🔴【第1話から読む】2年間にも渡り「不倫をしていた」→夫から突然の自白、崩れ落ちる信頼|不倫相手に脅された夫
勝昭の涙ながらの懇願に、千佳子の感情はついに決壊する。軽蔑と愛情が激しくぶつかり合い、彼女は理不尽な状況に混乱する。離婚は考えられないものの、気持ちが整理できない千佳子は一度家を出ることに―――。
感情が大きくかき乱される
夫の告白を聞いてから、私の時間は止まってしまったようだ。律は目の前でかわいい寝顔を見せているのに、私はこの現実が、寝不足のせいで見ている悪夢ではないかと疑い続けている。
「私には、今この話はキツすぎる。律はまだ生後1か月で、私の体も全然回復してないのに…」
私はソファの端に座り込み、両手で顔を覆った。怒りとか、悲しみとか、そういう単純な感情だけではない。勝昭への変わらない愛情と、裏切られたことへの「許せない」という気持ちが、脳内で激しくぶつかり合っている。
簡単に嫌いになんてなれない
「本当にごめん。でも、相手からの連絡がひっきりなしで、もう隠し通すのが限界だったんだ…」
勝昭は泣いていた。私だって泣きたいのに…。
「私にとってあなたは、律の父親で、世界で一番大切な人だったよ…なのに…」
私の言葉は、本心だった。理屈じゃない。初めて告白された時の胸の高鳴りも、結婚指輪を交換した時の感動も、律が生まれた瞬間に2人で流した涙も、全て本物だと信じている。その記憶と、彼がした行為が、あまりにもかけ離れすぎていて、どう処理していいか分からない。
「私は律のことで頭がいっぱいなのに、あなたのこの話のせいで、心も体もぐちゃぐちゃだよ。もう何も信じられない…」
やり直したい、という夫の懇願
私の感情が決壊し、堰を切ったように涙が溢れ出した。声を殺して泣く私の肩を、勝昭は恐る恐る抱きしめた。
「ごめん…どんな罰でも受ける。俺も千佳子と一緒にいたい…律のためにも、もう一度、一からやり直させてほしい」
「離婚はまだ考えられない…だってあなたと一生一緒にいたいって、本当に思っていたもの。でも急すぎて気持ちが追い付かない。気持ち悪いよ、不倫だなんて…」
私の混乱と、彼の深い後悔。この愛憎が入り混じった状態を、どうにか整理するために、私はある決断をした。このまま2人だけで話し合っても、ただ泣き疲れるだけだ。もっと客観的で、厳しい、第三者の目が必要だと思った。
「ごめん、ちょっと家を出る」
不安そうに見つめる勝昭も、私の表情を見て止めることはできなかった。私は眠っている律を抱き上げて最低限の荷物だけを持って、この騒動を一緒に解決してほしい人のもとへ向かったのだ―――。
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あとがき:決壊する感情
本話の核心は「愛憎の渦」です。勝昭を心の底から軽蔑するのに、彼への愛情を捨てられない千佳子の姿は、裏切られた妻の最もリアルな葛藤です。感情論で話し合っても解決しないと悟った千佳子が、「客観的で厳しい第三者」の目を求めるに至ります。この状況で家を出るという行動は、彼女が単なる被害者ではなく、この問題を解決しようとする強い意志を持ち始めたことを示しています。彼女が向かう先がどこなのか、読者の関心を引く展開です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










