1. トップ
  2. トレンド・イベント
  3. ブログ・SNS
  4. 「健康はお金で買えるのよ」義姉がハマった紹介ビジネス、標的は家族?|ネットワークビジネス義姉

「健康はお金で買えるのよ」義姉がハマった紹介ビジネス、標的は家族?|ネットワークビジネス義姉

内向的な主人公かなこは、夫の正春と息子はるとと義実家で同居中。そこに頻繁に帰省する独身の義姉・まみは、明るく社交的だが強引な性格で、ネットワークビジネスに傾倒している。最初は軽い趣味の延長だった義姉の活動ですが、だんだんと様子が変わってきて…。『ネットワークビジネス義姉』をごらんください。

🔴【第1話から読む】自宅に段ボールいっぱいの“商品”、紹介ビジネスにハマった義姉に戸惑い|ネットワークビジネス義姉

義姉の勧誘はエスカレートし、義母は半ば強制的に商品を購入させられます。さらに義姉は、テニスを口実に夫・正春を勧誘の場に誘い込んで…。

義姉の圧に家族も引き気味

食卓 家族 PIXTA

「かなこちゃん、聞いて聞いて!今度のミーティング、本当にすごいんだから!」

ある週末の昼下がり、義姉のまみさんが帰省してくるなり、リビングの空気が一変しました。はるとがおもちゃで遊んでいる隣で、彼女は目を輝かせて一方的に話し始めます。

「ねえ、すごいリーダーさんがいるんだよ!その人、元は普通のサラリーマンだったのに、今はもうこれだけで生活できてるんだって!すごい儲かってるんだよ。すごくない?」

「あ、ええ、すごいですね……」

私は曖昧に答えるしかありませんでした。彼女の話は、商品の素晴らしさから始まり、いかにそのビジネスが「時代に合っている」か、そして「参加している仲間が皆どれだけキラキラしているか」という内容で満たされていました。

「この商品がすごい良くて、周りの皆も使ってて、本当に生活が変わったんだよ。かなこちゃんもさ、はるとくん育てながらでもできるよ?時間なんて関係ないし、仲間と協力してできるから!」

勧誘の言葉は、以前よりもずっと露骨になってきています。私はなるべく目を合わせず、はるとに注意を向けているフリをしました。

義母を気遣うが…

サプリ PIXTA

そして、義母への勧誘もエスカレートしていました。

「お母さん、このサプリ、毎日飲まないとだめ!健康はお金で買えるのよ!」

義母は困ったように微笑みながら、まみさんが置いていった健康食品を仕方なく口にする。義母は胃腸が弱いのに、まみさんは「デトックス効果があるから」と半ば強引に買わせている様子。強引に買わされた商品が、棚の奥で消費期限を迎えようとしているのを見るたびに、私は罪悪感と怒りが混じった感情を覚えます。

「お姉さん、お義母さんは体が弱いから、いきなり量を増やすのはやめた方がいいんじゃないですか?」

と私が遠慮がちに言うと、まみさんは「かなこちゃんはまだこの商品の本当の良さを知らないんだね。大丈夫、これは自然なものだから!」と、私の忠告を鼻で笑うように一蹴しました。

義姉の暴走はついに夫にまで

男女 相談 PIXTA

さらに困ったことに、彼女の営業活動は、とうとう夫の正春を巻き込み始めました。

「正春、今度、会員が集まるテニスサークルがあるんだけど、一緒に行かない?運動不足解消にもなるし、みんな良い人ばかりだよ!」

正春は学生時代からテニスが好きで、義姉はそれを知っていたのです。最初は「ちょっと怪しいんじゃないか?」と躊躇していた正春ですが、まみさんの「えー、別に普通のテニスだよ?スポンサーがネットワークビジネスの会社なだけで!」

「みんな純粋にテニスを楽しんでるんだよ!」という明るい誘いに、あっさりと「まあ、テニスするだけならいいか」と承諾してしまったのです。

「ちょっと、正春。そういうの、調べた方がいいんじゃないの?」
「なんで?テニスだよ。姉さんの紹介だし、危ないことするわけないじゃん」

正春は、義姉がテニスという「無害なもの」をダシにしていることに全く気づいていないようでした。

私の心の中では警報が鳴り響いていました。調べれば調べるほど、そのテニス大会やサークルが、会員獲得のための「誘い込みの場」であることは明白でした。行かせたくない気持ちが、日に日に強くなっていきます。

でも、どうやって正春を止めればいいのでしょうか。義姉の話を聞き入れ、危険なことだと思ってもいない夫に、私の不安を伝えるには、どうすればいいのか皆目見当もつかないのでした。

🔴【続きを読む】「普通のテニスサークルじゃない」勧誘の場への妻の警戒→夫に届かず|ネットワークビジネス義姉

あとがき:沈黙の共犯者

第2話では、義姉の熱意と、夫・正春の無関心という二つの問題が浮き彫りになります。正春の「見て見ぬふり」や「面倒事を避ける」態度は、義姉の行動を間接的に助長し、かなこを孤立させていきます。ネットワークビジネスの勧誘は巧妙で、テニスという「無害なダシ」を使う手口は、正春のような平和主義者を容易に引き込みます。この話は、善意による無関心が、いかに家族を危険に晒す「沈黙の共犯」になりうるかという、現代の人間関係における警鐘を鳴らします。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】ネットワークビジネス義姉

🔴【今読まれています】マイホームの真向かいに住むママ友、明るさの影に見え隠れする“違和感”|フレネミーママ友

おすすめ記事

「小説」 についてもっと詳しく知る

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧