症状が治まっても再発することがあるようです。炎症がひどくなると処置も大変になるため悪化しないうちに治したいですね。
腫れが小さくても「押すと痛い」「腫れの部分に赤みがある」などの場合は早めに受診した方がよいでしょう。
病院での処置はありませんでした
ほんとぶっちゃけ中が膿んで痛くなった時しか病院では処置してもらえません(^^;;
なので腫れてても痛くなかったら放置です!
膿んだ時は本当に座れないし、ずーっと痛いです!
針かメスかで切れ目入れてぎゅーって絞られます(^^;;
表面麻酔だけなのでその処置はめっちゃ痛いです(T ^ T)
あとはがっつり嚢胞を摘出手術?するしかないんだと思います!
私は諦めて上手に付き合ってます(^^;;
なって3年になりますけど、膿んで処置してもらったのは昨年末の一回だけです!
バルトリン腺嚢胞は症状が出て化膿した場合は病院での処置をするのがよいかもしれません。しかし、腫れていても痛みがないときは、そのまま様子をみることもあるようです。
もし、経過観察中に気になる症状が出た場合は早めに医師に相談しましょう。
妊娠中にバルトリン腺嚢胞にかかり切開…
妊娠中や出産後にバルトリン腺嚢胞にかかることがあるようです。特に妊娠中は妊娠の経過に影響が出ないか不安になりますよね。
妊婦健診時に気になることを聞けるようにしておくと心強いですね。
腫れや痛みがある場合は早めに受診を
バルトリン腺嚢胞は、化膿せずに膨れ上がっているだけの状態ならそれほど心配はいらないといわれています。炎症がひどく、強い痛みが出た場合やあまりにも嚢胞が大きくなってしまったりすると日常生活に支障が出ることがある上に、手術治療が必要になる可能性も出てきます。
しかし、腫れあがっているだけなのか炎症が起こっているのかの判断は難しいため、異変を感じた場合には診察を受けることをおすすめします。