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🔴【第1話から読む】「ただの疲れ」と思っていた夫の不調は、うつ病だった|夫がうつになりました
数か月に一度の美容室でのリフレッシュのため義母に子どもを預けたえりな。予定より早く帰宅した際、義母が義父に電話をしている声を聞いてしまう。頑張りを否定するような発言を聞いてしまい、えりなの心は完全に折れて…。
もっと私を気にかけてほしいと思うことはダメ?
「夫はもちろんだけど、サポートしている私だってきつい…こっちのことも気にかけて欲しい」
そう思うのは、間違っているのでしょうか。誰にも言えないこの言葉を、私は毎晩、子どもが寝た後に残った家事を片付けながら、つぶやいてしまう。
週末、私の仕事の大きな会議があり、どうしても外せない日があった。ハルキに子どもたちをお願いするのは、今の彼の状態では現実的ではない。薬で寝入ってしまうことがあるから。
だから、こういう時は決まって義母にお願いすることになる。
「えりなちゃん、明日は何時に行けばいい?えりなちゃんは何時に帰る?」
義母はハルキのことが心配で仕方ない。だけど治療などは全部私に一任だから詳しいことが分からず不安なのだ。だから帰る時間ばかり気にする。
「10時には家を出たいので、9時半ごろに来ていただけると助かります。夕方5時には戻れると思います」
この日はお昼までの会議が終わったあとに美容室に行くつもりだった。数か月に一度のリフレッシュの時間。ハルキの病気がわかってから、美容院すらゆっくり行けていない状態で、今日のことを楽しみに頑張ってきたのです。カットだけなので、さっと済ませるつもりでした。
義母の本心
その日の夕方、私はとんでもない場面に遭遇してしまった。
会議が予定より早く終わり、美容室も予約時間を前倒してくれたので、予定より1時間早く帰宅できた。子どもたちが昼寝をしているといけないので、玄関をそっと開けて家に入る。リビングには誰もいなくて「子どもたちはきっと義母と2階のプレイルームにいるのだろう」と、2階に向かった。
すると、2階から義母が電話している声が聞こえる。
「――そうなのよ。今日もハルキが動けないからって、えりなちゃんに子どもたちをお願いされちゃってね」
義母の声は、ため息交じりで明らかに不満に思っているのがわかる声。
「仕事とは言ってたけど、どうなのかなと思うのよね。自分の夫がこういうときに、あの子が仕事する必要ってあるのかしらね?寄り道もしてるみたいだしね」
私の心臓が、ドクンと嫌な音を立てた。全身から血の気が引いていく。土曜の仕事は、ハルキが働けない分の収入の補填なのに…。たった数時間のリフレッシュは数か月に1度なのに…。
義母はさらに言葉を続けた。
「ハルキがかわいそうよ。家に帰ったら妻は疲れた顔をしてるか、留守にしてるか。私たちがいるからって、あの子甘えてるんじゃないかしらね」
リフレッシュは罪?
私は、その場で動けなくなりました。手には、義母への感謝の気持ちを込めて買ってきた小さな洋菓子店の袋が握られていた。それが、重く、鉛のように感じられます。
私が、甘えている?
私がこなしている毎日の仕事、朝から晩までの家事、2人の幼い子どもの世話。その上で、うつ病の夫の気持ちに寄り添い、決して責めないように心を砕いていること。私の頑張りなんて、義母の目には少しも映っていなかったのだ。
数か月に1回のリフレッシュもだめなのでしょうか。自分の時間を持つことは、そんなに罪深いことなのだろうか。
2階の階段をそっと降りて、何も聞かなかったふりをして大きな声で「ただいま~!」と明るい声を出したけれど、その夜、私は夫の隣で、義母への怒り、そして誰にも理解されない孤独感で、一睡もできなかった。私の心は、完全に折れかかっていた。
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あとがき:数時間の休憩も許されない罪悪感
休めない、努力に気づいてくれない環境は、えりなの精神的な「限界点」です。彼女にとって数時間の美容室は、唯一の自己防衛の時間でした。
それを不本意にとらえられたことで、誰にも言えない怒りと深い孤独感が、えりなを夜通し眠れぬ苦しみに突き落としました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










