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🔴【第1話から読む】「どうしてあんなことに」単身赴任中の夫にも言えない、息子の【万引き事件】|5歳息子が万引きをしました
中西さんの助言を受け、啓子はしゅんが寂しさを感じていたと理解します。ハグやスキンシップを増やし、愛情を伝える実践を始めた結果、しゅんは「ちゃんとくださいするね!」と自ら告げ、前向きな変化を見せます。啓子は万引きを親子関係を深める転機と捉え、未来へ歩み出します。
落ち込んでいるばかりでいけない。前を向く決意
中西さんの言葉を聞いて、私は大きなショックを受けつつも、同時に、しゅんの心を理解する手がかりを得られたことに感謝した。しゅんは、私が思っていた以上に、寂しさを感じていたのだ。そして、私の厳しさに、傷ついていたのだ。
「啓子さん、しゅん君は今、寂しいと感じているようです。まずは、ハグをしてあげたり、『大好きだよ』『大切だよ』って、たくさん伝えてあげてください」中西さんは、温かい眼差しで私に語りかけた。
「それから、おうちにいる時に膝に乗せてあげたり、手をつないだり、座ったままでいいから、今日あった楽しかったことをお互いに話してみたりして、お子さんとスキンシップやコミュニケーションをたくさん取ってみてはどうでしょうか? しゅん君は、啓子さんの温かい愛情を求めているんです」
中西さんの具体的なアドバイスに、私の心に希望の光が差した。そうだ、私にできることは、まだたくさんある。今からでも遅くはない。
「大好きだよ」当たり前のことを言葉にする大切さ
その日の夜、しゅんが寝る前に、私は彼をぎゅっと抱きしめた。「しゅん、ママね、しゅんのこと、世界で一番大切だよ」そう言うと、しゅんは私の腕の中で、少しだけ身をよじった。いつもなら「もう、ママ!」と照れて離れるのに、その日は、少しだけ私にしがみつくようにしていた。その小さな変化が、私には何よりもうれしかった。
次の日からは、中西さんのアドバイスを実践してみることにした。家でテレビを見ている時も、洗濯物をたたんでいる時も、できるだけしゅんを膝に乗せてあげるようにした。買い物に行く時も、しゅんと手をつなぎ、今日の夕食は何がいいか、しゅんの好きなキャラクターの話など、いろいろなことを話しかけるようにした。
最初は、しゅんも少し戸惑っているようだったが、徐々に慣れてきたのか、自分から「ねえ、ママ!」と話しかけてくれることが増えた。
万引きから学んだ、大事なこと
ある日のこと、スーパーで買い物をしている時のことだ。しゅんは、カートの横で私の手をしっかり握り、お店の中を歩いていた。ふと、しゅんが立ち止まり、私を見上げた。
「ママ、これ、しゅん、ちゃんとくださいするね!」しゅんが指さしたのは、お菓子売り場に並んだ、きらきらしたチョコレートだった。私は驚いて、しゅんの顔を見つめた。しゅんは、以前のようなあどけない笑顔で、私に話しかけていた。私は、心の中でじんわりと温かいものが広がるのを感じた。
「うん、そうだね。ちゃんとくださいしようね」私は、しゅんの手をぎゅっと握りしめた。
過去は、どうしたって変えられない。だけど、これからのことを考えるのがいい。中西さんが言っていた言葉が、私の心に深く響いた。しゅんの万引きという出来事は、私にとって、しゅんの心に寄り添うことの大切さを教えてくれる、大きなきっかけになったのだ。私は少しずつ、前向きな気持ちになれるようになった。
それ以来、私は我が子とのスキンシップを何よりも大事にするようにした。そして、お店に入るたびに、しゅんやひなにも、「ちゃんとくださいしないとダメなんだよ」と優しく言い聞かせるようにしている。しゅんも、ひなも、私の言葉に素直に頷いてくれる。
万引きという出来事が、私たち親子にとって、より深い絆を築くための、大切な転機になった。これからも、しゅんとひなの心の声に耳を傾け、彼らが安心して成長できるような、温かい家庭を築いていきたい。
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あとがき:望ましくない行動の裏にある、子どもの心に目を向けて
このお話では、母・啓子と息子・しゅんの間に温かい絆が再構築される様子が描かれました。保健師さんの具体的なアドバイスが、啓子の心を動かし、しゅんの寂しさに寄り添う行動へとつながりましたね。
「ちゃんとくださいするね!」というしゅんの言葉は、まさに親子の心が通じ合った瞬間であり、大きな成長の証です。「過去は変えられないけれど、未来は変えられる」という言葉は、子育ての中で親が覚えておきたい言葉の一つですね。










