園でケガをすることはあり得る
親としては、子どもがケガをするのはつらいものですよね。とはいえ、園生活はケガがつきものです。集団生活の中で、自分のことは自分でやることを目指して保育をしているため、家庭内で親がしてくれることも、自分の力でやってみる経験をしています。
もちろん全て成功ばかりではなく、失敗も経験します。そこでできた傷もあれば、転んでしまったり、お友だちとぶつかったり…。不意にできるケガや傷は防ぎようがないことも。
また、保育士は一人ひとりしっかり見守ることに徹して保育をしていると思いますが、先生も人間です。目の行き届かないこともあります。もちろん園で起きた事故やケガは園の監督責任の範囲ですが、絶対にケガを防げるわけではないという点は、保育士の立場からするとご理解いただけるとうれしいです。
見覚えのない傷を見つけたら
もし、園から帰宅した後に見覚えのないケガや傷を見つけたら、どの程度か確認してみてください。そして、どうしたのかまず本人に聞いてみましょう。
すり傷や小さなケガであれば、子ども本人も強い痛みがなく、気にしていないことも…。ケガをしたことには気づいていても、その際に痛みを感じなかったことから、自分から先生に「ケガをしちゃった」と言わないケースもあります。
もし、出血などがあり、痛かったであろう傷があった場合、本人に状況を確認してから、園に報告しましょう。家に帰ってズボンを脱いだらひざから出血していた…など、パっと見ただけではわからないケガもあります。
園への報告は電話か直接がおすすめ
園や担任の先生に報告する際は、できれば直接会って話をするか、電話で話をするのがおすすめ。口頭でやり取りできるので、情報を適切に補足でき、誤解を招かずに話せます。
連絡帳や手紙など文字で伝えると、相手の感情や気持ちの温度感などがわかりにくい点がデメリットです。
ケガを発見した時の伝え方
では、実際、ケガを発見した時、園にどのように伝えるのがいいでしょうか。伝え方の事例を見てみましょう。
- 昨日帰宅して気が付いたのですが、〇〇に見覚えのない傷があって、もしご存じでしたら状況を聞かせてもらってもいいですか?
- 本人に聞いてみたのですが、覚えてないと言っていて…。
- お友だちとトラブルになったようで、反対にケガをさせてしまっていませんか?
- ケガしたことに気づいていたのに、先生に伝えずに帰ってきたみたいです。
- 〇〇が「痛い」と言っているのですが、〇〇が痛む姿やぶつかった様子はありましたか?
- 今日はどの辺りでどんな遊びをしていたか、覚えていたら教えていただけますか?
上記のように、ケガをしていたことに加え、状況や遊びの様子、場所などを聞いてみるといいでしょう。
先生が報告しなかったということは、気付いていなかったということですが、本人からの報告がなければ気付かないこともあります。一概に先生の見守り不足だけではありませんが、気付かないケガがあったという事実は、先生も知っておくべきことです。
報告することが「言いつけ」「イヤミ」になるととらえず、あったことをそのまま伝えても問題ありません。
ケガ以外にも、体調に変化があるときは受診・園に相談を
子どものケガは傷になるケガだけではありません。他にも、打撲やねんざ、腕の脱臼、口の中や歯などの部位もケガがよく見られます。
子どもは出血していないので「大丈夫」と思いがちですが、腕の脱臼や歯が欠けてしまった…などの事例もよくあります。少しぶつけただけであっても、病院を受診することになる時もありますので、気になることや心配な時は、担任の先生にも確認し、報告をしてくださいね。
園と適切なコミュニケーションを
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保育士の立場からすると、保護者の方からケガの報告を受けると、ドキッとしています。逆に保護者の方からすると、帰宅後にわが子のケガを見つけたら、先生が見逃したのでは…と心配になるかもしれませんね。
しかし、プロの保育士が見守る園であっても、子どもはケガをすることがあります。もちろん「ケガをさせてもいい」というわけではありませんが、自立を目指して保育をしていく中、ケガを防ぎきれないことはあるのです。
先生は保護者の方からケガの報告をいただいたら、必要な対処をし、園で共有・報告をしています。そして、今後同じことがないように対策を行います。
保護者の方には「集団生活でのケガはつきもの」と考えていただきつつ、気になる傷があった場合、ご報告いただけるとありがたいです。園と保護者が協力し合ってよい保育をしていくために、どうぞよろしくお願いいたします。