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夫・ハルキがうつ病を患い、32歳のえりなは仕事と育児、介護に近い生活に追われ、心身ともに疲弊していた。気丈に振る舞う裏で「私だって疲れてるのに…」と悩む日々。海外の義姉・みかの優しい言葉だけが、唯一の救いでした。
夫がうつになった
私はえりな、32歳。私には夫のハルキ、34歳がいる。そして、元気いっぱいの長男・祐樹が4歳、長女・はなが1歳。賑やかで幸せな家庭――のはずだった。
ハルキは、今年の春からメンタルクリニックに通っている。診断は「うつ病」。休職するほどではないけれど、定期的な通院と抗うつ薬の内服は欠かせない状態です。
「ただの疲れだよ、すぐ治る」って、最初は私たち夫婦も、周りの家族もそう思っていた。でも、もう半年近く経つ。
彼の病気がわかってから、私の生活は一変した。
朝、ハルキがちゃんと起きられるか。夜、無事に帰ってこられるか。帰宅して食事ができるか、お風呂に入れるか。毎日が綱渡りなのです。
妻にのしかかる「サポート疲れ」
独身時代は、結構行動派で、週末は趣味に没頭したり、友達と旅行に行ったりするのが大好きだった私。ハルキもそんな私の自由奔放なところを気に入ってくれていたはずなんだけど。
「今日、調子どう?」
夜、ハルキがリビングにいるときに、そっと声をかけるのが日課になった。
「……うん、まあ。でも、明日の朝が怖い。また動けなくなるんじゃないかって」
ハルキは疲れた顔でそう言って、力なくソファーに沈み込む。そんなハルキを責める気持ちなんて、これっぽっちもない。だって、一番つらいのは彼自身だって分かっているから。でもね、時々、心の奥底で「私だって疲れてるんだよ」って言いたくなる。
子どもたちを保育園に送ってから、私もフルタイムではないけれど仕事をしている。帰宅すれば、家事、育児、そして病気の夫のサポート。もはや介護のような状況の日もあって、正直とてもきついんです。
義姉という存在
私には、心を許せる大事な身内がいる。それは、ハルキの姉であるみかさん。35歳。彼女は結婚後すぐに海外赴任になってしまったんだけど、赴任前は本当によく交流していて、まるで気の置けない友達みたいに接してくれた。
海外赴任が決まってからはあまり連絡を取らなくなってしまったけど、誕生日や季節の挨拶などは必ずしている。本当はすぐにでも、ハルキのことを言いたいけど、心配かけたくなくて、言えないままでいる…。
みかさんみたいに優しい人にハルキの話をしたら、吹っ飛んで帰ってきてしまいそうで。みかさんにそんな迷惑はかけられない。
「みかさん、お久しぶりです!元気ですか?私たちも毎日一生懸命がんばっています!」
こうやって、嘘じゃないけど事実は伏せた、精一杯の近況報告をたまに送ることが精一杯だった。
「頑張るのはいいけど、頑張りすぎはだめだよ!いつもおつかれさま」
この短いやり取りだけで、なんだか涙が出そうになった。周りからの言葉が重荷になることが多い中で、みかさんの言葉だけは、私自身を気遣ってくれている感じがして、心底救われたのです。
でも、この疲労はどんどん蓄積していく一方。このまま、いつまで頑張ればいいんだろう。そう考えて、最近は夜中に目が覚めることが増えました。本当に、もう限界が近いのかもしれない―――。
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あとがき:見えない重圧と「頑張らなきゃ」の呪縛
明るい家庭が一変し、妻・えりなが抱え込む見えない重圧を描きました。夫の病気という事実に加え、「私がしっかりしなければ」「元気でいなければ」というプレッシャーが、えりなを追い詰めます。
特に、かつての行動派だった自分と、今の「介護者」としての自分のギャップに、つらい気持ちを抱えていることがわかるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










