🔴【1話から読む】自宅に呼んだ「マッサージ」。その正体は?11歳年上夫の秘密
正行と「再構築」の道を選んだ、佳奈子。しかし、今回のできごとを通し、正行の弱さや不誠実な本性を知ってしまったことで、佳奈子は「また、同じ過ちを繰り返す」可能性を危惧します…。
義父からの謝罪
翌日、私は義父の誠司さんに電話をかけた。
「お義父さん、少し、お話したいことがあるんです…」
私の声が沈んでいるのを感じ取ったのか、誠司さんはすぐに「どうした?何かあったか?」と心配してくれた。
私は正直に、正行がデリヘルを自宅に呼んでいたこと、そして、今悩んでいることを話した。
「正行が…なんてことだ…」
電話口で、誠司さんの声が震えているのがわかった。義父は、私と同じように深く傷ついたようだった。
「佳奈子さん、本当につらい思いをさせてすまない…」
義父は、息子の過ちを自分のことのように感じ、声を震わせながら涙を流しているようだった。その温かい心に、私もまた涙が止まらなかった。
週末、正行と誠司さん…そして、私の3人で話し合いを行うことになった。
「再構築」の条件
リビングには重い空気が流れていた。正行は誠司さんの前で、再び号泣しながら、自分がしたことの愚かさを謝罪した。
「お父さん…俺は…佳奈子とマオを、裏切ってしまいました…」
「正行!お前…なんて馬鹿なことをしたんだ!佳奈子さんがどれだけお前のことを思ってくれているか…わからなかったのか!マオだって、もし、大きくなってそんな父親の姿を知ったら、どう思うか…」
誠司さんは、私の気持ちを代弁してくれ、正行にきびしい態度を見せてくれた…。その姿に、私は胸を打たれた。義父もまた、この家族を大切に思ってくれているのだと、改めて実感した。
話し合いの末、私は正行に条件を提示した。
「もし、次に同じことをしたら、絶対に許さない。その時は離婚します。そして、きちんと慰謝料を支払ってもらいます」
正行は、深くうなずき、その場で誓約書を書くことに同意した。そこに、義父も証人として署名をしてくれた。
「正行、もう二度と佳奈子さんやマオを悲しませるな。もし、また同じことをしたら、私が許さないからな」
誠司さんの言葉に、正行はただただ頭を下げるばかりだった。
こうして、私たちは「再構築」の道を選んだ。
本当の自立
ただ、自宅にいると、どうしてもあの時のことがフラッシュバックしてしまう…。リビングのソファー、寝室のベッド…そして、お風呂場。どれもが、私を苦しめる。
「再構築するなら、気にしないのが一番…」
そう頭ではわかっていても、正行とハグをしたり、キスをしたりするたびに、別の女性の存在が頭をよぎる。
正行は口がうまい人だ。今は反省しているように見えても、また同じことを繰り返すのではないかという疑念もぬぐえない。
私はこのまま、正行に依存するわけにはいかない。いつかまた、裏切られるかもしれない。マオと2人だけでも生きていけるように、強くならなければならない…。
私は、以前勤めていた会社に連絡を取り、復職の手配を進めることにした。マオを保育園にあずけ、私もまた社会に出て、自分の足で立ち、生きていけるように。
「ママ、おしごと、がんばる?」
マオの問いに、私は「うん、頑張るよ」と笑顔で答えた。
正行との再構築を選んだけれど、正行に依存するのではなく、自分の力で娘を守り、生きていく。この経験を通して、私は本当の意味で「自立」するという覚悟を心に決めたのだった。
🔴【1話から読む】自宅に呼んだ「マッサージ」。その正体は?11歳年上夫の秘密
あとがき:依存という関係を断ち切り
今まで、自分が正行に依存していたことに気づき、佳奈子にとっての「自立」を目指す覚悟を決めるのでした。
夫婦やパートナーは対等な関係にあるのが理想ですが、実際にはパワーバランスが偏っていたり、無意識に上下関係のような状態になっていたりすることがありますよね。
どちらかが、どちらかに遠慮して、言いたいことを言えなかったり、がまんを続けたりする関係は、長くは続かないもの。佳奈子はそれに気が付き、正行を「甘やかす」のではなく、毅然とした態度で接することで、佳奈子自身の尊厳も守ったのではないでしょうか。
夫婦関係の危機を乗り越え、再構築を目指す姿に、学びの多いエピソードです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










