内向的な性格の主人公・かなこは、明るい性格の義姉・まみがネットワークビジネスに傾倒し、商品を大量購入する姿に違和感を覚えます。義母も強引な勧誘に疲弊し始めていて…。
義姉のことに悩みを抱える
かなこです。29歳になりました。夫の正春と、今年3歳になる息子のはるとと、今は義実家で同居しています。私はどちらかというと内向的で、物事をじっくり考えるのが好きな性格。正春は穏やかで優しいのですが、少し流されやすいところがあるのが玉にきずでしょうか。
義姉のまみさんは33歳。独身で一人暮らしをしていますが、週末や用事がある時には頻繁に義実家に帰ってきます。まみさんは明るくて社交的、そして何よりバイタリティがある人なんです。ただ、昔から少しお節介というか、自分の「良い」と思ったものを周囲にも半ば強引に勧めたがるところがありました。
そんな義姉が、私たちが同居を始めた半年ほど前から、とあるネットワークビジネスにどっぷりハマってしまったようです。
ネットワークビジネスにのめり込む義姉
最初の頃は、義姉からネットワークビジネスに関する単語を聞くことはあっても、それは趣味や習い事の話の延長線上にある、ちょっとした話題にすぎませんでした。
「ねえ、このサプリメントすごくいいのよ」
「洗剤を変えただけで、環境に優しくなって地球を救ってる気分!」
みたいな、軽くて明るいトーンだったんです。だから、私も「へえ、そうなんですね」と適当に相槌を打つくらいで、特に気に留めていませんでした。
でも、最近になってその熱量が明らかに変わってきたのを感じています。
義実家に帰って来れば、義姉は必ず大きな段ボール箱を抱えています。中には、彼女が自分で購入したらしいネットワークビジネスの商品がぎっしり。以前は化粧品が多かったのですが、今は健康食品や日用品まで、あらゆるジャンルに広がっているようでした。
身内へ購入を強引に進める
「かなこちゃん、見て!これも買ったの!これでまたポイントが貯まって、ランクアップが見えてきたのよ」
彼女は誇らしげにそう言うけれど、私にはそれが「自己投資」というより、何かを埋めるための「散財」に見えてしまって。義姉の部屋に積み上がっていく在庫の山を見るたびに、私の心には小さな違和感が生まれていったんです。これは明らかに、彼女の生活の中心が変わりつつあるサインでした。
義母も当初は「まみも頑張ってるのね」と生暖かく見守っていたのですが、義姉が帰ってくるたびにネットワークビジネスの話ばかりになるので、だんだん疲弊しているのが分かりました。
「お母さん、これ、本当に体にいいから。お父さんの健康のためにも、このプロテイン飲みなきゃダメよ」
「えー、でも高いでしょう?」
「いいの!私が会員価格で買ってあげるから!今月はこれと、あとこの浄水器がセットで買うとすごくお得なの!」
義姉は義母の返事を聞く前に、既にスマートフォンで注文を済ませようとする勢い。義母は穏やかな性格で、まみさんの勢いに押されて断れないでいるんです。その様子を見ていると、私の胸のざわつきは無視できないレベルになっていきました。
これは、ただの趣味の域を超えている。そう、直感的に感じたんです。私は自分の家族を守らなきゃいけないって。
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あとがき:境界線の始まり
この物語は、ごく身近な人間関係の中に潜む「依存」と「執着」から始まります。義姉・まみさんのネットワークビジネスへの熱狂は、単なる趣味や仕事を超え、次第に義実家の空気を支配していきます。主人公かなこの抱える違和感は、家族の安全を脅かすものとして、無視できないレベルへと成長していきます。
かなこの内向的な視点を通して、優しさが時に危険を招く可能性と、家族の平和を守るためには、はっきりと境界線を引く覚悟が必要であることを示唆します。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










