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「みんなかわいいから私も…」小3娘の“止まらない物欲”…親が向き合えなかった、欲求の正体

小学3年生の娘・美羽は、メイクに夢中。日ごろからメイク動画を見ては、新しい化粧品を買う…ということが、続いていました。しかし、美羽に与えているお小遣い以上に、増える一方の化粧品…。さらに、タンス預金から2万円が消えたことに気づきます。ですが、娘を問いただすことができず、母のモヤモヤだけが増すばかり…。『娘がお金を盗んだ話』をダイジェスト版でごらんください。

©ママリ

【全話まとめて読む】娘がお金を盗んだ話

最近になって数千円減ったのを確認した。
「気のせいかもしれない」と自分に言い聞かそうとする度に、あの朝の光景が頭をよぎった。追求こそできていない私も、これまでの証拠集めから娘への疑いが濃厚であることを認めざるを得なかった。

そんな私の心配をよそに、娘はどこ吹く風といった様子で、お金が手元にあるはずなのに、ことあるごとに化粧品や服をねだってきた。
 
「ねえ、お母さん。そろそろ夏服ほしいんだけど」
「この前のリップ、限定色でもうすぐ売り切れるんだって」
 
当初問題視していたお金の問題も、今となっては娘の過剰なほどの物欲や消費欲求の方が目につくようになっていた。

大量の化粧品、服、お菓子……。一体、どこまで欲しがれば気が済むんだろう。
今の娘は「買ったもので豊かになること」よりも、「買うこと」そのものに目的を見出しているようで、手当たり次第に興味のあるものを買い漁っては、すぐ別のものを買い求めることを繰り返していた。
 
暴走していく娘の危うさに危機感を抱く中で、この過剰なほどの消費行動にはどこか、娘の恐れや焦燥感を感じていた。まるで、必死に何かに縋り付いているような、そんな息切れた背景が透けて見えるような気がした。

娘の変化に気づいているのに、どうすればいいのかわからない。――それが、母親としてたまらなく情けなかった。 ※1

娘の危うさを感じつつも、途方に暮れる日々

ある日、タンス預金から2万円が消えたことに気づきます。まさかと思いつつも、渡しているお小遣い以上に、増え続ける化粧品に、母は疑わずにはいられません。

意を決して娘・美羽の財布をチェックしたところ、渡した覚えのない大金と、4000円ほどのレシートが…。母の疑惑が確信へと変わった瞬間でした。

ですが美羽は、心に問題を抱えている様子。母として、娘の危うさに気づきながらも、解決策が思いつきません。そこで、夫に相談。家族そろって、話し合いの場を設けることにします。

ついに娘に真相をたしかめる

翌晩。夕飯や入浴を終えて、自室に戻ろうとする娘を夫が呼び止める。娘は渋々といった様子でテーブルに着く。
重苦しい空気と沈黙。それを和らげるように、夫が柔らかい口調で話し始める。タンス貯金がなくなっていたこと、私たちが使った心当たりはなかったこと、そして記録にも残っていないこと━━。そこで一旦、娘に心当たりがないか、夫が尋ねる。

「……知らないよ。何?私のこと疑ってるの?」

苛立ちを含んだ娘の声。あえて返答しない夫。そこからは私が、最近調べていたお金の流れ、そして確認した娘の財布の中について話す。娘は顔を紅潮させ、涙を滲ませた目でこちらを睨んだけど、反論はせずに小さな体を震わせていた。

根拠となる情報を全て出し切る。娘は口をつぐんだまま。でも、それでいい。私たちがしたいのは追求じゃなくて、この先だから━━。 ※2

どうやら、タンス預金からお金を抜き取ったのは、美和で間違いなさそうです。ですが、両親は美羽を責めたいわけではありません。

ようやく娘の心と向き合えた日

私は、娘に語りかけるように話す。

「美羽……お母さんたちは、犯人探しをしたいわけじゃないの。もし美羽がお金をとっていたら、なんでそうしちゃったか、理由を知りたいの」
「責めたいわけじゃないの。もし……もし、困っていることがあるなら……教えて欲しいの……」

語りかけるうちに視界が滲み、自然と頬を伝うものがあった。娘はそんな私を見て、呆気に取られていた。でも、次第に娘の顔の赤みが引くと、滲んでいた涙がボロボロ溢れ始め、その涙が白い頬を濡らしていった。嗚咽しながらも、娘は口を開き始める。

「みんな……遊びに行ったら、メイクしてたから……私もしないと、置いてかれると思って……」
「みんな可愛いから……私も可愛くなりたくて……」

娘の本音を聞けた瞬間だった。あの日の夜、怒りに任せてぶつけられた言葉には、娘のSOSが混じっていた。大人と子ども、いつしか勝手に線引きをしていたけど、この子も毎日、葛藤しながら生きているんだ━━。
この夜、私は娘の本音を通じて改めて、そのことに気づかされた。

その夜以降、私たち家族の距離は少しずつ近づいていった。見えない境界線が、ようやく取り払われたような気がした。

私たちは娘と一緒に“お金の使い方”についても話し合った。これからは、お小遣いは欲しいものの理由を伝えてもらい、その都度一緒に考えていくことにした。金額だけじゃなく、「どうしてそれが必要か」「何を大切にしたいか」を話せるようになっていければいいと思った。

また、“仲間外れ”や“流行についていけない不安”についても真剣に考えた。
「流されすぎなくていい」「でも、好きなことや憧れは大事にしていいよ」と伝えた。娘の目に見える世界は、私たちよりずっと狭い。だからこそ、信じて見守ること、自分の軸を持てるように支えることが大切だと気づかされた。 ※3

ようやく、家族で娘の心の中の問題と向き合うことができました。子どもは狭い世界で生きているもの。そのため、友だちとの世界が「すべて」となってしまい、本人も気づかないうちに振り回され、疲弊してしまうことも。

今回は、お金がきっかけで、娘の不安に気づくことができました。問題が起きたとき、まずは子どもの話に真剣に耳を傾けることが大切ですね。そのうえで、今後についてを話し合うことができればいいですね。子どもの葛藤と成長を感じる作品です。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。

【全話まとめて読む】
娘がお金を盗んだ話
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引用元一覧

  • ※1 ママリ「「仲間外れにされたらどうするの!?」娘の叫びに母が気づいたこと|娘がお金を盗んだ話」(https://mamari.jp/71786,2025年9月5日最終閲覧)
  • ※2 ママリ「親のタンス貯金に手を出した娘…涙の後に始まった“親子の歩き方”|娘がお金を盗んだ話」(https://mamari.jp/71787,2025年9月5日最終閲覧)
  • ※3 ママリ「親のタンス貯金に手を出した娘…涙の後に始まった“親子の歩き方”|娘がお金を盗んだ話」(https://mamari.jp/71787,2025年9月5日最終閲覧)

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