Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】増えた“非通知着信”→「待てよ?」記憶から行きついた、恐ろしい推理|恐怖!見えない敵はママ友でした
夫の転勤で東京に引っ越した主人公ゆき。最愛の夫と娘と共に新しい生活を始めゆき自身ママ友やパート先で順調に交流を築くが非通知着信が頻発するように。不気味さを感じつつ過ごしていたがふとママ友詩織との交流後に起こることに気づき疑念が芽生え新たな生活の中で葛藤していく。
振り払えない疑惑の念
佐藤詩織と知り合ったのは、愛奈の小学校の保護者会がきっかけだった。彼女は初対面にも関わらず気さくに話しかけてくれて、すぐに打ち解けたのを覚えている。それから間もなく、私は近所の美容雑貨のお店でパートの仕事を始めた。新しい環境にも少しずつ慣れてきたころ、ネットのクチコミに「レジ対応が悪い」という低評価が一つ投稿されたのだ。名指しではなかったけれど、うちの店は長らく新人を雇っていなかったから、おそらく私のことだろうと察しがついた。最初はかなり落ち込んだ。自分の仕事ぶりを否定されたような気がして、レジに立つのが怖くなった時期もあった。でも、たった一件のクチコミにいつまでも引きずられていてはいけない。そう自分に言い聞かせ、気にせず前向きに頑張ろうと気持ちを切り替えた。
しかし、前夜の非通知着信が詩織さんではないかという疑念が頭から離れず、再びあのクチコミが気になり始めた。もしかしたら、あのクチコミも彼女が関係しているのではないか。そんな嫌な予感がして、恐る恐るスマートフォンの検索履歴からスーパーのクチコミを開いてみた。
確信を得る震えた手
画面に表示された内容は、私の目を疑わせた。以前見た「レジ対応が悪い」という低評価のクチコミが、編集されていたのだ。内容はさらに具体的かつ攻撃的になっていた。「おばさんのレジ応対が悪く気分が悪い、安いから利用はするけどなんで雇用してるかわからない」と、そこには書かれていた。
「おばさん」――それは、私に向けられた言葉のように感じた。そして、投稿者のアイコンに目をやった瞬間、私の心臓は嫌な音を立てた。そのアイコンは、子どもが描いた少し拙さが目立つ微笑ましい絵だった。
以前、参観日で「私の大好きな人」というテーマで詩織さんの娘がうれしそうに発表していたのを鮮明に覚えている。子どもの絵だから似たり寄ったりと感じる人もいるかもしれないが1人の母親として、断言できる。さらに、その投稿者の他のクチコミを確認してみた。すると、他のママ友が働いているお店に対して、ことごとく高評価のクチコミを投稿しているのが目についた。まるで、私以外のママ友たちのお店だけを、意図的に褒め称えているかのように。
これでもう、確信に変わった。非通知着信も、この悪意あるクチコミも、すべて詩織さんの仕業だ。どうして、そんなことをするのだろう? 何のために? 彼女とは、つい最近まで、新しい環境でできた大切なママ友だと思っていたのに。笑顔の裏で、こんな陰湿なことをしていたなんて。私の胸に、得体の知れない恐怖と、深い失望感がこみ上げてきた。
笑顔の奥には
気味が悪い。
そう思った瞬間、私のスマートフォンが震えた。画面を見ると、LINEの通知。「佐藤詩織」という文字と、彼女のアイコンが目に飛び込んでくる。
「ゆきさん、こんにちは!来週、よかったらランチ行きませんか?新しくできたおしゃれなカフェがあるんですけど、気になってて!」
にこやかな顔文字と、ハートマークが添えられたメッセージ。一瞬、息が詰まった。こんな悪意を抱いている人が、なぜ平然と私をランチに誘うことができるのだろう? 彼女の顔が、とたんに薄気味悪い仮面のように見えてきた。メッセージを読む指先が震える。
返事をどうすればいいのか、すぐに判断できなかった。断れば、彼女は勘付くかもしれない。もし私が彼女の裏の顔を知っていると知られたら、次はどんな嫌がらせをしてくるのだろう。考えるだけで背筋が凍る。しかし、このまま彼女の誘いに乗って、何食わぬ顔でランチに行くこともできない。彼女の笑顔の裏に、私を嘲笑うような感情が隠されているのではないかと想像すると、吐き気がした。
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あとがき:疑惑の念は消えず浮かんでくるばかり
主人公ゆきが新たな環境での順調な生活に暗い影が差し込みママ友詩織への疑念が確信へと変わる日常に潜む不安と人間関係の複雑さを浮き彫りにしました。ゆきの選択と詩織の動機に注目しながら今後の展開をお楽しみいただければと思います。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










