🔴【第1話から読む】絵文字や記号がない「いいね」の意味は?SNSの返信が心にひっかかった日|義姉になりすましされた話
SNSに娘との幸せな写真をアップする暮らしをしていた主人公・ユミ。しかしある日、夫・タロウがあるアカウントを見つけて事態は急変します。
夫が見つけたアカウントとは?
そのようなある日のことでした。いつものように夕食の準備をしていると、タロウが少し戸惑った顔でリビングに入ってきました。
「ユミ、このアカウントってユミのじゃないよね?」
タロウは、ゆっくりとスマートフォンを差し出しました。画面には、見慣れないアカウントが表示されていました。見覚えのない、誰かのSNSアカウントでした。アイコンには可愛らしいイラストが使われていました。
「え、私じゃないけど?」
私は首を傾げました。そのSNSは学生時代に少しだけ使ったことがある程度で、もう何年もログインしていません。そもそも、新しいアカウントなど作っていませんでした。タロウはどの返事を聞くと無言で画面をスクロールしました。そして、その画面を見て、私はゾッとしましら。
「これ……マミじゃん…」
そこには、私がSNSに投稿したマミの写真や動画でした。マミが新しいワンピースを着て嬉しそうに回っているところや公園で遊んでいるところです。写真はどれも顔の部分にスタンプが押され加工されていました。でも、わが娘なのですから私には一目でわかります。
投稿にはあたかも幸せに暮らす母のような文章がつづられています。
「今日は娘と公園へ。新しいお洋服、とっても似合っていて可愛いの」
「娘がリトミックを始めました。初めは緊張してたけど、楽しそうです」
まるで、私の生活が、見えない誰かの手によって横取りされ、別の場所で消費されているよう。私は言いようのない不快感がこみ上げてきました。
「なにこれ、気持ち悪い……」
私は震える声でつぶやきました。タロウも、顔をしかめていました。アカウントは最近作られたもので、投稿しはじめてすぐにマミの画像を使い始めています。一体誰がなんのために?私は言いようのない不安を感じました。
義姉からのメッセージ
「一体だれがこんなことするんだろう」
タロウはそう言って、そのアカウントをブロックしようと指を動かしました。しかし、私はそれを制しました。
「待って、ブロックしたらもう今後監視できないじゃん」
「私のアカウントは鍵アカウントだから、フォロワーの誰かがやってるんだと思う」
信頼しているはずのフォロワーの中に、私のアカウントを悪用している人がいることは明らかです。私は悩んだ挙句、自分のアカウントをいったん削除して動向を見ることにしました。
アカウントを削除してから数日後、義姉・カオリさんからでした。
「ユミちゃん、SNSやめちゃったの?投稿を楽しみにしてたのに~」
カオリさんは、タロウの唯一のお姉さんです。タロウは末っ子で、歳の離れたお姉さんをとても慕っていました。カオリさんは独身で、私と同じ30代。キャリアウーマンでいつも優しく、気遣ってくれる人でした」
「心配かけてすみません。乗っ取りじゃないんですが写真の盗用があって怖くて」
そう返信すると、すぐにカオリさんから「本当?ひどいことする人もいるのね」と返事がきました。
私の元アカウントを消してしまえば、写真を盗用した人が今後投稿することはできないはず。そうすれば、この問題は終わるのだと考えていました。
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あとがき:なりすましの不穏
SNSで自身のなりすましをされたら気分が悪いですよね。知り合いだけに公開していたアカウントから写真を盗用できるのはおそらく知人だけ。疑心暗鬼になってしまいそうな状況ですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










