とあるSNSに、娘との幸せな写真をたくさんアップしているユミ。SNSには義姉から気になる返信がありましたが、当初はあまり気にしていませんでした。
娘の写真を撮る、という日課
「マミ、可愛いよー!こっち向いてー!」
私のその声には、隠しきれない高揚感が滲み出ていました。見るからに親バカだと思います。愛娘・マミが鏡の前でくるくる回るたびに、淡いピンク色のワンピースのフリルとレースがふわりと舞い、まるで小さな花が咲いたようでした。マミはまだ3歳になったばかりでした。小さな体には、この春らしい色がよく似合っていました。
たくさん撮影するうちに、カメラロールには、あっという間に何十枚もの写真が保存されました。どれもこれも愛おしくて、どの写真をSNSに投稿すればいいか、選ぶのが大変です。しかし、それがまた楽しい時間でした。
「うん、可愛い。やっぱりマミにはこういう色が似合うわね」
私は撮りためた写真の中から、特に気に入った何枚かを選び、いつものようにSNSに投稿しました。その写真には「新しいお洋服、気に入ってくれたみたい」と短いコメントを添えました。
投稿してわずか数分後、コメント欄には「いいね!」のハートマークや、
「マミちゃん可愛い~!」
「どこで購入したお洋服?」
といった、温かいメッセージがすぐに寄せられました。フォロワーは、地元の公園で仲良くなったママ友や、ご結婚されて少し疎遠になってしまった学生時代のご友人、そして夫・タロウの親戚など、身近な人ばかり。鍵アカウントなので子どもの顔も心配せずあげられると思っていました。
SNSは私にとってのささやかな楽しみであり、娘の成長を記録する一種の備忘録でもあり。SNSは、私と大切な方々をゆるやかに繋ぐ、心地よいツールでした。
夫の提案と、気になる返信
タロウは会社の同期と野球チームに入っていて、週末はよく練習や試合に出かけていました。タロウもまた「楽しそうで良いね」と、私のSNS投稿を快く見守ってくれていました。
夕食時、タロウはマミの習い事について提案してきました。
「ユミ、そろそろマミも大きくなってきたし、習い事をしたらどうかな?」
「え、もう?まだ3歳だよ」
「そう言っても。うちの会社の同僚もみんな、このくらいの歳から色々とやらせてるらしいよ。早い方がいいんだって」
確かに早めに習い事をスタートさせた方が、マミの楽しみが増えるかもしれません。私はSNSで気になる習い事をレクチャーしようとスマホに手を伸ばしました。すると、さきほど投稿した写真に義姉・カオリさんから返信がきていました。
「いいね」
その一言だけ、絵文字も記号もなしに。いつもならもっと長文で返信してくれるのですが、忙しかったのでしょうか。ちょっとした違和感を覚えつつも、私は習い事関係のリサーチに意識を向け、あまり深く考えることはありませんでした。
もしかするとこのときから、カオリさんの心境には何か変化があったのかもしれません。
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あとがき:一見ただ幸せな家庭?
幸せな生活がひしひしと伝わってくる、ユミの家庭。SNSにも幸せな日常を投稿するのが日課になっていたようです。
義姉・カオリさんからの返信が気になりつつも、深くは気に留めなかったユミ。カオリさんの心境が気になりつつも、短い文章だけで本音を知るのは難しいものですよね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










