ちまき
柏餅と並び有名な端午の節句の食べ物が「ちまき」です。ちまきは中国から伝来した食べ物で、端午の節句と時期を同じくして、奈良時代ごろに日本に伝わったと言われています。
ちまきが端午の節句に食べられるようになった理由は、中国で屈原のお供え物として使われていたから。ちまきは柏餅と同じように葉で包まれており、現在では笹の葉が使われるようになりましたが、もともとは厄除けの意味を持つ「ちがや」の葉で作られていました。
「ちがや」は漢字で書くと「茅」。茅で巻くことから「茅巻き(ちまき)」と言われるようになり、現在でも厄除けや無病息災の意味を持つ食べ物として端午の節句で食べられています。
実は端午の節句の歴史をたどると、柏餅ではなくちまきを食べるのが本来の風習だったようです。端午の節句が中国から伝来した際にはちまきが定番の食べ物とされており、柏餅を食べるようになったのは江戸時代からなので伝統的行事の食べ物としては意外と新しいですね。
- 防草緑化技術「チガヤ(Imperata cylindrica (L.) Beauv.)」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/iuws/1/0/1_10/_pdf/-char/ja,2022年8月16日最終閲覧)
たけのこ
端午の節句に作られる料理には、たけのこが多く活用されます。5月ごろといえばたけのこの旬の時期でもありますが、端午の節句の食べ物である理由は、たけのこの成長の早さと真っ直ぐに成長する形に由来します。
竹は非常に成長が早く、1日でなんと121cmも成長した記録があるほど。たけのこの成長の早さにちなみ、男の子も早く立派に、まっすぐ元気に成長するようにとたけのこ料理が作られるのでしょう。
- 農林水産省「特集1 竹のおはなし(2)」(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1301/spe1_02.html,2022年8月16日最終閲覧)
かつお・ぶり
男の子の初節句では魚料理の材料としてぶりやかつおなどの出世魚が使われることがおおいようです。
成長とともに呼び名が変わる出世魚は縁起が良いと言われており、男の子の将来的な活躍を願い食べられる食べ物です。
特にかつおは5月から6月が旬なので、身が締まっておいしくいただける出世魚。かつおは「勝つ男」とかけて男の子の健やかな成長を願う意味もあるのだとか。端午の節句をお祝いするなら、出世魚を使った料理は欠かせません。
地方によって違う端午の節句の祝い方
端午の節句のお祝いについてお話してきましたが、端午の節句に何するかは地方により変わります。ここからは、地方ごとの珍しい端午の節句のお祝いについて紹介していきますね。
【山形県】笹巻き
山形県では端午の節句に「笹巻き」という食べ物を食べてお祝いをします。笹の葉でもち米を包んで熱湯でゆでたものなのでちまきと同じですが、山形県内でも地域によって作り方が変わり、もち米を潰さずに作ったり、灰汁水で煮たり…と、さまざまな作り方があるそうです。
庄内町には笹の葉を50枚も使用した大きな笹巻きを作り、集落の家に配り歩くという風習もあります。
- 農林水産省「笹巻き 山形県」(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sasamaki_yamagata.html,2022年8月16日最終閲覧)
【静岡県・埼玉県・新潟県・愛媛県】凧揚げ
鯉ではなく凧を揚げて端午の節句をお祝いする地域は、日本各地に多く残っているそうです。凧揚げの目的は鯉のぼりと同じく、男の子の誕生を祝うため。新潟県や愛媛県では端午の節句の凧揚げが大規模で、現在でも凧揚げ合戦が行われています。
- 農林水産省「越後の凧合戦」(https://www.maff.go.jp/hokuriku/kokuei/shinacho/pdf/88_p11-12.pdf,2022年8月16日最終閲覧)










