新型コロナウイルス、妊娠中や妊活中の人はどう対策する?学会が注意喚起(2/28追記あり)

2020年1月に中国で感染が初めて確認され、日本でもさらなる感染拡大が心配される新型コロナウイルス感染症。2020年2月27日、日本産婦人科感染症学会は、妊娠中もしくは妊娠を希望する方に向けて新たな注意喚起を行いました。この記事では妊婦や妊娠を希望する方が、新型コロナウイルスに関して知っておきたいことと、気を付けたいことについてお伝えします(2/28、2/27の日本産婦人科感染症学会の発表を受け、PCR検査に関する情報や、妊婦や妊娠を希望する方が新型コロナウイルスに感染した場合の出産の流れについて追記しました)。

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日本でも感染拡大が心配される、新型コロナウイルス

中国を中心に流行が見られている、新型コロナウイルス感染症。WHO(世界保健機関)は新型のコロナウイルスが引き起こす症状について「COVID-19」と名付けると発表しました。日本でも指定感染症に認定され、国民の命や健康に重大な影響を与える恐れがあるものとして、感染拡大を阻止するための動きが続いています。

現在、新型コロナウイルス感染症を予防するワクチンはなく、有効な治療薬もない状況です。日本国内でも新型コロナウイルスに関する研究が進められており、一刻も早い治療薬やワクチンの開発が待ち望まれています。

出典元:

⽇本産婦⼈科感染症学会による注意喚起内容(抜粋)

医師 PIXTA

日本産婦人科感染症学会は、妊娠中もしくは妊娠を希望している方に対し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について 妊娠中ならびに妊娠を希望される⽅へ」というお知らせを出しています。

※このお知らせは2/27時点で第6版まで出ています。最新情報を知りたい方は、今後も学会のウェブサイトをチェックするとよいでしょう。

日本産婦人科感染症学会ウェブサイト

ここからは、第6版の注意喚起の中でも妊婦や妊娠を希望する方が、特に知っておきたい状況についてお伝えします。

妊婦から胎児への感染は確認されていない

2 ⽉ 12 ⽇付の Lancet の報告では、武漢市内で妊娠後期に COVID-19 に罹患した妊婦 9 例の解析で経過や重症度は⾮妊婦と変わらず、⼦宮内感染は⾒られなかったとしています ※1

妊娠後期に新型コロナウイルス感染症にかかった妊婦の解析によると、妊婦から胎児に病気がうつる「子宮内感染」は見られていないとのことです。

妊婦は重症化のおそれがあり、感染しないよう注意が必要

⼀般的に、妊婦さんの肺炎は横隔膜が持ち上がるために換気が抑制され、またうっ⾎しやすいことから重症化する可能性があります。妊婦さんは⼈混みを避ける,こまめに⼿洗いするなどの注意が必要です。 ※2

医療機関を受診する際は、新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザなどさまざまな感染症患者がいる可能性がありますので、感染対策をしっかりとるようにしましょう。

「不安だから」という理由での検査は不可

PCR検査が現時点で唯⼀の検査法ですが、偽陰性(感染しているのに検出できない)のことがありますので、⼼配だからとか念のためという理由で受けることはできません。
※3

新型コロナウイルスに感染しているかどうか検査する方法は、現在「PCR検査」のみ。帰国者・接触者相談センターに問い合わせの上、医師が検査が必要と判断した場合のみ検査が行われます。

ただし、この検査ですべての感染者を発見できるわけではないため、現在は「心配だから」「念のため」という理由で受けることはできません。あくまでも医師が必要と判断した場合のみ、検査を受けられます。

感染の可能性がある方は妊婦健診を控えて

軽症でも新型コロナウイルス感染の可能性のある時は妊婦健診受診を控えてください。また,ご家族に患者さんがおられる場合も妊婦健診の受診⽇を 1-2 週ずらすことは可能ですので主治医に電話でご相談ください。但し、それまでの妊娠経過が正常の場合に限ります。不正出⾎やお腹の痛み、破⽔感など産科的症状のある場合は受診が必要ですが、かかりつけの産婦⼈科で対応できないことがありますので、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。 ※4

新型コロナウイルスが疑われる状態のときは、妊婦健診を受診するのは控えましょう。家族に感染者がいるなど、不安がある場合は医師に電話で相談を。妊娠の状態に応じて、受診が必要かどうか主治医に判断を仰いでください。

立ち合い出産、面会が不可となることも

主治医の判断により感染の有無にかかわらず、ご家族の⽴会分娩や⾯会は感染予防のため極⼒お控えいただくことになります。 ※5

新型コロナウイルスへの感染の有無にかかわらず、主治医の判断によっては立ち合い出産や面会が不可となることがあります。赤ちゃんとママへの感染予防のため、指示があった場合は従いましょう。

新型コロナウイルスに感染した場合の出産

出産 病院 PIXTA

日本産婦人科感染症学会は、妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合の出産について以下のように言及しています。

妊娠後期の感染で、出産に⾄るときも他の患者さんに感染させないよう受け⼊れ可能な施設での対応になります。陣痛室,分娩室や出産後の回復室は全てトイレつき個室となります。部屋から外に出ることや⾚ちゃんとの⾯会、授乳はできません。産科医をはじめとする医療スタッフは院内感染予防のため全⾝を覆うガウンとアイガード、マスクを着⽤して診察・看護いたします。⾯会や⽴会分娩はできません。肺炎などに加え、⾚ちゃんの状態によって帝王切開になる可能性がありますが、その判断は主治医にお任せください。 ※6

新型コロナウイルスに感染した場合、出産は指定医療機関のみで受け入れとなります。また、出産から産後まですべて個室での入院となり、部屋から出ることや赤ちゃんとの面会は、ママと赤ちゃん双方が検査で陰性となるまでできません。

出産方法は病状により主治医が判断することとなり、場合によっては帝王切開となる可能性もあります。

新型コロナウイルスの感染対策とは

手洗い amana images

同学会や厚生労働省のホームページでは、新型コロナウイルスには下記のように対策をとるよう説明されています。

  • 石鹸によるこまめな手洗いを行う
  • アルコールなどの消毒薬による消毒を行う
  • 咳などの症状がある人との不必要な接触を避ける
  • 咳エチケットを行う
  • 野生動物との接触は避ける
  • 肉や卵はよく加熱する

マスクに完全な予防効果はありません

マスク PIXTA

マスクの生産が需要に追いつかず、どの薬局でも品薄な状態が続いているという報道を日々見聞きするかと思います。

マスクがなかなか手に入らず焦ってしまうかもしれませんが、国内生産体制の強化により、今後は例年以上の枚数を出荷できるよう整備が進められているとのこと。そのため今後はマスクが比較的手に入りやすい状況になると予測されます。

ただし、マスクを感染予防として使用するには完全ではないということを理解しておくことも大切です。

⽇本産婦⼈科感染症学会では人混みに出る場合は飛沫感染を防ぐためにマスクをかけることが望ましいとしつつも、マスクの有効性は確認されていないとし、下記のように明記もしています。

WHOは⼀般の⽅がマスクを着⽤することの効果はほとんどないとしていますので気休め程度と考えてください。
うがいや⿐うがい、⼝腔洗浄には予防効果は認められていません。⾃然宿主動物はまだ不明ですので野⽣動物との接触は避け、⾁や卵は良く加熱してください。家庭⽤の空気清浄機やニンンク、ゴマ油、ラベンダーなど特定の⾷べ物やサプリメントによる予防は有効性が確認されていません。現時点では予防接種はありません。家庭内に感染あるいは疑いのかたがおられる場合は極⼒接触を避けてください。 ※7

厚生労働省でも、マスクは咳やくしゃみなどの症状がある人は積極的につけるべきとしています。しかし一方で、予防用としてマスクを着用する場合は、混み合った場所や室内、乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられるものの、屋外などでの効果はあまり認められていないと示しています。

病院を受診する際や、移動手段として電車やタクシーなどを利用した後は手洗いなど基本的な感染対策を行うことを徹底し、そのうえでマスクも活用しておくという認識で行動しましょう。

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