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担任の先生が次々に退職する、こども園。違和感を覚えつつも、加代子さんは何もできないもどかしさを感じていました。そんな中、夏祭りの準備にも異変が…。
また一人、先生が退職
「えっ、あやか先生も辞めたの?昨日まで?」
私はママ友からのLINEを読んで、思わず声をあげてしまいました。これで何人目なの…?
私は加代子。39歳の主婦で、夫の慎一と5歳のはると、3歳のひめな、1歳のゆずかの5人家族で楽しく暮らしています。はるととひめなは、0歳から地元の「認定こども園」に通わせているのですが、入園以来、先生が10人以上も退職していました。
息子の担任は、今年に入って、もう2人もかわっています…。園全体でも、今年度は5人も退職をしているそうです。しかも、やめた先生はみんなとてもいい先生ばかり…。
中でも、長男の担任だったのりこ先生は、本当にすばらしい人でした。子どもたちも、本当にのりこ先生が大好きでした。
「これは、何かある…」そう思わずにはいられないほど、私は言いしれぬ不安を感じていました。
助けてくれた先生たち
(新卒の先生から、ベテランの先生まで…短いスパンでやめてしまうなんて)
ママ友に話してみても、「そんなもんじゃない?」「ほかの園を知らないからなんとも…」と、あまり気にしていないようです。
はるとが入園したころ、夫はとても多忙で、私も仕事と初めての育児をする中で、先生方にはたくさん助けてもらいました。時には、打ち明けた悩みに対し、親身になってくれたこともあります。
私にとって、先生たちは、一緒に子育てをしてもらった…そんな感覚があるのです。
やめた先生のうちの一人は、園をやめる時に、「悔しいです。こんなことで園をやめることになるなんて」と言っていました。
その言葉が私の心にずっとひっかかっています。退職の話を聞くたびに、その言葉が頭をよぎり、モヤモヤとする日々でした。
夏祭りの「おたより」にざわつく心
夕方、食事の準備をしていると、息子のはるとが私に言いました。
「ママ〜!こんどのなつまつり、たのしみだね〜!」
私はハッとしました。
(そうだった、来週末は夏祭り…)
毎年、こども園で行われている一大イベントです。私は、ふと、ダイニングテーブルの上に置いてあった「おたより」に目をやりました。
《夏祭りについて》
・浴衣または甚平着用
・持ち物:うちわ、手提げ袋、ハンドタオル、帽子、飲みもの、昼食
・雨天決行
・屋内開催
・会費:ひと家族2000円
(なんか、去年より持ち物が多い…?確か、去年までは園がすべて準備してくれていたはずだけど…)
今年は「保護者がご用意ください」って書いてあります。しかも、なぜか、会費は昨年比で倍になっている…。
(いきなり倍だなんて…)
私は「おたより」を見つめながら、ちょっとした違和感を覚えていました。
こういうイベントって、確かに準備が大変なのはわかります。けれど、あからさまに、保護者の負担が増えているような気がしてならないのです。
昼食もカレーの年や、焼きそばの年があり、先生方と保護者でワイワイと作って、子どもたちに振る舞っていました。先生たちが作ってくれた特別なお昼ご飯に、子どもたちはおおよろこびでした。
(今年はお弁当持参なのに、会費は上がっているなんて…)
「先生たち、大丈夫なのかな」
ふと、心の中にそんな言葉が浮かびました。最近の先生たちは、笑顔ながらもどこかピリピリしている気がします。送り迎えのときも、以前はもっとなごやかだったのに。
(何かがおかしい。何がおかしいのかはわからないけど…)
夏祭りの「おたより」を見つめながら、私はその日、なかなか寝つけませんでした。
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あとがき:先生たちがやめていく「こども園」
先生の退職の話を聞くたび、加代子さんは「なにかがおかしい」と違和感を覚えていました。
大切なわが子を預けている場所だからこそ、小さな違和感の積み重ねが、大きな不安や不信感につながることもあります。信頼していた先生がやめてしまうことは、子どもたちにとっても悲しいことですよね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










