🔴【第1話から読む】「最近、当たりが強くて...」パート先の厄介なベテランさん|お金貸しておばさん
パート先のスーパーで働く主人公・川島。ある日、同僚の藤井さんから、ベテランの高山さんによる嫌がらせを受けていることを相談されました。
勇気の告白
私「実は私もね、最近高山さんから『お金貸して』って言われて、すごく困ったんだよね…」
藤井「えっ……?」
藤井さんは目を大きく見開いていました。私は深く息を吸い込み、ゆっくりと思い出すように語りました。
———数か月前の夕方。私は高山さんと2人きりのバックヤードで「子どもが入院してお金が必要だ」と苦労話を持ち掛けられ、5万円だけ貸してほしいと頼まれました。私は結局「家計が厳しい」「夫に相談せずには貸せない」と言って断ったのですが…。
私「高山さん、ちょっと最近様子がおかしいなと思ってて。前よりずいぶんイライラしやすくなったみたいだし」
藤井「……私も、言われました」
その一言は、ほとんど息のような小さな声でした。そして次の瞬間、藤井さんは堰を切ったように言葉を溢れさせました。
藤井「私実は、30万円貸しちゃったんです…断れなくて…しかも、1円も返してくれないんです…」
私「え!!30万円も......!?」
黙ってうなずく藤井さんの目からは、大粒の涙がこぼれていました。
立ち上がる決意
藤井「本当は誰かに相談したかったんですけど、高山さん、お子さんの入院のことは周りに言ってないっていうから話せなくて。でも最近見ちゃったんです…高山さんとお子さんがショッピングモールで買い物してるのを…」
私「え、それって…」
藤井「ウソかはわからないですよ、もう元気になったのかもしれないし…でも…おかしいですよね、お金返してくれないなんて…」
藤井さんは声を震わせ、胸の前で両手を握りしめていました。その姿を見て、私は思わず椅子を引き寄せ、横に座りました。
藤井「私が、バカだったんでしょうか」
私「バカなんかじゃないよ。困ってる人を助けたいって思ったんでしょう? それは責められることじゃない」
藤井「最近は目も合わせてくれないし、前よりずっと冷たくされて、私何も言えなくなって…」
その言葉を聞いた瞬間、私の中で小さな火が燃えあがりました。ただの「苦手な人」で済ませてきた自分が情けなくなりました。藤井さんは一人で、こんな重い悩みを抱えていたのに。
私「藤井さん、ちゃんと上司に相談しよう。私も一緒に行くから」
藤井「……本当に、いいんですか?」
私「もちろん。このままじゃ、藤井さんが壊れちゃう」
その瞬間、藤井さんは嗚咽をこらえるように顔を伏せました。私はそっと藤井さんの背中に手を置きながら、心の中で決意しました。もう見て見ぬふりはしない。普通に働きたいだけの若いお母さんが、こんなことで苦しむ職場であってはいけないのだ、と。
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あとがき:支え合いの大切さ
誰にも言えず抱えていた藤井さんの苦しみを知った主人公は、一緒に行動することを決意しました。困難な状況でも、一人で抱え込まず、信頼できる人と支え合うことの大切さが描かれていますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










