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🔴【第1話から読む】「どうしてあんなことに」単身赴任中の夫にも言えない、息子の【万引き事件】|5歳息子が万引きをしました
しゅんの嘘に疑問を抱いた啓子は、防犯カメラの話で息子を問い詰めます。観念したしゅんは、キーホルダーを服に隠したと告白。翌日、啓子はしゅんと店に謝罪しますが、しゅんの反省のない態度に激怒し、きつく叱ってしまいます。啓子は万引きのショックと自身への後悔で苦悩します。
息子のウソが明白になってしまった
しゅんの言葉の矛盾に、私は胸が締め付けられる思いだった。嘘をついているのは明らかだ。だけど、どうして嘘をつくのだろう。問い詰めたい気持ちと、これ以上しゅんを追い詰めたくない気持ちが入り混じって、私はその場で立ち尽くしていた。
「しゅん、本当にじいじが買ってくれたの? ママ、聞いたことないよ」
私は、穏やかに、しかし、しゅんの目を見つめてそう言った。しゅんは、またしても視線を泳がせた。その様子に、私の心臓はさらにドクドクと音を立てる。
「…だって、だって、じいじが…」しゅんの声は、だんだん小さくなっていく。
「あのね、しゅん。ママ、明日ね、今日行ったお店に、念のため防犯カメラ見せてもらいに行くね」私がそう言うと、しゅんの顔色が一変した。それまで貼り付けていた作り笑いが消え失せ、表情がこわばった。
「え…? う、映ってなかったら?…ついてなかったら?」しゅんは、明らかに動揺した様子で、私に問い返してきた。その言葉が、決定的な証拠のように私の胸に突き刺さる。
息子の告白に大きなショックを受ける
「しゅん。もし、防犯カメラに、しゅんがそのキーホルダーを持ってるのが映ってたら、どうする?」私は、あえて少し厳しい口調で、しゅんに問いかけた。しゅんの顔から、みるみるうちに血の気が引いていくのが分かった。そして、次の瞬間、しゅんはポロポロと涙をこぼし始めた。
「ごめんなさい…ごめんなさい、ママ…」しゅんは、小さな声でそう言って、私の胸に顔を埋めた。その震える小さな肩を抱きしめながら、私は静かにしゅんの言葉を待った。
「あのね…ひなが、いらないって言ったから…違う商品に変えようと思って…急いで、洋服の内側に入れたの…」しゅんは、嗚咽混じりに、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ママは…買ってくれないと思ったから…」その一言が、私の心を深くえぐった。私が、しゅんにそう思わせてしまったのだろうか。私が、日頃から厳しすぎたのだろうか。頭の中を、さまざまな後悔が駆け巡った。
そして、翌日。私はしゅんを連れて、昨日訪れた100円ショップへ謝罪に行った。店員さんは、私たちの話を聞いて、幸いにも警察を呼ばずに済ませてくれた。ただ、二度とこのようなことがないよう、厳重に注意された。
息子の態度に我慢ができなかった
「本当に申し訳ありませんでした」私は何度も頭を下げた。店員さんのご厚意に、感謝しかなかった。しかし、店を出てからのしゅんの態度に、私は愕然とした。
車から店までの道中、しゅんはスキップをして歩いていた。まるで、遠足に行く子どものように、楽しそうに。店の中でも、反省の色など微塵も見せず、普通に買い物をするように商品を物色している。
店員さんが出てきてくれた時も、彼はモジモジと私の後ろに隠れ、謝罪の言葉も、ようやく聞こえるか聞こえないかの小さな声で言うのがやっとだった。その時、私の感情は抑えきれなくなった。
「しゅん! 何でそんな態度なの! ちゃんと謝りなさいって言ったでしょ! ママがどれだけ恥ずかしい思いをしてるか分かってるの!?」
私は、店の前で、しゅんをきつく叱ってしまった。周りの人の視線が突き刺さるような気がして、いたたまれなかった。しゅんは、私の剣幕に驚いたように、また涙を流し始めた。その涙を見て、私はまた自己嫌悪に陥る。
自分がきつい言い方をしたこと、そして、我が子の万引きというショック。その二つが、私の心を深く深く傷つけ、つらい一日を過ごすことになった。
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あとがき:涙の告白、そして母の葛藤
しゅんがようやく真実を語る場面が描かれ、同時に啓子の心が大きく揺さぶられる展開となりました。しゅんの行動の裏に「ママは買ってくれないと思った」という、親として胸に突き刺さるような本音が隠されていたことに、敬子はショックを受けます。
そして、その後のしゅんの態度も啓子を悩ませます。「育て方を間違えたのか」と思った時の親の絶望感は、多くの親が共感できる部分なのではないでしょうか。










