35歳で結婚したゆきえは、結婚直後にすぐに妊娠が判明し喜びに包まれます。しかし、職場の同僚で「子どもはいらない」と公言するえみこ(36歳)の存在には不安な思いも。えみこは自分の方針をつらぬくだけでなく、子どもを持つ決断をした人に対して攻撃的になる傾向があります。ゆきえは、えみこに対して妊娠をどう伝えるか悩んでいました。
結婚して間もなく授かったわが子
私はゆきえ、35歳。少し前までは仕事一筋の毎日を送っていたけれど、去年の秋に今の夫、俊哉(33歳)と籍を入れ、今年の4月には結婚式を挙げました。私にとって、それは本当に幸せで穏やかな時間だった。
結婚前から「子どもは欲しいね」と話していて、式を挙げたその頃から妊活をスタート。幸い、すぐに子どもを授かることができました。正直、私のような年齢だと時間がかかるかもしれないと思っていただけに、喜びは想像以上でした。
気がかりは同僚の存在
そんな幸せの絶頂にいる私だけど、職場にはちょっと頭を悩ませる存在がいます。
それが同僚のえみこ。私より1つ上の36歳で、ずいぶん前に職場の同僚と結婚しています。似た境遇にも見えるけれど、私たちとは決定的に違う点があって。それは、彼女が「子どもはいらない」という選択をしていること。
は人それぞれだと思うので、それ自体は彼女の判断として良いと思います。でも、えみこの場合は、ただ「いらない」というだけじゃなく、子どもを欲しいと思う人や差受かった人に対して、厳しい物言いをしたり、バカにしたりするような態度になるんです。
子どもを望む人を見下す同僚
えみこは、自分が子どもを持たない選択をしたことを誇らしく思っているのか、子どもを持つことを望む人間を一段下に見ているかのように話すことが多い人です。
「子どもがいるとさ、自分たちの行動が制限されて窮屈だよね」
「私は自分の時間を何よりも大切にしたい」
「子どもに縛られる人生なんて、まっぴらごめんだよ」
その信念を貫くために、えみこの夫は義両親に「自分たちは子どもをつくるつもりはない」と宣言したらしい。きっと揺るがない決意があるんだと思います。
えみこは私が妊娠したことを知ったらどう思うのか、どんなことを言われるか考えるとなんだか怖くなりました。私のささやかな幸福を、土足で踏みにじられるんじゃないかって。
単なる同僚への妊娠報告だけど、職場で毎日会う人に対してこういう報告をするのはとても勇気がいることだと、この時私は初めて知りました。
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あとがき:静かなる春の訪れと、冷たい眼差し
この物語は、人生の大きな喜びと、それに影を落とす他者からの嫉妬や悪意を描くストーリーです。結婚と妊娠という人生の春を迎えた主人公ゆきえと、対照的な価値観を持つえみことの対立構造を明確にしました。
特に、えみこの「子どもはいらない」という強い信念が、ゆきえの幸せをどう脅かすのか、その予感と緊張感を演出しています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










