ウテメリンとは?
ウテメリンは、緊急に治療を必要とする切迫流産・早産で使用される薬です。リトドリン塩酸塩という成分の薬で、同様の薬にウテロンやリトドリン、塩酸リトドリンなどがあります。
妊娠16週~37週までの間に陣痛のような規則的な子宮収縮やおなかの張りがある場合や、34週以前に破水が起こった場合は切迫流産もしくは切迫早産と診断され、ウテメリンを使用することがあります。
妊娠の継続ができるよう、安静やウテメリンのような子宮収縮抑制剤によって対策をします。
- 葛飾赤十字産院「切迫流産・切迫早産とウテメリン(塩酸リトドリン)」(http://katsushika.jrc.or.jp/info/yakuzai1504/index.html,2018年4月6日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P166~167(メディックメディア,2015年)
ウメテリンの服用方法
ウテメリンにはおなかの張りや痛みを取って子宮の状態を正常化する作用があります。切迫早産であっても比較的症状が軽いと診断された場合は、服用するタイプのウテメリン錠を使います。
服用を忘れてしまっても、次の服用のタイミングまでに4時間以上時間があるときはすぐに服用するようにしましょう。
緊急度が高いときは入院し点滴による投与をすることがあります。点滴の量を調整しながら子宮の収縮状況を確認し、収縮が治まるまで点滴を続けていく方法です。
- 葛飾赤十字産院「切迫流産・切迫早産とウテメリン(塩酸リトドリン)」(http://katsushika.jrc.or.jp/info/yakuzai1504/index.html,2018年4月6日最終閲覧)
- ポーラファルマ「リトドリン点滴静注50mg「PP」」(http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00054295.pdf,2018年4月6日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P166~167(メディックメディア,2015年)
ウテメリンの副作用
ウテメリンを使用すると母体に以下のような副作用が現れることがあります。
- 動悸
- 頻脈
- 吐き気
- 手指の震え
ウテメリンの使用により副作用と思われる症状が出た場合は直ちに医師に相談しましょう。動悸などの副作用を軽減する漢方もあるため、併用する場合もあります。まれに肺に水が溜まる肺水腫や、白血球減少や無顆粒球症などの重篤な副作用が起こる可能性があります。
また、筋肉の痛み、力がぬけるなどの症状が出る横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)や、倦怠感や歯茎出血などの症状が出る汎血球減少(はんけっきゅうげんしょう)もウテメリンにおける重大な副作用である可能性があるため、連続投与する場合は注意が必要です。
胎児への影響
母体にウテメリンを投与すると胎児にも影響が出ることがあり、不整脈や心不全が起こる場合があります。また、出生後に血糖値が低い状態が続いてしまう新生児低血糖が起こる可能性があるため、ウテメリン服用時に胎児への異常が出たときは適切な処置を受ける必要があります。
- 葛飾赤十字産院「切迫流産・切迫早産とウテメリン(塩酸リトドリン)」(http://katsushika.jrc.or.jp/info/yakuzai1504/index.html,2018年4月6日最終閲覧)
- 亀田京橋クリニック「診療内容」(http://www.kameda-kyobashi.com/ja/medi_services/treatment/index_182.html,2018年4月6日最終閲覧)
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル無顆粒球症(顆粒球減少症、好中球減少症)」(https://www.pmda.go.jp/files/000143662.pdf,2018年4月6日最終閲覧)
- 日本産科婦人科学会「薬物治療の実際と問題点」(http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-161.pdf,2018年4月6日最終閲覧)
- ポーラファルマ「リトドリン点滴静注50mg「PP」」(http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00054295.pdf,2018年4月6日最終閲覧)
ウテメリンの服用にかかる費用
ウテメリンを使用した切迫早産の治療をする場合は保険が適用され、通院時の診察料と処方された分の薬代がかかります。
ただし、入院となった場合は入院するために必要な費用が発生するため、費用面で心配な場合はしっかり確認するようにしましょう。
- 日本産科婦人科学会「薬物治療の実際と問題点」(http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-161.pdf,2018年4月6日最終閲覧)
ウテメリンを使用したママの体験談
ウテメリンは切迫流産や切迫早産の進行を抑える効果があります。しかし副作用があることも考慮して使用する必要があります。妊娠中、切迫早産でウテメリンを使用していたというママの体験談をご紹介します。
副作用に悩まされた
初めて内服したとき、「こんなにもしんどいものなの?」とビックリしてしまいました。
内服されて早4ヶ月なら初期から内服されてたんですか?
長期間、しんどいですね・・・(´д`|||)
私も横になって良くなるのを待ってました。
早産体質なので今回も処方されると思います。
まだまだ先は長いですが、お互い乗り越えていきましょう。
ウテメリンの副作用に悩まされてしまったママ。長期間の服用になると心身ともにつらくなってしまいますよね。
ウテメリンでの治療は保険が適用された
ウテメリンは保険が適用される薬剤です。服用するタイプのウテメリンを使用していたママも保険適用されたそうです。しかし、入院が必要となった場合は別途入院費用がかかることがあるため、入院する際に費用について確認しておくとよさそうですね。
症状が落ち着くまではとにかく安静に!
切迫早産の診断が出てウテメリンを処方されているときは、医師の指示通りに過ごすよう心がけましょう。
切迫早産といわれると「赤ちゃんは大丈夫?」、「無事出産まで過ごせる?」など不安になってしまうかもしれません。安静度によって行動できる範囲が制限されることがあるため、どれくらいの制限が必要なのかは医師に確認するようにしましょう。