🔴【第1話から読む】「最近、当たりが強くて...」パート先の厄介なベテランさん|お金貸しておばさん
主人公は藤井さんに対し、高山さんに「お金を貸してほしい」と頼まれたことを打ち明けます。すると、なんと藤井さんはすでに30万円を貸してしまっていたことがわかりました。まだ一円も返されておらず、主人公は現状の打開を決意します。
貸し借りの証拠
翌日。バックヤードではすでに高山さんが、わざとらしく大きな音を立てながら準備をしていて、そのたびに藤井さんの肩がびくっと揺れていました。私は藤井さんに近づき、こっそりと話しかけました。
私「無理に今日じゃなくてもいいよ。タイミングは藤井さんが決めて」
藤井「……逃げたくないんです。もう限界だから」
その言葉に、胸の奥が締めつけられました。そして休憩時間。休憩室に入った途端、藤井さんは小さく息を吐きました。
藤井「上司に話す前に、証拠って必要ですよね」
私「うん、できればあったほうがいいね。言い逃れされたら大変だし」
藤井「LINE、残ってます。最初にお金を貸した時のメッセージも」
そう言ってスマホを取り出し、画面を私に見せてくれました。そこには明確に高山さんと思われるメッセージが並んでいました。
「30万円、ありがとう。これで子どもの手術ができるわ」
「返してくれるんですよね?」
「もちろん、退院したらすぐに返すわ。保険金がおりるから」
しかし、お金が返ってくることはなく、藤井さんが催促すると、返信はどんどん雑になっていきました。
「ちょっと今日は無理なの。すぐ返すから待ってよ」
「他の人には言わないでよね?職場での私の立場、わかるでしょ?」
「本当に困ってるんだから、もう少しくらい待って」
どれも、断れない相手の善意につけ込んだ言葉ばかりです。
私「これだけあれば、きっと十分だよ」
藤井さんの目には涙がにじんでいましたが、それは少し安堵の色を含んでいるようでした。
売り場に響く怒号
午後、上司に相談するタイミングを見極めようとしていたときでした。突然、売り場の端から大声が響きました。
高山「藤井さん~!ちょっときて!これ、また間違ってるんですけど!」
藤井さんは小さな声で「すみません……」と謝っていましたが、高山さんは容赦なく続けます。
高山「あなたのフォローをする人の身にもなってほしいわね~」
高山さんはこうして藤井さんより自分の立場が強い状態を作り出し、お金のことも言いにくくしているのだと感じました。私はその陰湿なやり取りをこれ以上見ていられないと感じ、2人の間に入って声をかけました。
私「高山さん、もうやめてください。私たちはこれから上司に相談しに行きます」
高山「は? 何の話?」
私「ここでは言えません。でも、これ以上は見過ごせないですから」
その瞬間、高山さんの顔色がわずかに変わった。こうして、私は藤井さんを連れて、上司のもとへ向かいました。
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あとがき:差し伸べる手
普段は見過ごしてしまう小さな違和感も、誰かの勇気で変わることがあります。誰かが困っているとき、そっと手を差し伸べることの大切さを描きました。次回は、その決意が職場でどう試されるかに注目です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










