🔴【第1話から読む】絵文字や記号がない「いいね」の意味は?SNSの返信が心にひっかかった日|義姉になりすましされた話
娘の写真を盗用する、怪しいSNSアカウントを発見した主人公・ユミ。夫・タロウと協力して犯人を突き止めるため行動を開始します。
犯人の探し方
私のアカウントを削除して安心しきっていたのですが、その後もマミの写真を使った投稿は続いていました。
「お家でパンケーキを作りました。ちょっと焦げちゃったけど、娘は喜んでくれたみたい」
そのツイートに添付されていたのは、過去に私が写真系SNSに投稿した写真でした。マミが小さな手でホットケーキの生地を混ぜている写真。そこにはお顔の部分にスタンプが押され、いかにも他人のアカウントのように見せかけていました。
かなり前の投稿写真を今も手元に持っているなんて、陰湿でとても怖いと思いました。私がアカウントを消すことは予測できなかったはずなのに、アカウントを消す前に画像をダウンロードしていたということでしょうか。だとしたらとても執拗な印象を受けます。
幸いフォロワーはまだ少ないのですが、他のアカウントにコメントしている様子もあり、あたかも自分がマミの親かのように子育て相談までしています。これは一体だれなのか怖くなりました。
ただ、コメントやキャプションの文章をよく見ると、文章の端々や、ハッシュタグの付け方、絵文字の使い方に、どこか見覚えがあるような気がしました。
頻繁に使われている顔文字や、語尾の小さな「…」の使い方。それはなんと、義姉・カオリさんの癖によく似ていました。私は息をひそめて、タロウの隣に座りました。
「ねぇ、タロウ。違ったら本当にごめんね、気になることがあって」
私はタロウに、そのアカウントの文章をいくつか見せました。
「この文章の感じとか、絵文字の使い方が、カオリさんがLINEで使うのとそっくりなの」
タロウは半信半疑で「え、でも姉さんがそんなことする意味がなくない?」と言います。確かにそうです。でも私は不思議と確信がありました。
犯人は義姉
私はSNSが好きなので、SNSでの連絡先同期について少し知識がありました。そこで、タロウにお願いして怪しいアカウントが登録されたSNSにユーザー登録をしてもらい、自身の連絡先とアカウントの連絡先を同期してもらいました。
すると驚くべきことに、なりすましアカウントが「知り合いかもしれないユーザー」として表示されたのです。そして私もそのSNSに登録してみると、私のアカウントにも「知り合いかもしれない」として、なりすましアカウントが表示されました。
「うそ……」
タロウと私、両方と共通の知り合いは、タロウのお姉さん・カオリさんだけでした。
「やっぱり、カオリさんだったんだよ……」
なぜカオリさんがこんなことをするのか、私にはまったく見当がつきません。しかし、やってはいけないことであるのは確かで、一刻も早くやめてほしいと思いました。
「タロウ、そのアカウントからメッセージを送ってくれない?」
「え?俺が?」
「うん、できれば自分でバレているかもと気付いてほしいし…」
私とタロウは相談して、たった一言以下のように文章を送りました。
「あなたが誰かわかっています。一刻も早くこんなことはやめてください」
私なら、こっそり作ったSNSでこんなメッセージをもらったら、関係者からだと直感してすぐにやめると思います。でも、カオリさんとみられるアカウントからは何の返信もなく、マミをわが子のように扱うポストはまだ続けられたのです―――。
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あとがき:親切だった義姉がなぜ?
身近な理解者だと思っていた義姉が犯人だったとは…主人公の夫婦からすれば裏切られた気分になりますよね。
しかもやめる気配もないとなると、義姉の真意が気になります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










