Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています
夫が他の女とゲーム内結婚をしていた…その事実に打ちのめされるユウコの元へ、義母がやってきます。ユウコは思い切って義母にそのことを相談していますが、物事は思わぬ展開へ。
モヤモヤした日々の中、義母の訪問
あれから数日、私はトモヒロといつも通りの日々を送っているつもりでいました。朝、彼を送り出し、夜は彼の帰りを待つ。食事の準備や、彼のシャツにアイロンをかける。以前と何も変わらない日常を演じているはずなのに、胸の奥には常に冷たい氷のかたまりがあるようでした。トモヒロの優しい言葉も、私のお腹を撫でる手も、すべてが嘘ではないかと疑ってしまい、彼の顔をまっすぐ見ることができません。
彼はいつも通り、仕事から帰るとすぐに夕食を済ませ『ユートピア・ガーデン』の世界に入り込みます。楽しそうに微笑み、画面をタップする指先。その様子を見るたびに、私の心はざわめきました。画面の向こうには、彼と擬似結婚をした「A」がいるのです…。
私が健診のために仕事を休んだある日、義母が遊びに来てくれることになりました。義母は私のことを実の娘のようにかわいがってくれる、優しい人です。初孫の誕生を心から楽しみにしているようで、いつも電話で体調を気遣ってくれます。
「ユウコちゃん、元気だった?」
明るい声でそう言って、玄関に入ってきた義母は、私を見るなり少し顔を曇らせました。
「ユウコちゃん、なんだか顔色が悪くない?ちゃんと食べてる?」
「大丈夫です。少し、つわりが残ってるだけなので」
「あらあら、無理しちゃだめよ。お腹の赤ちゃんのためにも、ユウコちゃんのためにも」
そう言って、義母は持ってきたベビー用品のカタログを広げました。色とりどりのベビー服や、可愛らしいおもちゃ、ベビーカーなどが載っています。
「ねえ、これなんてどうかしら。男の子でも女の子でも、どっちでも似合いそうでしょ」
義母は楽しそうにカタログを指差します。その笑顔を見ていると、私の胸に刺さった氷のかたまりが、少しだけ溶けていくような気がしました。でも、それと同時に、トモヒロのしていることが、この人の優しさを裏切っているような気がして、胸が苦しくなりました。
義母に相談してみると…
ふと、義母が私をじっと見つめました。
「ねえ、ユウコちゃん。本当に大丈夫?トモヒロ、何かしてない?」
義母の鋭い視線に、私は思わず息をのみました。
「え、どうしてですか?」
「だって、ユウコちゃん、ちょっと悩み事がある顔をしているから」
義母は、私の夫の母親でありながら、私の気持ちをこんなにも察してくれている。その優しさに、私は涙腺が緩むのを感じました。
「……トモくん、最近ゲームばっかりで」
「ゲーム?まあ、男の人ってそういうものよね。ストレス発散してるんじゃない?」
「でも、そのゲームの中で……」
私は、おそるおそる自分のスマートフォンを取り出し、例のチャット画面の写真を見せました。
「これ……なんです」
義母は、画面に映る写真を見て、一瞬言葉を失いました。そして、何度も何度も目をこすり、信じられないといった表情で私を見ました。
「これは……いったい……」
「トモくんが、ゲームの中で知らない女性と、擬似結婚を……」
私の言葉に、義母の顔から笑顔が消えました。そして、怒りに満ちた表情に変わっていきました。
「なんてこと…ユウコちゃんがこんなに大変な時に、あの子なにをしているのかしら!」
義母は、怒りで震える声でそう言いました。
「トモヒロはユウコちゃんと赤ちゃんのために頑張っていると思っていたのに…まさかこんなことをしているなんて…」
「トモくん、私が妊娠してるから、他の人と遊びたくなったのかなって……」
私の言葉に、義母は強く首を横に振りました。
「ユウコちゃん、ごめんなさい。うちの息子が弱いばっかりに…。トモヒロは気が小さいから、親になるのが不安でゲームの世界に逃げ込んだだけよ、きっと」
義母の言葉は、私の心を少しだけ軽くしてくれました。
「それに、ユウコちゃん、こんなことでトモヒロに負けちゃだめ。私がどうにかして、トモヒロを懲らしめるわ」
そう言って、義母の顔に、いたずらっぽい笑みが浮かびました。
義母の意外な一面
「え、お義母さん、こらしめるって…?」
「トモヒロがやってるこのゲーム、私も登録してみたことがあるのよ」
驚いて、私は義母を見つめました。
「ちょっと貸してみて」
義母は許可を得てから私のスマートフォンを手に取り『ユートピア・ガーデン』をダウンロードしています。
「え、お義母さん…何するんですか?」
「トモヒロと、その「A」って子の関係に水を差してやるのよ」
義母は、楽しそうですが、その表情からは底知れない感情を感じました。私は、ふだんは明るく穏やかな義母の大胆な発想に、驚きを隠せませんでした。
サッとアプリを開くと、自身のアバターをサクサクと作る義母。この手のゲームで遊んだことがあるなんて全く想像できず、私は驚くばかりでした。
「それにしても、トモヒロも馬鹿ね。まさか、お母さんがこのゲームをしているなんて、夢にも思わないでしょ。ユウコちゃんは、心配しなくていいからね」
義母の言葉に、私は少しだけ、この状況が滑稽に思えてきました。私の夫の浮気相手と、私の義母が、ゲームの中で対峙する。まるで、ドラマのような展開です。
義母の強い言葉は、私に勇気を与えてくれました。私は一人ではない。この優しい義母が、私の味方になってくれている。私は、義母の言葉にうなずき、彼女の指示に従うことにしました。
こうして、私の妊娠初期の不安と、夫の裏切りに対する怒りは、義母との奇妙な共闘へと変わっていくことになったのです。
🔴【続きを読む】“茶髪アイドル系アバター”正体は義母!夫とゲーム内妻の会話に潜入する|夫がゲーム内結婚していた話
あとがき:まさかの展開
義母が味方になったことはもちろん、まさかの提案に驚きの1話でした。妻と義母で協力し合うことによって、ゲームの世界にのめり込む夫を現実に引き戻せるといいのですが…。
ゲームは息抜きにとてもよいツールですが、ハマりすぎてリアルな世界をないがしろにするようでは困りますよね。夫には、何事もほどほどに楽しんでほしいものです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










