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主人公の里香は夫と2人の息子、ユウ、リョウと穏やかな日常を送っていた。長男・ユウは活発で素直な自慢の息子です。しかしある朝、次男・リョウの何気ない一言である事件が発覚します。
幸せな日常
「ママ、今日の給食、カレーライスだって!」
ユウは満面の笑みで私に報告した。朝の忙しない時間にも関わらず、彼の声はいつも通り弾んでいる。私は彼のお茶碗にご飯をよそいながら、「え、ユウくんカレー好きだもんね。よかったね」と相槌を打った。リョウはまだ眠いのか、テーブルに突っ伏して小さな唸り声をあげている。
夫の和樹はすでに食卓についていて、新聞を広げている。ごく普通の、どこにでもある朝の光景。私、里香にとって、この平凡な日常こそが、何よりもかけがえのないものだった。
私は30歳。夫の和樹は31歳。結婚して9年目になる。出会いは大学のサークル。卒業してすぐに結婚して、ユウが生まれてからは共働きで、慌ただしくも充実した日々を過ごしてきた。
ユウは今年で8歳、小学校2年生になったばかりの長男だ。明るくて、友達が多くて、運動も得意。学校の先生からも「とても素直で、周りの子への気配りができるお子さんですね」と褒められることが多かった。親バカかもしれないけれど、本当に良い子に育ってくれたと、胸を張って言える息子だった。
リョウは4歳。まだ幼稚園の年少さんだ。ユウとは対照的に、少し甘えん坊で人見知りなところがある。でも、ユウのことは本当に大好きで、いつも兄の後ろをちょこちょこついて回っている。2人のやり取りを見ていると、自然と笑顔になる。
何気ない朝のはずだった
「ユウ、早く食べないと学校に遅れるよ」と和樹が新聞から顔を上げて言った。
「わかってるよ!」
ユウは口いっぱいにご飯を頬張りながら、小さな体で一生懸命返事をする。その無邪気な姿を見ていると、朝の慌ただしい時間も幸せに感じる。
「マサトくんみたいに食べるの早かったらな~」
マサトくんはユウより2つ年上で、私の幼馴染である葵の息子だ。葵とは本当に昔からの付き合いで、私が結婚する前から、恋愛の悩みも仕事の愚痴も、何でも聞いてくれた。最近は子育ての相談もしている。葵は私にとって、親友であり、姉のような存在でもあった。
マサトくんはユウと同じ小学校に通っていて、放課後もよくマサトくんの家に遊びに行かせてもらっている。昨日も、ユウとリョウが2人そろってお世話になった。お友だちとワイワイゲームをしたり、おやつを食べたりさせてくれている。
葵も「2人ともいつでもどうぞ」と言ってくれていて、本当に感謝しかない。
突然発覚した事件
「ユウ、忘れ物ない? ちゃんとプリント入れた?」
私が声をかけると、ユウは慌てて自分のランドセルを覗き込んだ。
「大丈夫! 全部入ってるよ!」
その時だった。
「あれ?お兄ちゃん、友達のカード、ぬすんでる!」
リョウの、いつもより少し甲高い声が響いた。
私はハッと振り返る。リョウが指差す先には、ユウの机の上に置かれた、見慣れないモンスターカードがあった。
盗んだ?まさか。そんなはずは、ない。
私の心臓が、ドクンと嫌な音を立てた。朝の光が差し込むリビングが、一瞬にして凍りついたように感じられた。
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あとがき:予兆の朝
里香が大切にしている家族の温かい日常と、長男ユウへの深い愛情が描かれます。そんな平和な朝に、次男リョウの純粋な一言と、ユウの机の上の見慣れないカードが、物語の予兆として提示されます。このささやかな異変が、これから里香の心を大きく揺さぶるできごとが起きるのでした…。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










