🔴【第1話から読む】自宅に段ボールいっぱいの“商品”、紹介ビジネスにハマった義姉に戸惑い|ネットワークビジネス義姉
大学同期のななえが、実は別のネットワークビジネスの愛用者だと告白。ななえの「選択の尊重」に基づいたスタンスを知り、かなこは自分が嫌っていたのは「ビジネス」ではなく「義姉の強引な押し付け」だったと気づくのでした。
友人に思わず愚痴をこぼす
夫と喧嘩腰で話した翌日、私は大学の同期であるななえと久しぶりにランチをすることになっていました。ななえは仕事もバリバリこなすキャリアウーマン。私は会うなり、堰を切ったように義姉の愚痴をこぼしました。
「ねえ、聞いて。義姉のネットワークビジネスが本当にひどくて…。もう義実家がミーティング会場みたいになってるし、とうとう正春ま勧誘目的のテニスサークルに誘われちゃってさ…」
私は義姉の強引な勧誘ぶり、正春の危機感のなさ、そして義母が半ば強引に商品を買わされている状況を、一気に吐き出しました。ななえは静かに話を聞いていましたが、私の話が終わると、彼女は少し躊躇いがちに口を開きました。
「…そっか。実は私もある会社の商品が好きで使ってるんだけど、それはネットワークビジネスって言わてるの」
その一言は、私の頭を鈍器で殴られたような衝撃でした。え、ななえが?こんなにしっかりした彼女が?私の知るネットワークビジネスとは、強引で、執念深くて、人間関係を壊すもののはずなのに?
まさかの告白に衝撃を受ける
「え、うそ…?ななえが…?どうして…」
「私は義姉さんとは別の商品なんだけどね。ダイエットをきっかけに飲み始めたサプリが私に合うから使ってるの。あとは、子どもにも安心して使える商品を、子どもと一緒に愛用したりもしてるよ」
彼女は穏やかな笑顔で続けました。
「でも、私は別に無理に勧誘して会員を増やしたいとかは思ってないよ。私は、商品に興味があるか必要そうな人にだけ話すスタンス。ネットワークビジネスの捉え方や伝え方は人それぞれだから、強引な人がいると、印象悪いよね」
ななえの言葉には、義姉のような「儲け話」や「華やかな生活」への熱狂は一切ありませんでした。そこにあるのは、純粋な商品の愛用者としての実感と、誰かの役に立てればいいなという思いだけ。
「皆がそれぞれの方法で幸せになればいいんだからさ、無理に勧誘して『ビジネスやらなきゃ幸せになれない』みたいな言い方するのは違うよね」
私はショックと驚きで言葉を失いました。実際にネットワークビジネスをやっている人が、こんなにも近くにいたのに、今まで一度も勧められたことがなかったからです。
義姉と友人の違い
「ななえはどうして私を勧誘しなかったの?」
私がそう尋ねると、ななえはクスッと笑って言いました。
「だって、かなこがそういうものに興味なさそうだったから。それに、かなこは自分でしっかり情報を集めて、良いものを自分で選べる人だと思ってるから、私がわざわざ勧める必要もないでしょ?」
その言葉は、私の頭の中で大きなヒントになりました。義姉が私や義母、そして正春にやっていることは「押し付け」で、ななえがしていることは、単なる愛用と必要な人への助言です。私がネットワークビジネス全体に嫌悪感を抱いていたのは、そのビジネスモデルそのものよりも、義姉の「相手の気持ちを無視した強引さ」にあったのだと、初めて腑に落ちたのです。
私はななえの告白に心から感謝しつつ、これから先の義姉との向き合い方を改めて考えていました。
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あとがき:ステレオタイプからの脱却
ネットワークビジネスに対するかなこの嫌悪感は、義姉の強引な姿勢が生んだ、言わば「ステレオタイプ」でした。しかし、同期のななえの登場により、その認識は大きく揺さぶられます。ななえは、商品の愛用者としての純粋な動機と、相手の選択を尊重する誠実なスタンスを示します。この対比は、問題の核心がビジネスの是非ではなく、「押し付け」というコミュニケーションの暴力にあることをかなこに気づかせます。この発見は、単なる断り方ではなく、義姉との関係を維持しながら問題を解決するための大きなヒントとなります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










