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どうしても諦めきれなかった親になりたい気持ち
結婚2年目だった「ダンナさん」と「私」。仲が良くいずれは子どもがほしいと考えていましたが、医師から実子を望むことができないことを告げられます。
結婚後の家庭のイメージとして「夫婦と子どもがいる」という未来を描く方はいるでしょう。家族の理想やイメージは人それぞれですが、結婚時に描いたイメージ通りにならないと知った主人公の2人は、ショックを受けたであろうと想像できます。
実子が望めないとわかっても子どもと一緒に作っていく家庭のイメージがあきらめきれなかった2人は、これからの家族像について一緒に考え始めます。
特別養子縁組への希望
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海外で生活をしたことのある2人は、養子縁組という選択に思い至ります。
以前から養子縁組を経た家庭に関わってきた2人は、養子という子どもの持ち方をポジティブに捉えていたようです。妻が語っているように、夫婦だってもとをたどれば血のつながりはなく、それでも家族であることに変わりはありません。
子どもという存在も、血のつながりはなくても十分に家族になることができると考えた主人公の夫婦。ここから本格的に特別養子縁組で赤ちゃんを出迎える準備をしようと考え始めます。
家族の本音に触れながらも、あきらめない
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特別養子縁組に向けて進み始めた主人公夫婦ですが、血のつながりを重視する妻の父親は、養子縁組制度を利用することについて反対。娘に苦労させたくないという親心でもあったようです。
自分が育った家庭が幸せだったことが、子どもを持ちたいと思うきっかけだったという妻は、父と衝突しながらもあきらめずに自分の気持ちを伝えます。その思いは父や家族に少しずつ届き、家族に理解が広がっていきます。
「家族」とは何かを深く考えさせられる
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お話の最後には、特別養子縁組制度を使って息子「おにぎりくん」を迎える主人公の夫婦。おにぎりくんを抱く2人の幸せそうな表情には、胸が温かくなります。
家族とは血のつながりだけではないと、しみじみ考えさせられるお話です。また、特別養子縁組制度を利用する夫婦だけでなく、一緒に養子を迎える祖父母やおじ・おばなどの家族の思いも垣間見えます。
家族にとって大切なものは何かを問うストーリー。今家族がいる方にも、これから家族を作ろうと思っている方にも読んでいただきたいエッセー作品です。
イラスト:くまの広珠