子どもがやけどをした際の病院の受診目安
それではまず、子どもがやけどをしたときに病院を受診するべき目安を、具体的な症状から見ていきましょう。
様子をみて必要であれば病院を受診する
- 子どもの手のひらより狭い面積のやけど
- 水ぶくれがなく皮膚が赤いやけど
- やけど部位に痛みや熱さが十分に感じられる
応急処置をして早めに病院を受診する
- 子どもの手のひらより広い面積のやけど
- 水ぶくれができたやけど
- やけど部位の痛みや感覚が薄れている
救急車を呼ぶかすぐに病院を受診する
- 片足や片腕より広い面積のやけど
- 全身・顔面におったやけど
- 黒色や白色に変色しているやけど
- 出血が見られる
- やけど部位に痛みを感じない
やけどは深さにより「1度」「2度」「3度」とレベル分けされますが、やけどが深くなるほど痛み・熱さなどの感覚が薄れていきます。そのため、冷やしてないと痛いやけどであれば浅いやけどなので、様子を見てから病院を受診すれば良いと考えられるでしょう。
やけどで皮膚科に行くべきかどうかは「水ぶくれができているかどうか」で判断する方法が簡単ですが、軽度のやけどでも病院での処置を受けたほうがあとが残りにくくなったり、治りが早くなったりするはずです。やけどの様子を観察して、必要そうであれば病院を受診してくださいね。
- 日本形成外科学会「やけどとは、その分類」(https://jsprs.or.jp/general/disease/kega_kizuato/yakedo/yakedo.html,2021年9月27日最終閲覧)
- 消費者庁「もしもの時の「応急手当方法」」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/contests_007.html,2021年9月27日最終閲覧)
- 公益社団法人 日本小児科学会「こどもの救急 やけど」(http://kodomo-qq.jp/index.php?pname=yakedo,2021年9月27日最終閲覧)
子どものやけどは何科を受診する?
子どものやけどで病院に行こうとしたものの「何科を受診するべき?」「小児科でいいの?」と悩んでしまうパパママもいらっしゃるのではないでしょうか。やけどで病院を受診するなら、小児科・皮膚科・形成外科のいずれかに行くのが基本です。
ただし至急病院を受診しなければいけないレベルのやけどでは、手術などの治療が必要となるケースも…。あまりにひどいやけどなら、皮膚科より形成外科を受診するほうが適切な治療を受けられるはずです。
- 日本形成外科学会「やけどとは、その分類」(https://jsprs.or.jp/general/disease/kega_kizuato/yakedo/yakedo.html,2021年9月27日最終閲覧)
自己判断による薬の使用はNG
水ぶくれもできていない軽いやけどであれば、市販薬で治ることもあるでしょう。しかし、水ぶくれができているなど病院を受診するべき症状が現れている場合、市販薬では十分な効果が期待できません。
一見軽いやけどに見えても、実は深い部分までやけどをしているケースもあり得ます。パパママでは自己判断せず、病院で必要な処置を受けることが大切です。
子どもがやけどをおって病院を受診するべきか、皮膚科に行くべきか、何科を受診するべきか…と目安に迷ったら、小児救急電話相談の「#8000」に電話をかけて相談してみるとよいですよ。
- 政府広報オンライン「家の中の思わぬ危険。 乳幼児のやけど事故にご注意を!」(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201802/1.html,2021年9月27日最終閲覧)
子どものやけどを経験した先輩ママの体験談
子どものやけど予防はパパママが十分に気をつけていることの一つだと思います。気をつけていても起きてしまうやけど事故。先輩ママたちはどのような状況で子どものやけどを経験したのでしょうか?対処内容もあわせて見ていきましょう。
ママリに寄せられた投稿を見ると、キッチンや食事関連でやけどをしたというケースが多く見られました。
熱を持つものが多くあるキッチンは子どもにとって大変危険な場所なので、ベビーゲートを設置して入れないようにするなど対策することは必須だと言えそうですね。
応急処置も重要
子どものやけどで病院に行くべき目安を知ることも大切ですが、早めに応急処置をすることもとても重要です。
まずは、やけどをした部位を流水で冷やしてください。5~30分くらいを目安に冷やしましょう。
もし服の上から熱湯などがかかってやけどをした場合は、無理に服を脱がさず、そのまま服の上から冷やすようにしてください。無理に服を脱がすとやけどをした部位にダメージが及んで、より症状が悪化してしまう可能性があります。
- 消費者庁「もしもの時の「応急手当方法」」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/contests_007.html,2021年9月27日最終閲覧)
- 日本熱傷学会「熱傷(やけど)に関する簡単な知識」(http://www.jsbi-burn.org/ippan/chishiki/outline.html,2021年9月27日最終閲覧)
- 日本皮膚科学会「やけどの応急手当はどうしたらよいですか?」(https://www.dermatol.or.jp/qa/qa8/q02.html,2021年9月27日最終閲覧)
- 公益社団法人 日本小児科学会「こどもの救急 やけど」(http://kodomo-qq.jp/index.php?pname=yakedo,2021年9月27日最終閲覧)
子どもがやけどをして不安な場合は、軽度に見えても病院へ
子どもがやけどをしたら、まず応急処置を行い、症状などの目安に関わらず病院を受診することをおすすめします。「あとが残ってしまうのでは…」と不安な中で自分で判断するのではなく、医師に診てもらった方が安心ですよね。
皮膚科に行くべきか、何科に行こうかと迷っているなら、まずはかかりつけの小児科か皮膚科を受診されてみてはいかがでしょうか。