🔴【第1話から読む】2年間にも渡り「不倫をしていた」→夫から突然の自白、崩れ落ちる信頼|不倫相手に脅された夫
千佳子が向かった先は、勝昭の実家だった。事情を知った義両親は、千佳子に深く謝罪した後、勝昭を呼び出し、厳しい「鉄槌」を下す―――。
私が助けを求めた場所
私は夫との問題を誰に相談すべきか、短時間で必死に検討した。
まず実母が思い浮かんだが、不倫のことを話せば、母はきっと「すぐに別れなさい!」と激怒し、離婚を強く勧めるだろう。私の気持ちは今「離れずに改心してほしい」に傾いているのに、母の言葉で迷いが出て、より混乱するかもしれない。
律を抱いて家を出た私が向かった先は、私の実家ではなく、義実家だった。
昔から、義母は私のことを実の娘のようにかわいがってくれていた。律が生まれてからはより頼りになっていた。私は義母の優しさに甘えようと思った。インターホンを鳴らし、義母が玄関を開けた瞬間、私の目からまた涙があふれた。
「千佳子ちゃん、どうしたの!なんで泣いてるの?勝昭は?」
義両親の言葉に救われる
義母は私のただならぬ様子にすぐに気づき、私と律をリビングのソファに座らせてくれた。私は泣きじゃくりながら、勝昭から告白された内容を、途切れ途切れに全て話した。結婚当初からの不倫、妊娠中の別れ話、そして相手からの脅し。
話し終えた後、義母は一言も発さず、ただ静かに私の手を取り、震える声で言った。
「千佳子ちゃん。本当にごめんなさい。うちのバカ息子が、あなたと律くんに、なんてひどいことを……」
義母は、自分のことのように深く心配し、頭を下げて謝ってくれた。その様子に、私はまた涙が止まらなくなった。義母は悪くないのに、私と同じくらい苦しんでいる。その思いやりが、私の心を少しだけ軽くしてくれた。
すぐに義父にも話が伝わり、義父は眉間に深いしわを刻み、義母に勝昭を今すぐ呼ぶように指示した。
「千佳子ちゃん、心配しないで。このことは、私たち夫婦が責任をもって対処するから。本当に、うちの息子が悪かった」
義両親が夫に課した罰
数時間後、家に勝昭が着いた。義両親と私、そして勝昭がリビングに並ぶ。義父はものすごい形相だった。
「勝昭、とんでもないことをしでかしたな。千佳子ちゃんは、お前の子を生んでくれた妻であり、一生守り抜くべき存在だぞ。お前の裏切りは何をしても許されることではない」
義母も目に涙を浮かべながら、静かに、しかし有無を言わさぬ厳しい声で続けた。
「勝昭、今まで千佳子ちゃんがどんなにあなたを大切に思っていたかわからないの?親として、恥ずかしいよ」
勝昭は2人の説教に対し、終始、床に視線を落としたまま、ただひたすら「はい」「すみません」と答え続けるだけで、一切反論しなかった。彼の顔は青ざめていた。義父は最後に、具体的な指示を出した。
「相手の女からこのことをバラすと言われているんだってな。あとは口止め料か?そんなもの払うな。お前が悪いんだからバラされてもしかたない。相手の女だって、お前の会社にバレたら困るだろう」
「それはそうだけど…」
「そんなことより、すぐにその女と関係を断て。妻にも自白したし、職場にバレるのも覚悟していると言え。そして、千佳子ちゃんにきちんと償え」
その言葉は、勝昭への裁きであると同時に、私への最大限の配慮だった。私の心は、少しずつ整理され始めていた。義母はこう言っていた。
「もしあなたの不祥事が理由で仕事を辞めることになっても、すぐに次の職場を探しなさい。千佳子ちゃんに一切の不自由をさせないこと。それがあなたの責任でしょう」
その言葉は真剣そのもので、勝昭も、もう逃げてばかりはいられないと腹をくくったような表情をしていた。
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あとがき:味方になってくれた義両親
物語の大きな転換点です。実家ではなく義実家を頼るという千佳子の選択は、彼女の賢明さと、義両親との良好な関係を物語っています。義両親が、千佳子側に立って勝昭を厳しく糾弾したことは、千佳子の心を軽くしたでしょう。特に義父の裁きは、感情論ではなく、具体的な償いを命じており、夫婦の「再構築」に現実的な道筋をつけました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










