©️chinakichi72
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いつもの昼下がり、夫が消えた
いつもと同じ日だと思っていたある土曜日の昼下がり、主人公ユカリさんの夫が突然消えました。普段なら「ただいま」の声にこたえて出迎えてくれる夫がいない。ただ出かけているだけかも…と最初は思ってもいつもとは違う家の様子に不安はつのっていきます。
思い返してみると夫の様子に前兆ともいえる気になるところがいくつかあったようです。ユカリさんは日々の生活の中で夫の変化を見過ごしてしまったことに気が付きます。
小さな子どもを育てている中、もしこんなシチュエーションにあってしまったら…と思うと背筋に冷たいものが走ります。事故や事件にでも巻き込まれたのか?まさか家出?果たして夫に何がおきたのでしょうか。
貯金が消えた!もしかしたら家出?
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夜になっても帰ってこなくても、電話やメールに返事がなくても楽観的に考ることができたのはその日が土曜日だったから。ただ友達と飲みにいって携帯の充電がきれたのだろう。そんなふうに思っていました。
しかし、「もしものとき用貯金」がなくなっていたことに気が付くと不安がつのっていきます。もしかしたら家出かも…と頭をよぎります。
しかも夫のジャケットからは女性ものの香水を買ったレシートも出てきて、ユカリさんの脳内には「浮気」の文字が浮かびます。まわりの変化に気が付くたび、さらに不安は増していきます。
もしかしたら浮気をして女性と逃げたのかも。こんな状況だったらきっとそう思ってしまいますよね。はたして現実はどうなのでしょう。
新たな事実が発覚
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浮気を疑ったり、夫の実家で自分の知らない親との関係を知ったり…混乱している中でユカリさんの携帯に着信が。夫からと期待しましたが、夫の会社からでした。休日出勤のはずなのに、出勤していないことを心配した同僚からでした。
出勤の日だと知らなかったユカリさん。欠勤の理由をどう話そうか悩んでいる中、同僚が続けた話では夫が新しい上司との関係が悪いということ。夫が仕事で大きな葛藤をかかえていたことを知ります。
ユカリさんはいつも家族の前では笑顔でいる夫が自分の知らないところでさまざまな悩みを抱え、苦しんでいたことに気が付きました。
このあと夫は1日で帰宅するものの、ストレスを抱えた自分を「弱い」と責めてしまい、通常の受け答えが難しい状態になっていました。夫婦でさえも知られたくない自分の弱さを、抑え込んでしまった夫。ユカリさんと夫は、夫の休職を活用することを決め、少しずつ心の回復を試みていきます。
「夫婦であっても、相手のことを全部知っているわけではない」という事実を突きつける本作。ハラハラする展開の中にも、お互いをねぎらう大切さなど、夫婦生活で心がけたいことがちりばめられた作品でした。