©ママリ
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恐怖心を植え付けられたモラハラ被害者
何年も、夫のモラハラに苦しめられてきた主人公。しかし、夫を見限るまでに10年も時間がかかってしまいました。それは、繰り返される暴言で恐怖心を植え付けられてしまい、夫に逆らうことができなくなっていたからでした。
しかも、モラハラ加害者はずる賢く、人前では決して本性をあらわしません。同居している義両親ですら、モラハラに気づいていません。
次第に心が壊れていった主人公は、少しずつ感覚がマヒしていきます…。
「わたしは悪くない」とは思わなかった
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「お前に原因がある」と繰り返し言われ続けていた主人公。そのため、どんなに理不尽なことで怒鳴られても、原因は自分にあると思い込み、自分自身を責めてしまっています…。とてもツラい状況です。
そして、夫のモラハラはさらにエスカレート。ついに、暴力を振るわれます。このとき、少し冷静になり自分を客観的に見つめ直した主人公。あることに気づきます。
「これはDVだ」夫の本性に気づいた
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「モラハラ」について、改めて調べた主人公。すると、今までの夫の言動はすべてモラハラに当てはまることに気づきます。同居している義母へ相談したところ、全面的に協力してくれることになりました。
今回のエピソードは、モラハラ加害者の本性がよくわかるお話でした。ずる賢い手口で徐々に相手の心を支配し、思い通りにコントロールする…。そのため、被害者は「これはDVだ」と気づくまでに時間がかかってしまいました。
さらに、繰り返し言われることで、「自分が悪い」と思い込んでしまう被害者。DVの渦中にいるときは気づきにくいと言われている原因は、そこにありました。
ですが、改めてモラハラ・DVについて調べ、自分たちを客観的に見ることができたため、自分は被害者であることに気づいた主人公。このあと、本作では同居生活から抜け出し、子どもとともに新しい生活をスタートする様子が描かれています。
大切なものを守るために、客観的に見つめ直すこと。そして、ときには思い切った行動が必要なのかもしれません。
自身の体験を発信することについて、原案者であるはぴはろさんは以下のように語っています。
「私の体験談を読んでいただき、ありがとうございます。すてきな漫画にしてくださり、大変感謝しております。自分で読みながら、時折思い出して涙が出てしまいました。
私がこの体験をつづったのは、同じような苦しみの渦中にある女性たちの『なにか行動してみよう』と思えるきっかけになれたらと思ったからです。
それまで夫との生活の現状維持に必死だった分、何もかも捨て、大切なものを守るのは大変だし、しんどかったです。
でも、行動してよかった。私はカゴから飛び立てました。
まだまだ自分のなかの葛藤がないわけではありませんが、今は仕事も家庭も恋愛も、極めて順調です。数年前の私がどう思うでしょうか。自分でもびっくりです。
こんな人もいるのだから、得たい未来を諦めてほしくないと思います。
読んでくださった皆様が、この漫画から受け取れるものがありますよう願います」
配偶者からのモラハラやDVについては、公的機関への相談もできます。下記リンク先を参考ください。
内閣府 男女共同参画局 被害者を支援する相談機関の説明と連絡先一覧
原案:はぴはろ
イラスト:西谷まみ