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🔴【第1話から読む】「どうしてあんなことに」単身赴任中の夫にも言えない、息子の【万引き事件】|5歳息子が万引きをしました
万引きと息子への叱責で心を痛める啓子は、保健センターの中西さんに相談します。中西さんはしゅんと面談し、万引きには触れず彼の不満を聞き出します。しゅんが「ママともっと遊びたい」「怒っているママは嫌い」と話したことに、啓子は万引きが愛情を求めるSOSだったと気づき、自らの未熟さを痛感します。
すがる思いで保健センターへ連絡
しゅんをきつく叱ってしまったあの日から、私の心は重い鉛のように沈んでいた。毎日の家事も、子どもたちとの時間も、どこか上の空だった。このままではいけない。そう思ってはいても、どうすればいいのか分からなかった。
私は、以前お世話になった保健センターの中西さんの顔を思い出した。きっと、彼女なら何か良いアドバイスをくれるかもしれない。私は意を決して、保健センターに電話をした。「もしもし、啓子です。以前、お世話になりました…」私の声を覚えていてくれた中西さんは、すぐに私の状況を察してくれたようだ。私は、しゅんの万引きのこと、そしてその後のしゅんの態度、自分がきつく叱ってしまったこと、全てを正直に話した。涙が止まらなかった。
「辛かったですね、啓子さん。よく頑張りましたね。しゅん君のこと、私たちも一緒に考えていきましょう」
中西さんの優しい声に、私の心の張り詰めていた糸が少し緩んだ気がした。後日、中西さんは、保健センターでしゅんと面談をしてくれることになった。しゅんには、ただ「お話を聞いてくれる優しい先生がいるから、一緒に行こうね」とだけ伝えた。
面談でみえた息子の本心
面談当日、私はしゅんと一緒に保健センターを訪れた。中西さんは、しゅんがリラックスできるように、万引きのことには一切触れず、しゅんの好きなことや、保育園での出来事、家での過ごし方など、さまざまなことを優しく尋ねてくれた。しゅんは最初は少し緊張していたようだが、中西さんの温かい雰囲気に包まれ、だんだんと口を開き始めた。私は別室で待機し、面談が終わるのを待った。
しばらくして、中西さんが私の元へ来てくれた。「しゅん君、たくさんお話してくれましたよ」中西さんは、穏やかな表情で私に語りかけた。「万引きのことは、あえて触れませんでした。代わりに、しゅん君の心の中にあった、いろいろな不満や寂しさの部分に耳を傾けてみました」私は、中西さんの言葉にゴクリと息をのんだ。しゅんが、何か不満を抱えていたというのだろうか。
「しゅん君ね、こう言っていました。『ママと、もっと遊びたい』って」中西さんの言葉に、私はハッと息をのんだ。もっと、遊びたい?
「それから、『お兄ちゃんなんだからってママは怒ってばっかり』って。それから、『怒っているママは嫌い』とも言っていました」
中西さんの言葉を聞いて、私の頭の中に、これまでのしゅんとの時間が駆け巡る。ひなが生まれてから、しゅんとの時間が減っていたのは事実だ。ひなの育児に追われ、しゅんに構ってあげられないことが増えていた。そして、万引きの一件以来、私はしゅんに対して、怒鳴ってばかりいた。しゅんは、私の怒った顔を見るのが嫌だったのだろう。
わが子のSOSを見逃していたなんて…
しゅんの言葉は、私の胸に深く突き刺さった。あの万引きは、ただの出来心ではなく、しゅんからのSOSだったのかもしれない。私に対して、もっと構ってほしい、もっと愛してほしいという、小さな叫びだったのかもしれない。しゅんの心の中に隠されていた寂しさや不満が、万引きという形で表れてしまったのかもしれない。
中西さんは、そんな私を優しく見守ってくれた。「しゅん君は、啓子さんの愛情を求めているんですね。そして、今の状況に、少し戸惑いや不安を感じているのかもしれません」中西さんの言葉に、私はただ頷くことしかできなかった。
私は、しゅんの心の声に、全く気づいていなかったのだ。自分のことばかりで、しゅんの気持ちを分かってあげられなかった。母親として、私はなんて未熟だったのだろう。
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あとがき:万引きした息子の隠れた本音
しゅんの行動の本当の理由が明らかになりました。
「ママともっと遊びたい」というしゅんの純粋な願いは、日々の忙しさの中で見過ごされがちな子どもの心の叫びを浮き彫りにします。中西さんの温かいサポートを通じて、啓子が息子の小さなSOSに気づきます。
この気づきが、今後の啓子の行動と親子の関係に良い影響をもたらすといいですね。










