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監修:清水なほみ

【医療監修】人工授精の年齢別妊娠率は?ステップアップするタイミングや見直したい生活習慣とは

人工授精は不妊治療の中でもより自然妊娠に近い方法とされています。通常タイミング法の次に行われる不妊治療ですが、妊娠率は年齢によって異なります。人工授精をして妊娠に至らなかった場合、どのタイミングで体外受精や顕微授精にステップアップしたらよいか気になりますよね。人工授精の実施回数や妊娠率、妊娠率に関係のある生活習慣についてご紹介します。

PIXTA

人工授精の年齢別妊娠率

人工授精は精子を子宮内に直接注入して精子と卵子が受精する確率を高める不妊治療法です。不妊治療の中では自然妊娠に近い方法とされていますが、人工授精1回の妊娠率は5~10%と決して高くはありません。

自然に排卵するのを待つ(自然周期)よりも、排卵誘発剤などを使用して人工授精を行った方が妊娠率が高くなりますが、年齢や治療状況によって個人差があります。年齢別の人工授精1回あたりの妊娠率は以下の通りです。

  • 20代:約12~13%
  • 30代前半:約9~10%
  • 30代後半:約7~8%
  • 40代前半:約3~4%
  • 40代後半:約1~2%

年齢が上がるとともに卵子の質が低下し妊娠率が低くなります。通常人工授精は4~6回行いますが、妊娠に至らない場合は治療のステップアップを考える必要があります。

出典元:
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人工授精は子宮内に精子を注入していく不妊治療のひとつの方法です。不妊治…

回数を重ねれば妊娠率はアップする?

人工授精 PIXTA

人工授精は通常4~6回行いますが、回数を重ねるごとに妊娠率が上がるのか気になる方がいるかもしれません。

  • 1~2回:約64%
  • 3回:約79%
  • 4回:約89%

人工授精は4回目~6回目までは回数を重ねるごとに妊娠率が上がり、最終的には約90%の方が妊娠に至るとされています。しかしそれ以上の回数では、人工授精を繰り返したからといって妊娠することはあまりありません。

年齢や卵管の状態にもよりますが、6回人工授精を行っても妊娠に至らず、明らかな不妊原因がない場合は、そのまま人工授精を続けても成果が出にくいためステップアップを検討することとなります。

出典元:

体外受精や顕微授精の方法と、ステップアップのタイミング

タイミング PIXTA

人工授精を4~6回程行っても成功しない場合には、体外受精や顕微授精へのステップアップを勧められます。年齢や精子の状態、症状や不妊治療を行っている期間などによっては人工授精の回数が少なくてもステップアップすることがあります。

体外受精と顕微授精は高度生殖医療(ART)と呼ばれ、人工授精よりも費用が高くなるためステップアップを検討する際には家族で十分に話し合いをするようにしましょう。

体外受精

体外受精は、卵巣から取り出した卵子を体外で精子と受精させて、数日後子宮内に受精卵を戻す方法のことです。子宮内に戻した受精卵が着床すると妊娠が成立します。自然妊娠では卵管内で精子と卵子が結び付き受精しますが、その過程を体外で行うことを体外受精といいます。

精子の運動率や濃度が低い場合は、人工授精を行わずに体外受精にステップアップすることがあります。

顕微授精

顕微授精は、細いガラス針を使って直接精子を卵子に注入する方法です。精子と卵子が自然に受精しない場合や、精子の数が少なく、体外受精では受精に至らないと判断された場合に行います。

精子と卵子がそれぞれ一つずつあれば受精できるため、受精率が高くなります。

出典元:

妊娠率を上げるためには生活習慣の見直しを

治療 PIXTA

ストレスや食生活の乱れなどは人工授精にかかわらず妊娠率低下の原因となります。日常的なストレス解消や生活リズムの乱れを改善することにより、妊娠に向けて体調を整えておくことが大切です。

喫煙している場合は禁煙しましょう

人工授精や体外受精をする場合、喫煙者の妊娠率は通常よりも低くなります。自分が喫煙していなくても、副流煙でも同じような影響があります。喫煙は女性だけでなく男性不妊にも影響があるため、パートナーが喫煙している場合でも、禁煙するように伝えましょう。

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人工授精の妊娠率を上げるためにストレスを溜めない生活を

夫婦 PIXTA

人工授精は年齢における妊娠率に違いがあり、4~6回までを目安に行い妊娠に至らなかった場合は体外受精や顕微授精へのステップアップを勧められることがあります。

なかなか妊娠につながらないと不安な気持ちが大きくなるかもしれませんが、ストレスや生活習慣の乱れは妊娠率を下げる可能性があります。

妊娠、出産したいと思う気持ちを大事にして、未来の自分と子供の生活を明確にイメージすることで、妊活をポジティブに捉える習慣をつけたいですね。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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