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「断る力」はどう育つ?【保育士解説】意見を持てる子になれる、家庭での接し方

自分の考えや意見を持つこと…そしてそれを伝える力は、自分らしく生きていくために欠かせない力。わが子は、自分の意見をしっかりと伝えることができるだろうか…。そしてイヤな時は「イヤだ」といえるような力も身に着けてほしい…。そんな風に思ったことはありませんか?では、子どもが自分の意見を持てるようになるには、家庭でどんなことをすればいいのでしょうか?この記事では、保育士ママ5人で運営している、いつママ(@itsumama__)のるなママが、自分の意見を言える力を育てるポイントをお伝えします。

自分の意見を持つことは生きる力になる

正解のないものに取り組んだり、正解だけを追い求めていくわけではないのが人生でもあります。そんな時、「自分だったらどうしていきたいか」…というのが重要になりますよね。

では、具体的に、「自分の意見」を持つためにできることとは、どんなことがあるでしょうか。意見を言うだけでなく、「NOと言える力」についても解説します。

「自分の意見には価値がある」と感じる体験を

伝える PIXTA

まず、自分の意見を言えるようになるために一番大切なことは、「話を聞いてもらえた」という体験です。

話を聞いてもらうということは、「自分の意見や考えには価値がある」ということ。子どもが話をした時に、どうせ子どもの意見だから…と聞き流してしまうと、「意見を言っても何も変わらないし、どうせ自分の話は誰にも聞いてもらえない」「意見を言ったって仕方がない」と無意識のうちに思い、自分の意見を言いづらくなってしまいます。

短時間でも「聞く時間」を作って

大人は忙しいですから、子どもの話を「全部聞く」ことを目標にするのは無理ですよね。

寝る前、お風呂の時間、ご飯を食べた後…どんな時でもOK。「この時間だけは話を聞こう」という時間をほんの少しでも作りましょう。どんなに短い時間でも、聞いてくれる時間があることは子どもの心に必ず響きます。

大人は賛成するだけでなくていい

大人も自分の意見を伝えていいのです。子どもの話を聞いていく中で、すべて「そうなんだね、いいね」というだけでなく、「お母さんだったら、こんな風に思うな」「お父さんは、こう考えているよ」と、話していくこともいいですね。

子どもとは違う意見の時、相手の意見を否定するのではなく、思ったことを伝えればOK。自分の意見を押し通そうとしたり、相手の意見を否定したりするのではなく「一人ひとり意見がある」ということに子どもが気づけることが大事ですね。

家庭だからできる「意見を聞く・伝える機会」

話す PIXTA

家庭では、人の意見を聞いたり伝えたりする機会を作ることができます。例えば以下のようなシーンでは子どもが気づきを得られるでしょう。

家族間の日常会話を聞く

お父さんとお母さんの会話やおばあちゃんとの会話。または、お母さんが先生に何かを伝えるときの言い回しや伝え方など、子どもはよく聞いています。大人がどんな風に自分の考えを伝えているのか、子どもは学んで取り入れていきます。

子どもに親の意見を伝えるときも一工夫が必要かも。例えばパパが子どもに何か伝えるとき「お母さんがこう言ってるから」と伝えるより「パパはこう思う」などと伝える方が、子どもが一人一人の意見の違いを感じるきっかけになりますよね。

選ぶ権利を子どもに与える

選ぶ PIXTA

どんな些細なことでも構いません。「どっちのおやつが食べたい?」「何色のクレヨンで描こうか」など、子どもが自分で選ぶ経験は、自分の意見を持つことにつながります。大きな決断をさせる必要はありません。また、大人が「こっちを選んだら困るな…」というような選択肢は入れないで大丈夫。小さなことを選んでいく経験が積み重なり、少しずつ、さまざまな判断ができるようになりますよ。

また、選んだものをかなえてもらうことは「自分が気持ちを伝えたことには意味があったんだ」という経験になります。なんでも叶えられる訳ではありませんが、そんな時は、「あなたの意見はそうなのね。お母さんはこう思うよ」と、意見を否定せず、受け止めてあげましょう。

「NO」は受け止めてもらえることで言いやすくなる

相手を尊重することはすてきですが、すべて我慢する必要もありません。いろいろな人とこれから関わっていく中で「イヤだな」「やめてほしい」と感じたとき、子どもが「NO」を言えるようにするには、まずは「NOと言ったら受け入れてもらえた」という経験が必要だと思います。

たとえば子どもが何かを「嫌」と言ったら「嫌じゃないでしょ」と否定せず「それがイヤだったんだね」「教えてくれてありがとう」と、イヤという気持ちを受け止めてあげて。

「『イヤ』と言うことはいけないことではない」「我慢ばかりする必要はない」「イヤと言っていい」と感じる機会が「NO」を言える力の土台になります。

ただし、親が全部言うことを聞くべきということではありません。親の意見も伝えて、結局子どもの思う通りにならないとしても「まずは受け止める」が大切です。

意見を言い合える関係性が大切

家族 5歳

大人になるとイヤでもやらなくてはいけないことが増えていきますね。そしてついわが子の「NO」も「嫌ばっかり言って…」とマイナスにとらえがちに。でも、NOと言えることは大人でも子どもでも大切な力です。「嫌と言ってもいい」という価値観は親子ともに持っていきたいものですね。

親も我慢ばかりする必要はありません。イヤなことがある時は相手を傷つけるためではなく、自分を大切にするために、「NO」と言いましょうそんな姿勢を見て、子どもは自分を大切にすることや、家族や他人との関係を学んでいくでしょう。

親子ともに「NO」を大切にするコミュニケーションを心掛けたいですね。

5人の保育士ママで子育てのイロハを発信・いつママ(@itsumama__)のインスタグラム

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