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🔴【第1話から読む】まさかのPTA役員選出…くじ引いて「えっ…私が?」地獄の1年の始まり
運動会という大きなイベントが近づき、役員会も大忙し。はるかは、今度こそみんなと協力し合いたいと、希望を抱くのでしたが…?
運動会こそは…その考えはすぐに打ち砕かれた
夏が過ぎ、秋風が心地よくなったころ、幼稚園の一大イベントである運動会の準備が始まりました。役員にとっては、一年で最も忙しい時期の一つです。私は、夏祭りの時の苦い経験を引きずりながらも、今度こそ、みんなと協力して成功させたい、という気持ちでいました。
しかし、そんな私の淡い期待は、最初の役割分担の話し合いで、あっけなく打ち砕かれることになります。
適任と言われて押し付けられた「用具係」
運動会の係決めは、私にとっての「いじめ」の新たな始まりでした。会場設営、プログラム作成、景品準備、当日の受付、救護、そして…最も手間がかかり、責任も重いと言われる「用具係」。定例会で、運動会の各係の担当を決めるとき、Aさんが、まるで当然のように言いました。
Aさん:「用具係って、結構大変なのよね。事前に全部チェックして、足りないものは発注して、当日は出し入れの管理もしなきゃいけないし。体力もいるし、細かい作業も多いし…」
BさんとCさんも、「そうそう、あれは本当に大変」「誰かやってくれる人がいると助かるんだけど…」と口々に相槌を打ちます。その会話の流れに、私は嫌な予感を覚えていました。そして、その予感は的中します。
Aさんは冷たい笑顔で私に言いました。「はるかさん、用具係、お願いできないかしら?若いし、体力もあるでしょう?」BさんとCさんもそれに続き、断れる雰囲気ではありませんでした。他の係はすでに3人の間で分担されており、私に残されたのは用具係だけ。
声が震えるのを必死に抑え、「私でよければやります」と答えました。本当は「私一人では自信がありません」とか「他の係も手伝っていただけますか?」とか言いたかった。でも、それを口にすれば、また「やる気がない」「協調性がない」と思われそう…。そう思うと、言葉を飲み込むしかありませんでした。こうして、私は1人で膨大な量の仕事を抱えることになったのです。
たった一人で汗を流しても、感謝すらない
運動会の用具係は、想像以上に過酷な仕事でした。埃っぽい倉庫で、大量の用具をリストと照らし合わせ、破損や不足がないかを確認する日々。玉入れの玉、綱引きの綱、跳び箱…一つ一つが重く、孤独感に襲われました。
足りない用具の発注、出し入れのタイムスケジュール作成、当日のシミュレーション。里奈が寝静まった後も、夜遅くまで作業は続きました。他の役員にLINEで手伝いを頼みましたが、「手一杯」「厳しい」「担当だから頑張って」と冷たく断られました。彼女たちは、定例会では「順調?頑張ってる?」と声をかけてくるものの、どこか他人事のようでした。運動会が近づくにつれて、私の疲労はピークに達していました。それでも、子どもたちの笑顔のために、そして、何よりも「役員の責任」という言葉に縛られて、私は必死に準備を続けました。
運動会当日、私は朝から用具の管理に奔走し、体は鉛のように重くなりました。その間、Aさんたちは保護者席で楽しそうに我が子を応援しています。その光景を見た瞬間、私の心の中で何かがプツリと切れました。理不尽さへの怒りと深い悲しみが込み上げ、抑えきれませんでした。
一日中走り回り、全てが終わった時、誰からも「ありがとう」の一言もありませんでした。押し付けられた大役を、私はただ一人で、孤独に終えたのです。
🔴【続きを読む】『単なる連絡ミスじゃない…』PTA活動、意図的にハブられていると気づいた瞬間
「大人な対応」ができない人にどう立ち向かう?
この作品は、ママリユーザーの体験談から再編した作品です。はるかさんは、幼稚園で役員をやることになり、そこで人間関係のトラブルに巻き込まれます。
役員のメンバーははるかさんに対して、露骨な仲間外れや無視をしていました。はるかさんは役員会のメンバーに対して、不信感を抱くように…。大人になってからの仲間外れや無視は、関係性が複雑になります。誰に相談すればよいか、どんな対処が必要か、わからなくなってしまうことがあるかもしれません。
本作でははるかさんのさまざまな体験を通じ、いわゆる大人の対応の大切さを感じるとともに、大人の対応ができない人と、どう付き合っていくべきかを考えさせられます。「自分ならどうするか」考えつつ、はるかさんを応援したくなる体験談です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:まい子はん










