たった5文字の教育方針に救われた『りんごかもしれない』作者の思い

ユーモアあふれる絵本で人気のヨシタケシンスケさん。小さな男の子の空想を描いた『りんごかもしれない』の出版から5年、たくさんの作品を生み出し続けるヨシタケさんにお話を聞きました。引っ込み思案だった少年時代の話や、パパとして子育てについて思うことは、ママにとって参考になることばかり。また、ヨシタケさんならではの絵本へのこだわりには、お母さまとの思い出が隠れているようです。

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ネガティブな甘えん坊が、絵本作家に

男の子の日常生活に広がる空想の世界を描いた『もうぬげない』や『りんごかもしれない』(いずれもブロンズ新社刊)。大人が読んでもクスッと笑える絵本の数々を生み出しているのは、絵本作家のヨシタケシンスケさんです。

「これほど面白いことを考えつくヨシタケさんは、ユーモアあふれる人に違いない」と想像するかもしれません。しかし、ヨシタケさんご本人に尋ねると、昔も今もネガティブでユーモアとはほど遠い性格だといいます。

すぐに「もうだめだ」と思っていた少年時代

カメラマン大島さん撮影 Ⓒママリ

ヨシタケさんは4人きょうだいの2番目で、唯一の男の子。

「姉が何をやってもよくできる子で、僕は『言われたことはやるけれど、その他のことはなにもできない子』でした。ネガティブで、何かあるとすぐ『もうだめだ』と思うタイプでしたね」

きょうだいで性格が異なるのはよくあることですが、親はつい比べてしまうものです。しかし、ヨシタケさんのお母さまは、4人がそれぞれ自分なりに育つのを見守ってくれたといいます。

「僕の小学校時代のことで、印象に残っているエピソードがあります。個人面談のとき、保護者が事前に教育方針をプリントに書いて持参することになっていたのですが、母が書いた教育方針は『その子なり』という5文字のみでした。当時はよくわからなかったのですが、今思えば『こんな子になれ』と育てるのではなく、何をしていても『なんとかなる』と見守ってくれた母には救われたと思います」

イラストレーターから絵本作家へ

カメラマン大島さん撮影 Ⓒママリ

大学に進学したヨシタケさんは、自分が見かけた面白いできごとを、ノートや手帳にイラストで記録し始めました。落ち込んだときにノートを見返し「こんなに面白いこともあった」と自分を元気づける目的があったといいます。ノートは今でも書き続け、ネタ帳としても活躍しています。

イラストは、親指の先ほどの大きさ。こんなにも小さいのは、会社員だったころ、仕事中にスケッチしていても周囲にわからないように描いていたなごりだそう。

会社員生活を経て、新聞や本の挿絵を描くイラストレーターとして活動していたヨシタケさんは、出版社の編集スタッフから「絵本を描かないか」と誘われましたが、はじめは戸惑いがあったようです。

「自分で発想して絵本を描くなんてできない、と思いました。注文通りに描きつつ自分なりの工夫をするイラストレーターとは違う、一から作る難しさがあると感じたからです。でも、編集の方が『りんごをいろいろな角度から見る絵本を描いてください』とお題をくださって。お題があればできるかもしれないと、チャレンジすることにしました」

こうしてヨシタケシンスケさんという絵本作家が誕生。数々の楽しい絵本が生まれることになりました。

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