Ⓒママリ
義母からの支援に声を弾ませる夫の兄嫁
義姉・明子さんと私の初対面から時がたち、明子さん、私の順に出産して子どもをもった。
すると、明子さんとは会う頻度が上がった。
子どもは同級生で生まれが約半年違いで、貴重な子育ての相談相手だった。
お互いの家の間にある児童館に子連れで行って話したり、ランチに行ったりしていた。
最初はベビーグッズや育児ハックの話など、会えば子育て関係の平和な話題ばかり。
専業主婦の明子さんは平日もよく義実家に行き、孫の顔を見せているという。
孫の顔を見ると喜ぶ義母は、高級な出前などをごちそうしてくれるという。
明子:「大樹のベビースイミング、高いけどお義母さんにお願いしたら費用出してくれるって」
明子さんは義母にうまく甘えているようで、声を弾ませている。
明子:「沙希ちゃんも出してもらいなよ~」
沙希:「いえいえうちは…まだ幸喜には早いかなって…」
私は義両親に甘えすぎることに抵抗があった。
実家の母にも、困ったらまず実家に相談するように言われていた。
義母と夫の兄嫁、関係性に変化が
そんな明子さんだが、いつからか少しずつ話の雲行きが怪しくなる。別の日に会うと、いつもとは様子が違った。
明子:「ねえねえ、沙希ちゃん、ちょっと聞いてくれる?」
明子さんが、少し声を潜める。
沙希:「どうしたんですか?」
明子:「この前、お義母さんに『家の中、もう少し片付けたら?』って言われて…」
沙希:「え? お義母さんがそんなことを?」
私が知っている義母は、おっとりしていて大雑把なタイプ。明子さんの家に何か言うなんて想像もつかなかった。
明子:「 私もビックリしちゃった。育児してたら片付かないよね、普通」
沙希:「うーん…たしかに…」
私は曖昧に相槌を打った。明子さんの家のことはよく知らないし、なんとも言いにくい。
明子さんが義母の愚痴を言うのを、このときはじめて聞いた。
沙希:(お義母さん、そんな感じなのかな…。私が知らないだけ?)
明子さんの愚痴はこれが始まりだった。
その日を境に、明子さんは私に会うたびに、義母の愚痴をこぼすようになったのだ。
明子:「はぁー…またお義母さんに言われちゃったよ…」
沙希:「…また何かあったんですか?」
正直、聞きたくない気持ちが半分。でも、無視するわけにもいかない。
明子:「この前、大樹に新しい服買って着せてたらさ『生地が薄くてかわいそう』だって!むかつくよね、こんな言い方!」
沙希:「え、服のことですか…?」
どう反応すればいいのか分からず、引きつった表情を浮かべるしかない。
明子:「そうなの、ぐずるから動画見せてると嫌な顔するし…あと料理のことも…」
相槌を打っているだけなのに、義母への不満がどんどんあふれ出してくる。
その勢いに、私はただ圧倒されていた。
沙希:(確かに嫌だったんだろうけど、一方的な話だけじゃなんとも…)
私にとっては、穏やかで優しい義母。
でも、明子にとっては口うるさくて嫌味な義母。
2つのイメージが、私の頭の中で混乱していた。
穏やかなはずだった親族関係に、不協和音が響き出す、嫌な気配を感じていた。
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嫁と義母、付き合い方について考えさせられる作品
この作品では、主人公の沙希と兄嫁である明子の交流が描かれます。お互いに嫁という立場で義母とそれぞれ向き合っていますが、明子は義母との付き合いに不満を抱くようになります。
義母からの口出しへの不快感を強める明子ですが、一方で初孫フィーバー中の義母から多くの援助をしてもらっていました。中には明子の方からねだって援助を得ていることも。話を聞く中で明子の立場に共感しつつも、どこか虫の良さを感じる沙希。
本作で考えさせられるのは、嫁と義母という関係の中での付き合い方。まず大切なのは、双方の立場を理解すること。そして、明子と義母のすれ違いからは、お互いに期待しすぎず適度な距離感を持つことが大事だと気づかされます。
同じ「嫁」という立場である親族とのお付き合い、良好な関係でいるために、あなたはどんなことを心掛けていますか?
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています