暖房器具や加湿器による子どもの事故実例
暖房器具や加湿器によるやけどは、家庭内で起こりやすい事故です。暖房器具から出る暖かい空気や赤く灯るようすに興味を示し、つい手を伸ばしてしまう子どももいます。
消費者庁から注意喚起として、実際に起こった事故が紹介されています。その一部を見てみましょう。
・「自宅のファンヒーターに左手を突っ込んだため病院を受診。中指が赤くなり、水ぶくれができていた。」(1歳)
・「ファンヒーターの吹き出し部に肘が当たり皮膚がめくれたため、冷やした後に病院を受診。II度(※2)のやけどした。」(5歳)
・「左手でストーブ上部に触れてやけどした。流水で10分ほど冷やした後に病院を受診。左手掌・手指が赤くなり、水ぶくれができていた。」(0歳)
・「1mぐらいの高さに、沸かすタイプの加湿器が置いてあり、その奥のはさみを子どもが取ろうとしたところ、加湿器が倒れてお湯がかかった。すぐに服を脱がせて冷却しようとしたが、子どもが嫌がったため、救急要請した。右大腿部(だいたいぶ)、左肘にII度のやけどを負った。」(4歳) ※1
他には、電気カーペットや湯たんぽで低温やけどをしてしまう事例もあります。暖房器具に限らず、温かい飲み物を飲むときや調理時に使う電気ケトルでも、大人が目を離したすきに子どもが触ってやけどをする、という事例も。
0歳や1歳の子どもは、危険だということがまだわからないため、好奇心から触ってしまうことがあります。危険が理解できる年齢でも油断大敵です。
「危ないから近づかないよ」と言い聞かせることも大切ですが、保護者側が事前に対策をすることも重要になります。
- 消費者庁「Vol.489 電気ケトル等の転倒によるやけど事故に注意!」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20200213/,2020年12月22日最終閲覧)
- 消費者庁「Vol.476 電気カーペットや湯たんぽによる低温やけどに注意!」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20191107/,2020年12月22日最終閲覧)
事故が起きないための対処法
暖房器具や加湿器はやけどだけでなく、転倒すると火事になる可能性もあります。まずは触ったり倒れたりしないよう、大人のほうで対策をとる必要があります。
器具のまわりをガードする
暖房器具や加湿器の周りにベビーガードやストーブガード、ファンヒーターガードなどを設置することがおすすめです。ホームセンターでも、インターネットでも入手することができます。
暖房器具周辺で遊ばせない
暖房器具の周辺にはおもちゃを置かない、転びやすいものを置かない、そもそも遊ばせないことを徹底しましょう。
大人が見守る
子どもは大人が予想しないような動きをすることがあります。暖房器具や加湿器を使っているときは、大人が同じ部屋にいて子どもの動きに注意することも大切です。
暖房器具などを安全なものに変える
ストーブやファンヒーターは熱源が目に見えることがあり、触ることができないほど高温になります。可能であればより安全なエアコンやオイルヒーター、パネルヒーターなど他の選択肢を検討してみてもよいかもしれません。
- デロンギ「デロンギの安心安全暖房」(https://oilheater.delonghi.co.jp/lp03/,2020年12月24日最終閲覧)
- ナカガワ工業「icoro i-500 イコロ」(https://www.nakagawakougyou.net/product/icoro-i-500-イコロ/,2020年12月24日最終閲覧)
「やけどするかもしれない」を常に意識しよう
「ここなら届かないだろう」「前回使ったときに大丈夫だったから、今回も大丈夫だろう」という油断は禁物!大丈夫と思っても「いや、もしかしたら…」と、考えてみてください。
子どもはある日急に届くようになったり、思いがけない行動を取ったりすることがあります。対策は万全にし、子どもから目を離さないことも意識しましょう。