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🔴【1話から読む】入園以来、10人も先生が退職…こども園で一体、何が起きているのか
夏祭りの「おたより」を見つめ、加代子さんは園に対して、不信感を募らせていました。さらに、夏祭りの内容も、あからさまに質が低下しています。夏祭りに対する感想について、LINEでママ友グループに疑問を投げますが…。
いよいよ、待ちに待った夏祭り!
今日はこどもたちの待ちに待った夏祭り。浴衣姿の子どもたちを連れ、こども園の門をくぐると、すでにあたりは人でいっぱいです。
ちょうちんがずらりと吊るされ、盆踊りの音楽が鳴り響いていました。
「せんせい、ゆかたみて〜」
「わあ、かわいい!よく似合ってるよ〜!」
園庭では、先生たちが笑顔で迎えてくれ、園児たちのうれしそうな声が響いています。
でも、どこかその笑顔がぎこちない感じがするのは、気のせいでしょうか…。すると、「こんにちは〜!」と声をかけてきたのは、ママ友の佳織さん。去年のバザー係で一緒だった、気の合うママです。
立ち話をしていたら、「会費2000円の内訳、ちょっと気になるよねぇ」と、佳織さんがボソッと言いました。私は、同じく、違和感を抱いていたので、掘り下げてみることに…。
現金集金の違和感
「なんか…今年から、ヨーヨーも手作りだってね」
今年のヨーヨー釣りは、絵の具を溶いた水をビニール袋にパンパンに入れたものでした。発泡スチロールの箱にぷかぷか浮かんでいるそれを見て、なんとも言えない気持ちになりました。買うより手間の方がかかりそうです…。
(はるとが入園した年は、とても華やかだったのに…)
今でも覚えています。初めて参加した、あの夏祭り…。こどもたちも、先生たちも…みんなが心から楽しそうだった。
今思えば、あの年が園全体の空気が、一番明るかったかもしれません。園には、わたあめ屋さんの車が来ていて、先生たちと保護者で焼きそばを焼いて…汗だくになりながら、お祭りを楽しんでいた子どもたちの笑顔が、今でも忘れられません。
「こどもを持ってからのお祭りって、こんなに楽しかったんだ」
私は本気で感動したのです。あれから数年…少しずつ、規模は小さくなっていきました。それでも、「こどもが楽しければ」と、誰も文句を言わずにいたのです。でも、今年はさすがにおかしいんじゃ……?そう思わずにはいられませんでした。
園庭の中央では、先生たちが和太鼓を打ち鳴らしていました。そのリズムに合わせ、子どもたちの笑い声が広がっています。
毎年見慣れた、この町の歴史ある太鼓…。ご近所の保存会からお借りしている、隣組の太鼓です。
今年も変わらず、あの味のある音が園庭に響いていました。
(毎年、同じ太鼓を使っているのに…。今年の会費が高い理由ってなんなんだろう)
私はマイボトルの麦茶を飲みながら、太鼓の演奏を見つめていました。
「今年から受付で現金払いになってるでしょ?ちょっと面倒だったよね…。うちの夫、税金にくわしいんだけどさ、現金集金って使い道が追いづらいから、管理側が選ぶ場合もあるんだってね」
佳織さんの言葉を聞いて、私はドキッとしました。楽しいはずの夏祭り…。先生たちの笑顔の裏に、何かそこ知れぬものがあるように感じてなりませんでした。
ママ友グループの沈黙
その夜、子どもたちを寝かしつけてから、お祭りの写真を整理していました。ビニールの手作りヨーヨーは、明かに違和感があります…。
(やっぱり、今日の夏祭り…おかしかったよね)
ふと、LINEを開いて、ママ友グループに投稿してみました。
「ねえ、今日のヨーヨーのこと、どう思う?」
グループLINEはしばらく静まりかえったまま…。誰も返信をしないその空気に、私は少しこわくなりました。
(私だけじゃない…きっと、みんな気づいてる。会費の値上げの裏に何かあるって。でも、知らないふりをしてるだけなんだ。それとも、余計なことを言えば、先生たちに迷惑がかかる…そう感じているのかもしれない)
それに、何か発言をすることで、子どもたちに影響があったら…それを考えたら、誰も何も言えないんじゃないか…。そう思いながら、私は眠りにつきました。
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あとがき:夏祭りの裏側で…
夏祭りのにぎやかさの中で、見え隠れする違和感…。保護者たちの心に、徐々に波紋を広げていきます。
園に対する違和感を抱いていたのは、どうやら加代子さんだけではないようですね。ですが、ママ友たちは多くを語らないようです。さらに、加代子さんの問いに沈黙します。園で起きているであろう不穏な気配に、首をつっこまないようにしている様子がうかがえますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










